表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法チートのなれのはて  作者: ナベのフタ
幼少領主編
17/37

閑話 ドラゴンキラーの少女

 ― Side イリア ―

 王様に呼ばれてから三年が過ぎた。

 私は9歳になり、ドラゴンキラーとして王国に勤めている。


「おにいちゃん…」


 あの日、大好きなラウスおにいちゃんとお別れしてから一度も会ってない。

 初めはとても悲しくて泣いたし、王宮を抜け出そうともした。

 でもすぐに王国の兵士に捕まってしまいそれはできなかった。


 私の魔法のこともおにいちゃんとの約束で黙っているつもりだったけど、おにいちゃんが竜を倒したと誰も信じてくれないので見せつけてやった。

 その時の王宮の人の顔はみんな口を開けたままでボーッとしていて面白かった。


 それからはおにいちゃんを馬鹿にする人は減ったけど代わりに私に魔法の教師が何人もついた。

 私は魔法をたくさん教わることになったけど、王宮の魔術師の教え方はおにいちゃんと違いとても下手くそだ。

 魔法陣や呪文の勉強なんて意味がわからない。


 みんなの魔法がおかしいのでおにいちゃんや私の魔法の事を教えるけど誰もできない。

 正直意味がわからない。こんな簡単なことなのになぜ誰もできないの?


 みんなは私が変みたいに言うけど、みんなの方が変だ。

 早くおにいちゃんに会いたい。おにいちゃんなら分かってくれるのに


 王宮での生活にも慣れた頃、お母さんにおにいちゃんがゴラウスの街からいなくなったことを聞いた。私は慌ててゴラウスに行こうとしたけど場所がわからず迷っている間に兵士に捕まってしまう。


 おにいちゃんに会えないこんな場所は嫌だと、私は家出を考えていた。

 すると数日後にインさんから手紙が来た。


 お母さんに手紙を読んでもらうと。

 手紙には、おにいちゃんは遠くへ行ってしまったけど十年後にもう一度帰ってくる。それまでにいっぱい勉強して強くなっていい子にしていたらおにいちゃんがお嫁さんにしてくれる。そう書いてあった。


 十年はとても長い。

 でもおにいちゃんのお嫁さんになれるのならいつまでも待てる!

 私はおにいちゃんを待つことにした。


 インさんからの手紙は読んだあと処分するよう書かれてあったので魔法で燃やした。それから私はたくさん勉強して訓練も頑張ると兵士のみんながとても喜んでいた。私が逃げるたびに捕まえるのがとても大変だったらしい。


 おにいちゃんならいつも簡単に捕まえてくれるのに。

 ああ…早く十年たたないかな?






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