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Grand Tale Online  作者: エレトト
冒険者入門
1/2

始まり

大学が夏休みに入った頃の話だ。東京で働いている兄が久しぶりに実家へと帰って来たという報せが届いた。


実家へと急ぎ帰ると居間で平日の昼間から茶をしばいている兄を見つけた。


「母さんから『兄貴が暇してるだろうから相手をしてあげて』って連絡があったから来てみたら……これは、そのあれか?」


会社を首になったのか?喉まででかかった言葉をどうにか飲み込む。もしそうだとしたら傷口を抉る行為だし、そうじゃなければなおのこと失礼だ。


「仕事の関係でこっちに来ることになってな。ついでに新しい機器のモニターに恵を使おうと思ってな」


「モニター?」


「ああ、モニターだ。最近話題になってるVR技術を使ったオンラインゲームのことは知ってるよな?」


「勿論、情報はチェックしてるよ。βテスターにも応募した。抽選落ちたけど……」


そう答える俺を兄貴は満足げに見ると椅子の横に置いてあった紙袋の中身を机の上に広げる。


「これってもしかして、あれ?」


「ああそうだ。そのVR技術を使用したゲームに必要なゲーム機だ」


兄貴が取り出したそれはゴーグルのようなものとそれから伸びるコードに繋がれた箱だ。それが三つ。


「うん?でも市販の奴はもう少しゴツくなかったか?」


「これはうちの会社で生産してる新型だな。とは言っても性能は同じでただ軽量化と消費電力を低減してるだけだがな」


VRゲームを行うための機器で現在最も主流な型はフルフェイスヘルメットのような形をしており長時間の装着は首への負担が大きいと不評だった。そこでそれを軽減するために最低限の描画機能だけに抑えたゴーグルと本体に分けようと言うのがこの新機種の狙いだそうだ。


「とはいえコードで繋いでるせいで耐久力にも疑問があってな。それでそこら辺も含めてしばらく使ってみて使い心地ってやつを教えて欲しい」


だからそれは恵にプレゼントだと兄貴は続ける。


「なるほどな、そういうことか。でも三つもあるけどどういうことだよ?」


「残りの二つは父さんと母さんに……と言いたいところだけどあの二人たぶん渡してもゲームしないだろ?」


「しないだろうな」


「だから残り二つは優里と彩菜に渡してくれ」


「姉さんたちに渡すのかよ。まあ、確かにあの二人なら喜んでやってくれそうだけど……」


「ま、そういうことだ後はこの書類にサインしといて」


そう言ってモニターとしてこの機器を使うための書類を取り出す。


「とりあえず一週間後にまた書類持ってくるからそれに気がついたこととか書いてくれ」


そう言って兄貴は立ち上がりまた来るからと言い残し去っていった。


結局三時間ぐらいしか家に居なかったな兄貴。


その後、実家で晩飯を食べたあと一時間ほどかけて大学近くのアパートへと帰宅した。


懐から鍵を取り出して回そうとしてはたと気がつく。


「鍵開いてるじゃん」


これは呼ぶ手間が省けたなと思いながらドアノブを回し部屋に入る。


「勝手にあがらせてもらってるわよ」


俺の部屋でノートPCをいじりながらそう答える影がある。


「彩菜姉さん、人が買い置きしてたハーゲンダッツ勝手に食べるのヤメてよ……」


「いいじゃない別に、それに減った分は今、優里が買いに行ってるわよ」


そう答えながらも画面からは目を離さない。


「今日は何狩ってるの?」


「レイドボス。って、あー!タンクが抜かれてんじゃないわよ!そのデカイ盾は飾りかっての!」


そうわめきながらゲーミングマウスとキーボードを忙しなく叩く。


「くそっくそっ!火力がん振りなんだから耐えられるわけ無いじゃない!当たらなければどうということは無いなんて言った馬鹿はどいつよ!当たるわよクソ!ヒーラー何やってんのよ!アタシを回復しながらタンク蘇生するぐらいやってみせなさいよ!」


