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第8話 小さな変化

第8話 小さな変化

1

幼馴染の千代が我が家に居候する事になり、その日の夜の我が家は少し賑やかだった。

「でさ雄一君、このヒヨコはなんなの?」

「僕はヒヨコじゃないぴよ!」

「え? ヒヨコじゃねえの?」

「正式名称はイエローピヨリスコペンギンモドキですよ」

「は? ペンギンなの? これが?」

そんな馬鹿な…。てか、ペンギンって概念もあるのかあっちの世界は。

「これっていうのは失礼。ピヨはピヨよ」

「いや、わけが分からないからなローナ」

「って、もう一人子供がいたの?」

「子供言うな! それにさっき説明しただろうが」

「でもその場にはいなかったでしょ?」

「こいつは難癖あるから仕方ないよ。俺も一苦労してるし…」

「あ、それなんとなく分かるかも。特にこのヒヨコは」

「それはどういう意味ピヨか?」

「自覚してないんですね、ピヨさんは」

「いや、お前達も言える立場じゃねえからな」

一人と一匹が増えたことにより賑やかというよりは、少し騒がしくなった我が家は、今が梅雨の季節だということを忘れてしまう程明るかった。

「ねえ雄一君、これってさ」

「ん?」

「一つの家族みたいだよね。私達が夫婦で、エルフの二人が子供みたい」

「な、か、家族だなんて、は、恥ずかしいじゃねえか」

しかも俺と千代が夫婦だなんて…。

「あ、顔赤くなってる。やっぱり恥ずかしいんだぁ」

「う、うるせえ」

「パパと私達って家族じゃないんですか? パパは出会った時からパパなんですよ?」

「パパ、パパ、うるせえ!」

「この人は他人だよお姉ちゃん」

「だからお前はな…」

「でも全く知らないわけじゃない。それって他人ではないってことかな…」

「え? 今なんて?」

「なんでもない」

今ローナの中で俺の地位は、他人から変わったのか? おかしな人って言われたけど…。

「やったじゃないですかパパ」

小さな声でルシアが話しかけてくる。

「でもまだまだだよ。せめて知人ぐらいのレベルに上げなきゃ」

「大変ですね」

「まあ、これから頑張っていくよ」

「応援しています」

冷静に対応していたが、本当は少しだけ嬉しかった。こういった小さな変化は、後に大きな何かに繋がる。ローナは少しずつ俺を認識し始めている。いつかはちゃんと俺の事を…。

「ってどさくさに紛れて、お前は何をやっている?」

「私これいらない。おかしな人、食べて」

「自分で食え! そしてその呼び方はやめてくれ」

「嫌」

「何故断る?」

「嫌だから」

「めちゃくちゃだなおい!」

「まあまあ雄一君、私のこのブロッコリーあげるから元気だして」

「お前も確信犯か!」

認めてくれる前に、俺の体がもちそうにないんだけどな。

続く

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