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能力教室の号哭  作者: たるたるそーす
星を追う飛魚編
95/101

焔風の支配者・十六

久々にミサキ視点だぁ。


一応前回の補足、最後のセリフはそれぞれ順に

ヒバナ

テイラー

チハヤ

ミサキ

という感じになっております。

 ──午後2時40分・富士山町南部──



あの爆発に初めに気付いたのは私だった。そして、それがヒバナさんの能力だと気付いたのも私が最初だった。それからミズキ先生にワープホームを作ってもらって今に至る。家からここまではおそらくあっても数キロ程度だと思うが流石にこの距離を一瞬で詰める事ができたのはかなり大きいと言えるだろう。


一番速いのはテイラーさんで、すぐに飛び出して風の力で牽制を始める、も前回と結果は変わることはなく、当たり前のようにハナビちゃんに届く攻撃なんてものはない。全てがハナビちゃんに届く前に止まってしまうのだ。


そして、今に至る。




「テイラー、大丈夫なのか?お前の車椅子もぶっ壊れるぞ」


「無問題だよ、風の力を舐めてもらっちゃ困るね!」


そう言いつつテイラーさんは自分の腰から下の周りに何重にもしてエネルギーの輪を作ると、少しぎこちなくもその腰を上げる。そうしてそのままの動きで流れるように車椅子から離れ、文字通り浮く。


「えっ、あんた立てんのかよ!」


「浮いてるだけだよ。傷ついた脊髄はどうにもならないからね……」


脊髄が傷付く……なるほど、きっと下半身付随か何かだったんだろう。現にテイラーさんは宙に浮いたまま地面に足をつけようとしないし、未だ腰から下は脱力したようにぶらんと垂れ下がっている。


「テイラー・戦闘モード〜、なんちゃって」


「まぁいい、無理すんなよ。ほら!お前ら三人も見てないでこっち来い!」


唐突に呼ばれた私、チハヤ、先生だったが、


「ごめんなさい、私魔力強化もできないので……」


「私はこの子を見とかないとだから……」


私と先生は拒否、


「え!?えっと、あっはい、魔力強化、は出来ますけど…………わかりました、はい」


チハヤは渋々参加する事になった。数日経っても少しの会話でこれだけ緊張するとは、ヒバナさんとテイラーさん、そこまで話しづらい人なのかな?いやでも確かに二人ともめちゃめちゃ怖いんだよね特に目つき。


というかあれ?もしかしてこの中で魔力強化できないの私だけ……?帰ったらチハヤに教えてもらおうかな。


「総力戦とはいかねえが三対一、目標は偽ハナビの撃破または拘束!くれぐれも間違って殺されんなよ?情報はあるな!行くぞォ!」


そう言いつつ先陣を切り、戦いの火蓋を開けたのは他の誰でもないヒバナさん。周りを鼓舞するためなのか自分のテンションを上げるためなのか。


「私は何かあったらすぐ動くから、ミサキもいつでも動けるようにしといて」


隣でボソッとミズキ先生に言われたのでそっちを見ると、ミズキ先生はもう戦闘の方を見ていたので私も一緒に見る。どうやらもう戦闘は始まったようだ。……能力祭のマオですらが壇上に登ることすらおこがましいと、失礼にもそう思ってしまうほどの凄惨な戦いになってしまうことを感覚のどこかで感じる。思わず呆けてしまう。これは本当に戦いと言えるのか?こんなのまるで……殺し合いのようだ。


「警戒態勢くらいは取っといた方がいいんじゃない?」


はっ、嫌な予感、すぐさま6月ごろに教えられていた警戒態勢を取る。……セーフかな?……よしセーフ。


「あと、ちゃんと見ときなよ、特にハナビちゃん」


「?」


きっと戦闘の仕方を見ておけ、とかだろう。


「ヒバナさんとかじゃないんですね」


「いや味方見てどうするのよ」


「!?」


いやどういうこと!?やばいこのままじゃ罰として能力100本ノックとかさせられる!


「今ミサキにできること、考えてみて。この位置からでもできるはずだよ」


戦いの横、そう、あのエグい戦いの横である。私はなぜこんな時にそんな事を考える事になっているんだろうか……


相も変わらず祈り続ける事しかないのは嫌だな。





 ──ヒバナ視点──



「っと、流石にもうそろそろ読めてきたぜ?」


「へぇすご〜い、じゃあこんなのはどうかな?」


偽ハナビのやり方は単純で、言うなればただ周りの瓦礫を動かして放ってくるだけだ。しかし問題なのはその速さであって、予想はしていたが目にも止まらぬ速さでそういう物がピュンピュン飛んでくるせいで近づく事が出来ない。


確かに慣れてきた。慣れてはきた、が、それで他のことを考える余裕が出てくるともう一度余裕がなくなってしまう。


もしこれが最高速度じゃなかったら?別の物が飛んでくるかもしれない。今は動きが単純だが、その内もっと複雑な動きを学習してくるかもしれない。


「どうしようかねぇ……」


「合わせて!」


刹那飛び交っていた瓦礫が明後日の方向に飛んでいく、でかしたぞテイラー、これなら奴の懐に潜り込める!


一瞬、この一瞬さえあれば偽ハナビとの数メートルを抑えるのには十分!悪いがお前には少し眠ってもらおう。


そうして距離を詰める俺を偽ハナビは見失ったらしく、見え見えな隙が生まれたのを俺は見逃さない!


「止まれ!」


「どこ向かって言ってんだ!」


っしゃ、まずは拳で一発ぶち込む!これはハナビの分だァ!


10歳の子に全力で殴りに行く大人……


絵面的には終わってる。絵面的には。

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