非常にあったまっているようだ。


「ふーなんとかなったわね。これも一重にアタシのおかげってやつかしら?」


その後十五分ほどわめいていたがなんとかボスを討伐できたようだ。


かなり口汚く味方を罵っていたがチャットでは『お疲れーみんなの協力のお陰で勝てたよ!みんなすごく強くて助かったよー』とか言っていて何とも言えない気分になる。


「彩菜ちゃん終わったー?ってあれぇ?けー君帰ってきてたんだ。お帰りー」


それと同時に部屋の扉が開き女性が入ってくる。


「今終わったところだよ、優里姉さん」


「そっかー。あ、彩菜ちゃんがハーゲンダッツ食べちゃてゴメンね?はい、これ」


そう言ってハーゲンダッツの詰め合わせを差し出してくる。


「ありがと優里姉さん」


それを受け取り冷蔵庫に入れる。


「で、どうする?アタシはもう今日のレイドは行っちゃったから行くならマンスリークエストかウィークリーだけど」


彩菜姉さんがそうコチラに声をかける。


「私はマンスリーはこなしちゃったから行くならウィークリーかなあ」


優里姉さんは唇に人差し指を当てそう答える。


「その前に二人に渡しておきたいものがあるんだ」


そう言って兄貴から貰ったVRマシンを取り出す。


「何よケイ……ってそれVRマシンじゃない!それも三つも!どうしたのよこれ?」


「これくれるの?私たちに?でもそれって、すっごく高かったと思うんだけど」


二人とも良い反応をしてくれる。


「聞いて驚け!これはなんとなあ!兄貴がくれた」


「智兄ちゃんがぁ?なんでまた」


「新製品のモニターだってさ」


そこから十分ほどこのモニターを行う際の注意事項やらなんやらを伝え書類にサインしてもらう。とはいえこれも形だけで制限はほとんどないようなものだ。実際のところは兄貴は俺たちにプレゼントとしてこれを渡したのだろうかと勘ぐるくらいには非常にゆるい。


それはともかくとして二人とも説明が終わるのを今か今かと待ちわびているようだった。それはそうだ、このVRマシンがあれば今話題の仮想オンラインゲームが出来るのだから。自分も一人のゲーマーとしてこのゲームを始める瞬間を心待ちにしているのだ。


「で!もういいでしょ!説明終わったわよね?終わったみたいだから勝手に始めるわよ!」


彩菜姉さんが脇においてある袋から勝手にマシンを取り出し設置を始める。


説明が終わったのは事実なのでことさら止めたりはしない。そのまま数分待つと三台とも設置が終わった。


「あれ?なんで三台ともここに設置しちゃったの。姉さんたちは自分の部屋に持って帰りなよ」


「嫌よ。だって私たちの部屋、安全のためにって繁華街から離れててアクセス悪いし。それにここなら三人分のスペースぐらいあるでしょ?」


彩菜姉さんはそんなことを言いながら機器の接続チェックをやり始めた。


「繁華街から離れてるのは俺の部屋も同じでしょ。確かに離れてるお陰で家賃のわりに広いけどさ」


「なら決まりよね。三人なら誰か一人がご飯用意すればそれなりの栄養と料理時間の節約ができて一石二鳥ね」


「どれだけ時間削る気なんだよ彩菜姉さん……」


ゲーマー根性は見上げたものがある。


「うーん……けー君は私たちと一緒にゲームするの嫌?」


優里姉さんが首をかしげながら聞いてくる。


「嫌じゃないよ。嫌じゃない……」


こう答えるのがわかってて優里姉さんは問いかけてきたんだ。昔からそうだった俺は姉さんたちに頼まれたら結局断りきれないのだ。


「はいはい!ならこの話はしゅーりょー優里、ケイこれもう繋いであるから。とりあえずキャラクリして軽くしよっ」


彩菜姉さんがこちらに機器を渡してくる。それを受け取り軽くため息をつきながらゴーグル型の端末とヘッドフォンを装着する。


危険なので布団などに横になってプレイすることが推奨されている。


しょっちゅう二人が泊まりに来るので二人の布団は用意されている。


いつの間にか優里姉さんが布団を敷いていたようだ。


「それじゃ始めましょうか!」


彩菜姉さんの言葉と共に意識が闇へと沈んだ。



直後、意識が再度浮上する。


目の前には巨大なモニター。


そこにはプレイするゲームを選んでくださいの文字とともに一つのゲームの名前がある。


Grand Tale Online 


これが今からプレイするゲームの名前だ。国内の大手ゲームメーカー三社の共同開発により作られたこのゲームは日本で初めての国産VRMMOでもある。略称はGTOである。どこかのグレートなティーチャーではない。


とにかく、巨大なモニターに近づき手を触れる。その手はどうにもぼんやりとしていて輪郭がはっきりしない。


そういえばこのゲーム選択画面で使うアバターの設定をしていなかった。最もしていなくても問題はないようだしそのままゲームを選択する。


すると巨大なモニターが消え、扉が現れる。その扉を開き中に入る。


中に入るとどこかの家の一室に出た。


一室と言っても現代的な部屋ではない。おそらくグランドテイル内の部屋なのだろう。


「ようこそ!この剣と魔法の世界へ!これからあなたにはこの世界で生きていくための準備をしていただきます!なお気に入らなければ一つ戻る、最初から選ぶなどの項目を押していただければやり直すこともできますが決定後の変更はできないためお気をつけください」


