表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国Trilogy  作者: 白猫
28/49

第28話:信長との再会


「信長様」

そう言い、その男は膝をついた。


「そなたも、ここはワシの顔に免じて引いてはくれぬか?」


「なんでお前の顔に免じてなんだよ!逆なら分るが!」


「貴様!無礼じゃぞ!!」

ヒゲ男が叫ぶ。


「はぁ?何言ってんのこのヒゲは!」


「勝家、お前は黙っておれ!」


「はっ・・・」


一連のやり取りをみてた角内が心配そうに訪ねてきた。

「良三殿・・・先を急ぎませぬか・・・」


「そなたは・・・・道三の所の・・・」

信長と呼ばれる男が割って入る。


「これは、お久しぶりですな」


「えっ?何?柴田さん知り合いなの??」


「知り合いって・・・良三殿はご存知なかったのですか?

 こちらは、道三殿の娘、帰蝶様の婿殿、清洲城当主

 尾張の織田信長様でございます。」


「えぇ〜〜!!織田信長!!


 ・・・・・って誰??

 有名人??」

そう、残念なことに俺は織田信長すら知らなかったのだ

俺からしたら歴史上の人物など全て昔の人でしかなかったのだから

仕方なかった。


「まぁ、有名というか・・・・なんというか・・・」

答えにくそうな角内をよそに俺はしゃべり続けた。


「殿さんってことはいくらか力もってんでしょ?

 おまけに奥さんが道三の娘ってことは親戚じゃん!

 まぁ、喧嘩は弱いけどな、アハハハ」


何だか板挟みになってる感じで気まずそうに角内は弱々しく

俺に声をかけてきた。

「良三殿・・・・」


「俺、この信長ってのと話があるから

 柴田さん先行っててよ!」


「先って・・・良三殿・・・大丈夫でござるか?」


「ん??大丈夫、大丈夫!」


そんなやり取りをしている側で信長もヒゲ男に

「ワシもこの者と話がある勝家、そなたも帰っておれ!」


「信長様・・・大丈夫ですか?

 この男、相当素行が悪ぅございますが・・・」


「はぁ?今なんっつったよぉ〜!」

悪口というものはとかく耳にはいりやすい。

俺は即座に反応していた。


「すまぬ、この者の無礼は詫びる・・・・」


「良三殿」

「信長様ぁ」


すがる二人を帰し、俺達は二人で話をした。


「良三殿と呼ばれていたな?それが御主の名か?」


「おう、殿はいらないけどな、良さんと呼んでくれ」


「そうか・・・だったらそう呼ばせてもらうぞ

 それにしても、そなた相当強いんじゃな

 あの勝家と互角に勝負するとは・・・」


「何言ってんの?

 確かにあのおっさんは強かったけど

 お前が来なかったから勝ってたっつーの!!」


「相当な自信じゃな」


「ばぁか、何言ってんだよ。

 自信って自分を信じるヤツのことだろ?

 自分を信じられないヤツが何出来るってのよ!

 男が自信をなくしたら終わりだぜ」


しばらく間があいたが・・・

「それもそうじゃな」

ぽつりと信長が答えた。


「なんだか元気ねぇ〜じゃん、また誰かに負けたか?」


「・・・・・」

信長の返事はなかった。


「何?図星??」


「いや・・・そうではないんじゃが・・・」

そう言い信長は話始めた。

信長の話は弟との争いのこと、その為に裏切る家臣の話であった。


「すまぬな、こんな話をして・・・

 なんだか良三とおるとつい聞いてもらいたくなってしまってな・・・」



裏切りや家族内でのもめ事ってのはこの時代の流行なのか?

俺はそう思った。

「お前も大変だなぁ〜

 ってか?道三のおっさんの所もそんな感じだぜ

 今、息子の義龍ってのもめてるらしいんだ・・・

 それを何とかできねぇ〜かなと思ってな」


「そうで、あったか」


「そんで、ここであったのも何かの縁

 手伝ってくんねぇ〜かなぁ〜と思ってたけど・・・・・

 そっちも、それ何処じゃねぇ〜な」


しばらく沈黙の後、信長は不意に話題を変えた。

「なぁ、ワシらは何の為に生まれてきたんじゃろぅ?」


あまりに突拍子もない質問に俺はあきれ顔で答えた。

「はぁ?なに難しいこと言ってんの?

 楽しい事、探すために決まってんじゃん!」


「楽しい事か・・・・あるかのぉ〜・・・?」


「あるかのぉ〜じゃねーよ

 無かったら作るしかねぇ〜じゃん

 時代が悪ければ帰るしかねぇ〜じゃん!!

 それだけの事だろっ!」

 

「時代を変える・・・・それだけの事か・・・」


「そう、それだけのことだよ、もっと肩の力抜けよ」


「・・・」

何やら信長がボソボソと呟いた。


「えっ!?何??」


「先程の話・・・良三が頼むなら手を貸すぞ・・・」


「何で??お前もそれ何処じゃねーじゃん」


「ワシも何かを変えてみたくなってな、それにこの刀の礼も

 まだだったしな」

信長の表情は先程とうってかわり何処か晴れやかなものになっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