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戦国Trilogy  作者: 白猫
43/49

第43話:再会


「それにしても帰れるのか?なんだか俺しょっちゅう迷子になってんな」

なんて独り言を言いながらも特に予定も無ければ何かしなければ

ならないってこともないので心配はなかったのだが・・・


しばらくぼ〜っとしていた。

辺りはすっかり暗くなり空には星が顔を覗かしていた。

意味もなく星を数えていると追いつかないくらい数が増えていった。

その時初めて気づいた。


「すげぇ〜!」

そこは満天の星空という表現がぴったりの光景だった。

しばらくはその光景に目を奪われていたが次第にウトウトと

して気がつかないうちに寝てしまっていた。


俺が起きた、いや起こされたのは既に夜が明け太陽が

気合いを入れていた頃だった。


「おっちゃん、おっちゃん」

声の主は昨日の子供だった。


「おっちゃん?このナイスガイを捕まえておっちゃんとは

 何事だよ!お兄様と呼べ、お兄様と!

 それより、その顔は早速、返しに行ったのか?」

吉法師の顔はボコボコに腫れ上がっていた。


「うん今朝一番で行ってきたよ」

腫れ上がった顔にもかかわらず晴れやかな表情からは

昨日の悲壮感はみじんも感じられなかった。


「その目は上手いこといったか?」


「うん」

照れくさそうに吉法師は返事をした。


「5人ともやったのか?」


「いや、今日の所は2人だけだった」


「そっか、だったらまだ楽しめるな、ほら」

そういい、俺は手のひらを差し出し拳をうけるポーズをとった。


「うん」

俺の手のひらめがけて笑顔の吉法師は力一杯の拳を繰り出した。

ドスッ、鈍い音がした。

吉法師の出した拳は俺の手のひらからそれ股間に直撃した。


いくら相手が子供といえど予測もしていない攻撃に一瞬息がとまり

俺はうずくまった。


「股間なんか押さえてどうした?大丈夫か?」


あれっ!?この声?

股間を押さえたまま顔をあげるとなんとそこには藤吉郎が立っていた。

その横にはいなくなったと思っていた天翔の姿もあった。

天翔も心配そうな顔で俺を見ていた。


「おぉ〜久しぶりじゃんってか?きっちょむさんは?」


「きっちょむ?それはだれじゃ?」


「誰って、こんくらいの子供なんだけど・・・」


「相変わらず、訳の分からないことを言っておるな、あははは」


夢なのか?いやそんなはずはない、この痛みは間違いなく本物だ。

俺は辺りをキョロキョロと伺ってみたが人の気配すらなかった。


「何を言っておる、始めから良の姿しかなかったぞ」


「やっぱ、夢だったんかなぁ?」


俺は枝にしばかれ、更に過去に飛ばされ、股間にパンチをくらい

今に戻って来ていたのだが当然ながらそんな予想外のことが想像出来る

はずもなかった。


「それより、本当に久しぶりじゃのぉ」


「それは、俺の台詞だっつーの!!依頼はちゃんとこなしたんだろうな?」


「その辺はぬかりなくこなしてきたから心配はいらんよ

 良も色々あったみたいだな」


「おう、まぁな、それよりお前もう解放されたのか?」


「解放って・・・捕まってた訳ではないぞ

 取りあえずは一段落って感じだな」


「んじゃ、帰れるのか?」


「おう、ただいま!」


なんだか藤吉郎が少しだけ大きく見えた。

「おう、お帰り!!取りあえず事務所かえるか?」


「だな」


俺と藤吉郎は久しぶりに二人揃って事務所に帰ってきた。

その晩、俺と藤吉郎は俺らなりの豪勢な飯に酒で多いに盛り上がった。

俺は、藤吉郎が今川義元の所に行ってからの話を一生懸命したのだが

俺の説明では中々伝わっておらず藤吉郎も理解に苦しんでいた。


「お前の方はどうだったんだよ?そもそも今川って誰よ?」


「あははは今川を知らないとはなぁ、さすが良だな

 帰って来た実感がわいてきたわ!

 まぁ、良が気にすることもない今の今川はただのクソじゃな!」


「はははっは、今の今川って駄洒落かよ!」


「だじゃれ??」


「んで結局、明智の依頼ってのは何だったんだよ?」


俺の質問に藤吉郎はしばらく無言になったが意を決したように

「お前だから話すが、この話は内密に頼む・・・」


真面目な表情に俺も一瞬我に返り

「ああ」

と答えた。


そして藤吉郎は明智からの依頼の内容を話し始めた。

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