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戦国Trilogy  作者: 白猫
19/49

第19話:拉致


喧嘩には慣れている。


痛みも元いた世界と変わらない。


昔の時代に飛ばされた所で人は変わらない

やっぱり中身の問題なんだろう。


同じ日本の中で争いが起こっているんだからなぁ〜

そんなことを考えながら先を急いだ。


いや急いでいるつもりではあったものの

やはり殴れた直後に遠出とはしかも歩きでは

どうにもペースが上がらない。


おまけに、熱出て来てるじゃん。


「本当に大丈夫か?」


たびたび心配してくれている藤吉郎。

その都度

「大丈夫だっつーの」

と返事をしていたが。


「悪りぃ、やっぱ駄目かもしんない・・・」

数時間後ついに弱音を吐いてしまった。


そりゃそうだ、いくら喧嘩慣れしてるとはいえ

喧嘩直後にあるいて旅なんてやったことねぇ〜し・・・


「だろうな?少し休んでいこうぜ」


「わりぃな・・・」


俺達はしばし休息をとることにした。

藤吉郎は薬草?らしきものを俺に煎じてくれた。


「なにぃこれ草じゃん!!」


こんな状況でも俺はしっかりと悪態をついていた。

果たしてこの苦いものが利いているのかどうかはわからないが

優しは伝わってきた気はした。


朝から激しく運動したせいと熱も相まって急に眠気に教われた。

多分俺が爆睡している間、藤吉郎は看病らしきものをしてくれて

いたと思う。


何時間眠りこけていたのだろうか?


「おい、良起きろ・・・」


肩を揺すられ俺は起こされた。

実際には足蹴にされていたんだが・・・

目が覚めた時には少し楽になった気はしたが

それどころではない状況に気分は落胆した。


俺が眠りに落ちてからしばらく藤吉郎は俺の看病をしていたその時


「怪しいヤツ御主ら何者じゃ!!」


気がつくと2人の男が藤吉郎の目の前にいた。


「はぁ?」

藤吉郎はすぐさま刀に手をかけ臨戦態勢に入っていた。

二人の男は昨日の山賊とは明らかに違うなりをしており

何処ぞの誰かに仕えている人間であることは明らかだった。


当然、剣の実力においても昨日のやからとは明らかに違う事は

明白であった。


「おぬしら、何しにここら辺をうろついておる」


「勝手じゃろぉ!主らに関係あるか」


「ほぉ〜御主一人で二人を相手にするか?」


「二人くらいどうってことねぇ〜よ」

そうは言ったものの、良は寝てるし・・・・どうする??


しばらく睨み合いが続いたがついに相手の二人が刀を抜いた。

流石に、寝ている人間をかばいながら二人を相手にするには

無理がある。


「おい、良・・・起きろ・・・」


「ん〜〜〜・・・よく寝たぁ〜〜」

俺は大きな伸びをし、眠気眼をこすりながら

「どれくらい寝てた??・・・ん?」


何だかおかしいぞ??周りを見渡す。

藤吉郎が二人の男と睨み合っている姿が目に入った。

状況が把握出来ないが良い状況でないことは直ぐ理解した。


「武士じゃん!!・・・藤吉郎ひょっとしてピンチ?」


俺の質問に藤吉郎は返事をせず睨みあってたままだ。


そこへ、睨み合いを遮るように蹄の音が近づいてきた。

数十人の武士達が

「義龍殿ぉ〜」「道利殿ぉ〜」と叫びながら

やってくるのが目に入った。


「斎藤か・・・」

小さな声を藤吉郎発したが、俺には聞こえていなかった。


多勢に無勢とはこのことだ・・・

俺は藤吉郎の肩をポンっと叩き

「今日の所は引いとこうぜ・・・・この人数だしな」


「ちっ」

藤吉郎は悔しそうにしていたが俺の言葉に耳を貸し

刀を収めた。


それを見た、義龍、道利と呼ばれる男達も同様に刀を収めた。


「大丈夫でござるかぁ?」

大勢の男達が声をかけるこの義龍というのが頭か?


「問題ない、こやつらを捕らえろ!」

義龍と呼ばれている男が指示を出す。


「なんなんですか?こやつらは?」


「それが分らんからな、取りあえず城に連れていく」


俺らは逆らうことはなかったものの大勢の男達にしばられ

訳が分からないまま城に連れていかれることとなった。

まぁ先の事を考えても仕方ないが取りあえず馬には乗せて

くれるみたいなんで、歩かなくてすんだ事はラッキーだった。


俺は馬の上から藤吉郎に声をかけた。

「なぁ、藤吉郎?この時代ってこんな事よくあんの?」


「・・・・」


「なぁ、無視すんなっての!

 何かさぁ〜襲われたり、縛られたりって人生で何度も経験すること

 なんてないんじゃねぇ〜の?普通は!」


「・・・・・・」


「なぁ、藤吉郎!!馬に乗るってこんなに金玉痛くなんの?

 ポジションだけでも直さしてくんねぇ〜かな?」


「ぷっ・・・・ぶはははっはは

 さすが良じゃなぁ〜やっぱお前は面白いわぁ」


俺には藤吉郎が何故爆笑しているか分らなかったが何だか

俺も楽しくなってきた。


「静かにしていろっ!」


騒がしい俺らに、拉致った男達が恫喝するが俺らは爆笑したままだった。


そして俺らが連れて行かれた所は美濃・・・

ラッキーな事に歩かないで美濃まで来れたわけだ。

ちょっとしたワープだと思った。

後はどう逃げるかが当面の問題だった。


「こっちにこい」

そう言われ俺らが通された先には一人の男がいた。


その男はなんと・・・あの斎藤道三だったが

勿論、歴史認識のない俺にはただのおっさんであった

事は言うまでもなかった。


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