どこからともなく声が聞こえる。


どうやら今からキャラクリをするようだ。それにしてもアナウンスだけあってメタだな。近くの鏡に矢印が表示されている。近づけということだろう。


近づいてみると先程ちらっと見えたうすぼんやりとした発光体が映っている。そして中空に文字が浮かぶ。


あなたの性別を選んでください


男 女


いきなり難問が現れた。ここは女を選ぶべきだろうか?女を選べば中身男のプレイヤーがちやほやしてくれて進行が楽かもしれない。しかしそうなるとずっとネカマプレイを強いられるわけで……。


一分ほど悩んだ末に男を選択する。すると続いて文字が現れる。


種族を選択してください


ヒューマン エルフ ドワーフ

ドラゴネット ミュータント


試しにヒューマンに触れると鏡に映るぼんやりとした姿が人間の男性へと変わる。さらに文字列が展開され種族の説明が現れる。


ヒューマンはこの世界の代表的な人族です。能力は平均的で可もなく不可もありません。どの職業にも適正があるので初心者の方におすすめです。


初期習得アビリティ 

片手剣 中装備 初級攻撃呪文


ヒューマンはバランスタイプか。ありがちだな。


続いてエルフを選択する。


エルフは長命な種族であり人族の中でも数はあまり多くはありません。魔法への適正があり、遠くを見ることもできるので弓などの扱いも得意です。反面やや打たれ弱く重装備をつけるのは苦手です。


初期習得アビリティ

弓 軽装備 初級攻撃呪文


まあこれもありがちだな。ドワーフを選択する。


ドワーフは人族の中で人間に次いで多い種族です。暑さに強く手先が器用で力強いですが素早い動きは苦手で魔法を使うこともあまり得意ではありません。


初期習得アビリティ

斧 重装備 鍛冶


ドワーフは生産アビリティ持ちか。とは言っても生産アビリティってたいていのゲームだと死にスキルだったりするのだがどうだろうか。βテストでも微妙だったらしい。


ドラゴネット


ドラゴネットは竜の力を使うことができる人族です。普段は人間とかわりありませんが限定竜化と呼ばれる力を使うことで体の一部が鱗に覆われ能力が向上します。戦士としても魔法使いとしても高い適正を持ちますが生産はとても苦手です。さらに限定竜化中にはHPとMPが減り続けます。


初期習得アビリティ

両手剣 重装備 初級攻撃呪文 限定竜化


なんだこの明らかに強そうな種族は。戦闘特化で生産が苦手ということにしてバランスをとっているつもりだろうがこういうゲームにおいて生産はたいていオマケで戦闘特化のほうが有利なはずだがどうなっているのだろうか?


今日の五時から、つまりはつい二時間前に正式サービスが開始したためにαとβテストでは存在しなかったドラゴネットとミュータントの情報はまだほとんど無い。しかしとてもぶっ壊れの匂いがする。それかとんでもない産廃かのどちらかだ。


ミュータント


ミュータントは突然変異を起こした人間で人族と言われていますが詳しいことはわかっていません。ただミュータントは凄まじい速度で進化をしているらしくその能力は一部では人間を遥かに上回ります。ただし使わない能力は凄まじい速度で退化するため同じミュータントでもまったく別種の種族に見えます。あらゆる分野に適正がありますが特に得意なもの以外の全ては苦手になります。初心者にはおすすめできません。


初期習得アビリティ

高速進化


そしてなんだこの見るからに上級者向けのピーキーな種族は。初心者にはおすすめできませんとか書くなよ。俺は上級者だからって思ってる初心者が選んで産廃作っちゃうだろ!しかも初期習得アビリティが高速進化しかない。恐らくだがレベルアップのたびによく使う能力が上がり使わない能力は下がるのではないだろうか。まんべんなく育てればヒューマンの上位互換だが手間暇が半端じゃない、特化すると他が壊滅的になる。幾つかに絞ってあげてもそれなら他の四種族でいいんじゃんってなる感じか。


ファーストキャラには向かないな。そしてこのゲームというかVRMMOは装着者の脳波や瞳の虹彩などで認証しているため一人につき一アカウントしか持てない。課金すれば二キャラ目作れたりするらしいが今は考えなくていいだろう。


つまりはヒューマン、エルフ、ドワーフ、ドラゴネットの四択か。恐らくというか確実にあの二人はドラゴネットを選ぶ。今まで幾つかのネトゲでエンドコンテンツに挑んできた生粋のゲーマーのあの二人なら戦闘が主たる目的となるこのゲームにおいて戦闘特化というものがどれだけ強いかわからないはずがない。


ということは俺はヒューマンを選ぶべきだろう。戦闘を切り捨てて生産特化というのはありえないが、かといって作れないと不都合が出るかもしれない。だがドワーフは魔法が苦手のようだ。生産のために前衛としての戦闘力が不足すると危険なので後方で魔法が使いたい。そうなるとエルフかヒューマンだが打たれ弱いと言うのが気になる。なのでこの初心者おすすめのヒューマンを選ぶという結論に至った。


