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戦国Trilogy  作者: 白猫
32/49

第32話:VS義龍

俺は、義龍の気合いの入ったいいパンチを何発ももらった。

本当にいいパンチをしていた。


が、しかし・・・残念な事に強くはなかった。


柴田よりも、信長よりもはるかに弱かった。


俺は義龍の右を躱し、リバーブローを打ち込んだ。

義龍は悶絶の表情をし、膝が落ちた。


それでも、立ち上がろうとしていた。

「負けないぃ・・・負けないぃ・・・」


信長もそうだった。

この時代の武将は皆こうなのか??


俺はそんな義龍を見ていると、どうしても弟を殺したなんてことは

思えなかった。


「お前・・・本当に弟を・・・」


「負けない!負けない」


どうやら俺の声は届いていない ようだった。


「義龍、お前の負けだよ・・・」

俺はそういうと、力一杯の右を叩き込んだ。


義龍の体が2回、3回と周りそのまま倒れこんだ。


「おお・・・いって~~」

2、3回手首をぶらぶらとさせ、義龍の傍まで歩きその場に

腰をおろし目を覚ますのを待つことにした。


どれくらい待っただろうか?


普通であれば・・・ここで一服なんて所だが

タバコはもうない・・・


俺は川の水をかけてみたが義龍は起きなかった。



「コイツ死んでんじゃねぇ~よな・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・

 何とか息はあるみたいだな・・・」

ペシッ!

「頼むぜぇ~」

俺は義龍の頭を軽く叩いた。


「義龍様ぁ~・・・・義龍様ぁ~・・・ 」


その時コイツを呼ぶ声が近づいているのに気が付いた。

この現場・・・どう見ても今見つかったら、俺が悪者だな

これはやばい・・・

さっきの17,000人が相手ともなるとどうにもならない

事は馬鹿な俺でもわかる。


焦った俺は義龍を担ぎ逃亡した。


ドラマや漫画では軽く人を担いでいるのを見たことがあるが

そんな甘いものではなかった。

気を失っている大人を担いで逃げるのがこれほど大変だとは・・・


おまけに何処を逃げてるかわからないのが更に始末が悪い。


「重めぇ~よぉ~おいっ起きろっ!」


逃げながら何度か声をかけてはみたものの

一向に起きる気配はない。


「お前ぇ~わざと楽するために寝てるんじゃねぇ~よ な!」


本当に捨ててやろうとも思ったが、それでは何のために

こんな危険を冒したのかすら意味をもたなくなってしまう。


「お前、起きたら、もう一回殴る!!」

そんな愚痴をたびたびこぼしながら必死に逃げた。


ソイツと出会った時はすでに担いでいた義龍は

でろ~んとしており、担いでるというより引きずっているのに

近かった。


「助かったぁ~・・・・さすがだな

 俺には黒王号にみえたぞ!!」


フッ・・・フッ・・・と鬣をゆらしている。

そう、そこにいたのは天翔だった。


(結果オーラい!うまい事、義龍だけ確保できたじゃん!)

天翔がそう言ったように聞こえたが多分俺の願望だろうな。


俺は、 義龍を荷物のように天翔に括り付け

急いでこの場を離れた。


そして疲れからかなのか、天翔のうえで安心したのか

完全ではないものの半分記憶を失っていた。


半分というのは微妙な表現になるが・・・

俺が天翔を走らせていたのか、コイツが勝手に走って

いたのかが分らなかったのだ。


ただ流れる景色が心地よさを誘っていたのは

記憶に残っている。


はっきり意識が戻ったのは・・・

目の前に大勢の人間がいるのが目に入った時だった。


「どっちだ・・・!」


とっさに思った。


鶴山・・・そこに布陣をひいていたのは

道三の軍であった。


勿論、この時の俺はここがどこだかも分らない。


辺りをキョロキョロしている怪しさ満載の俺に道三の

家臣達はいち早く気付いた。

そしてその中には角内さんもいた。


「よく、ここが解りましたね」

驚いた表情をしていた。


「大桑城って城じゃなくて山なん?」

が俺の答えだった。

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