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戦国Trilogy  作者: 白猫
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第9話:鳴かぬなら鳴かせて見せよう 其の2

結局、無難な所で俺らは猪豚を捕獲し

犯人を仕立て上げることにした。


濱嶺の家は分っているので逃げることは

ないだろうが一応、念をおしておいた。

「取りあえず、俺ら帰るけどよおっさん

 逃げるなよ!」


「逃ぎゃ~せんよ、行くあてもないしな」


俺らは一旦濱嶺の家を後にし後日再集合と

いうことにした。

「藤吉郎泊まるとこね~よな??

 んじゃうち来れば」


「いいのか?」


「まぁ、俺んちじゃねぇ~けど・・・

  藤次郎のおっさんも何も言わないだろうよ」


そして、家に帰り藤次郎のおっさんに

このことを告げた。

「いやぁ~そりゃえ~が、お前も働けるんか?」

藤次郎が訪ね、藤吉郎の変わりに俺が速攻で答える 。

「あぁ、大丈夫コイツには俺から言っとくからよ」


「そうか・・・・お前も娘には手を出すなよ!」


「えっ!?娘いるのか?」

今度は藤吉郎がくいついた。

「だから、手を出すなと言っておるじゃろ!」


「んで、可愛いのか??」

そんなことお構いなしに藤吉郎は聞き返す。


「あぁ~そりゃもうべっぴんじゃ!」


やっぱこのおっさん目が悪いか頭が悪いな

あの不細工みたらたぶん藤吉郎ショックで寝込むぞ

と俺は思った。


その藤吉郎はというとよからぬ妄想をしているのか

天井を眺めにやにやしていた。

「んな訳で藤次郎のおっさんコイツのことも宜しくな」


「ああ分った、じゃあ早速明日手伝って もらいたいことが・・・」

と藤次郎が言いかけた所で俺が口をはさんだ。


「いや、明日ムリ、犯人作ら・・・じゃなくて

 犯人見つけないといけないんだわ!」


「じゃあ明後日でも・・・」

言いかけた所でまたも俺は言う。

「明後日もムリ!」


「おいおい・・・・」

藤吉郎が申し訳なさそうに俺の袖をひっぱって

前向きな意見をのべる。

「いいじゃんよ、手伝おうぜ」


「おおぉ、こっちの子の方が話がわかるな」

藤次郎が嬉しそうにいう。


「しゃーねーな、んじゃ手伝うよ」


翌日より俺らは猪豚確保作戦を決行しつつ

合間に藤次郎の手伝いをすることにした。


そして床につき眠りにつく頃

「なぁ、藤 吉郎聞いてもいいか?」

「何を?」

「なんで、アイツの刀に拘るんだ?」


「あぁアレね、別に隠すほどのことではないけどな

 昔から伝わる伝説みたいなもんだ

 濱嶺って一族は昔から刀工でな・・・・・」

「えっ!?刀ってそんな昔からあるのかよ?」


「いや、もっと昔は知らんが、きっと刀に変わる武器

 かなんかあったんだろうよ!」


「そうか・・・たぶん槍だなマンモスとか倒してたかもな」


「まんもす??」


「いたんだよ、すっげー昔になお前が生まれるよりも

 ずっと前だぞ、こんなでっけー奴が」


「良?お前さらに昔に行ったことがあるのか?」


「ね~よ!どんだけストリップするんだっつーの!

 未来人はな過去のことを知ってるんだよ!」


「そうなのか?ではこの時代のことも知ってるのか?」


「ん〜なんて言やーいいかな・・・

 未来人だからってなんでも知ってる訳じゃねーんだ」

俺は、ぼそぼそと小声になっていた。


「よく聞こえんが・・・」


「あぁ~もう、勉強してる奴はしてってて

 勉強してないやつは知らないんだよ!!」


「そうなのか、じゃあ良は勉強しなかったんだな」


「うるせぇ~!それより続きを聞かせろよ」


「おう、そうだった・・・・

 でな、その濱嶺一族の作る刀には不思議な力があり

 それを手に入れた人間は必ず歴史に名を残すという

 言い伝えがあるんじゃ」


「マジかよ!でもだっ たらよ、皆が濱嶺の刀を

 欲しがるんじゃね~の、あのおっさん盗みなんか

 しなくてもウハウハじゃん」


「それが、この話を知ってる一族ってのがまた別に

 いる訳なんだ、そしてその一族は濱嶺の武器の力が

 きちんと発揮されているのか見届けるって感じの

 一族らしくてな・・・」


「らしくてってなんだよ?そこ知らねぇ~のか?」


「すまぬ、実はこの話は本当に偶然に入ってきてしまった

 話なんだ」


「ふ~ん」

伝説とかってなんだかうさんくせぇ~なぁ~

と俺は思ったが、真剣な藤吉郎には言えなかった。


藤吉郎は話を続けた

「現に名を残してる奴らはこのことを知らずに

 濱嶺の武器を手に入れてるってことなんだよ

 貢物だったり、たまたまどこかで目に留まって

 手に入れたりしてるんだ、なにせこの話は

 刀を作ってる濱嶺本人でさえ知らないらしーからな」


「だからお前はどうしてもその刀が欲しぃって訳だ」


「う・・・うん・・・・」

藤吉郎は小さく頷いた。


「まぁ、俺は道具に頼ってって考えは好きじゃ

 ね~けど、これも時代ってヤツなのかもな・・・」


「でも実際あってみて、そう簡単に刀は作ってもらえなさそう

 だったけどな・・・」

さみしそう藤吉郎がつぶやいた。


「おいおい、藤吉郎お前諦めるのはえぇ~よ

 昔のエロい人が言ってたぞ

 鳴かぬなら泣かしてみせよう・・・・

 みせよう・・・・

 みせよう・・・そのあ となんだっけ?」


「自分に聞かれても・・・」


「まぁあれだ、刀を作らないなら泣かしてでも作らせろ

 ってことだろうきっと!」


「そうか、鳴かぬなら、泣かしてみせようか・・・」


「おう!どうだすっきりしたか?」


「まぁ、少しはな・・・・」


「その前に俺らはまずやることあんだろ!

 犯人役を捕獲するって大事な任務がな」


「だな・・・」

そういい俺らは眠りについた。

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