ヒューマンを選び種族を決定する。


戦闘タイプを選択してください。


アタッカー ディフェンダー サポーター


さてここが重要な選択らしい。このゲームは現在、複数のキャラを作れないために初心者が産廃を作った時にも遊べるように戦闘タイプというものがある。レベルが上がると勝手にスキル――このゲームにおいてスキルは技や魔法、アビリティは片手剣や鍛冶などの技能として区別されているようだ――を取得して最低限の戦闘力を担保してくれるわけだ。勿論きちんと戦闘タイプと他の選択が噛み合えば強いし苦手なところを補ってバランスタイプにもできる。


試しにアタッカーを選んで見る。


アタッカー

アタッカーは敵にダメージを与えることを主たる目的とします。習得するスキルは攻撃に関するものがほとんどです。


初期習得アビリティ

片手剣 初級攻撃呪文 鍛冶


たしか戦闘タイプと種族の初期習得アビリティが同じ場合はアビリティランクが上がって取得できる習熟度が上がるんだったか。まず間違いなく彩菜姉さんはこれを選ぶ。火力特化とか大好きだしな。


ディフェンダー

ディフェンダーは敵の攻撃を受け止め仲間を守ることを主たる目的とします。習得するスキルは防御に関するものがほとんどです。安定性が増すため初心者におすすめです。


初期習得アビリティ

盾 重装備 鍛冶


このディフェンダーというのがなかなか強いと主にソロプレイヤーに人気だったらしい。死にづらくなるためソロでのボス狩りは勿論、格上を相手にした強引な雑魚がりもできるためレベルを上げやすい。同レベル帯だと当然アタッカーが攻撃力は上だがレベルを先行しやすくその分で補えるというのが人気の理由だ。仲間を守るとはいったい……


優里姉さんは恐らくこれだろう。彩菜姉さんがアタッカーなら必然的にこれを選ばざるを得ないだろう。じゃないと彩菜姉さんが凄まじい勢いでデスペナルティを貰いまくる羽目になる。たまにはそれでもいいんじゃないかと思ったがそれはそれで困りそうなのでぜひ優里姉さんにはこれを選んで頂きたい。


サポーター

サポーターは仲間を回復し強化することを主たる目的とします。習得するスキルは回復と強化に関するものがほとんどです。


初期習得アビリティ

初級補助呪文 調薬 付呪


最後のサポーターは縁の下の力持ちだ。某所ではパーティに一人は欲しいが二人は要らないとか言われている。一応補助呪文でそれなりの攻撃力とそれなりの防御力を得られるためヒューマンと組み合わせて器用万能(器用貧乏とも言う)を作れるためそれなりの人気がある。三つの中で最も人気がないがそれでもまあまあいるらしい。二人がアタッカーとディフェンダーにすると思われるのでサポーターを選んでおく。仮にアタッカー二人とかディフェンダー二人でも補助呪文をかければなんとかなるだろう。サポーター三人だったら泣こう。


それらを選んだあとは本格的なキャラクターメイキングだ。せっかくなので中年の渋い親父を作ってみた。名前はいつも使っているニコラスにしておいた。


「うむ、なかなかイケてる」


声まで渋い。これはなかなか捗りそうだ。


そこまで終わると再びアナウンスが聞こえる。


「それでは机の上にある装備からお好きなものを選んでください。装備方法は実際に身につけるかメニューから装備するを選んでください。装備しなかったものに関しても持ち出すことはできますので全てお持ちいただいても構いません。防具に関してはメニューから装備することをおすすめします」


机の上には幾つもの装備品が乗っかっている。片手剣や革で出来た鎧、丸い青銅の盾、両手剣、片手斧を始め弓や杖、火縄銃、挙句の果てには大砲のようなものまである。


試しに全部インベントリに収めてみる。


瞬間、体がほとんど動かなくなった。ついでに少し息苦しい。視界の端には重量超過との表示が出ている。ついでに背中に登山家が背負っているような巨大なリュックが現れる。インベントリに入っているアイテムを表しているらしい。下ろすと軽くなるがインベントリを開くとアイテムが無い。肩に背負っている間はインベントリ操作で取り出せる。


これが超過状態か。このゲームはアイテムに重量が設定されており自身の持てる重量以上を持つと段階的にステータスにマイナス修正が入る。ステータス欄を開いてみるとSPDとDEXの項目が赤くなっていた。どうやらこれがマイナス修正が入っている印らしい。


とは言えぎりぎり動けるのでそのまま部屋の扉に手をかけ出る。


「素晴らしき冒険の世界をどうぞ存分に楽しんでください」


と言う声が聞こえたが正直それどころでは無かった。

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