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能力教室の号哭  作者: たるたるそーす
星を追う飛魚編
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焔風の支配者・二

時は少し遡り……

 ──午前10時(噴火まで約2時間)・日本区──



「先生!やっと見つけた!」


いつものように教壇に座ってあやとりでもしながら暇を潰していると、急に扉が開いてチハヤが入ってきた。……魔力の流れがだいぶ綺麗になっている。コツを掴んだということなのだろう。一度掴んでしまえばあとは簡単、私の言っていたことは正しかったのだ!ってそうじゃない。


「ん、チハヤ?今日は特別教室じゃないはずだけど」


「違います、今日で三日目(・・・)です!約束通り教えてください!ミサキの居場所を!」


「あぁ、それのことね。準備は……できてそうだし、もう行っちゃおうか。外に出て」


「?」


そう言いつつ私はチハヤを連れて道路に出る。本当はグラウンドを使いたかったが今日は土曜日なので他の部が使っている。


「チハヤ一人で外に行かせるのも良くないから私が連れていってあげようと思ってね」


「いいんですか?ありがとうございます」


「ということで──どのくらい早く着きたい?」


「できれば……早めに」


「おっけー。じゃあ捕まっててー」


「ちなみにどうやって行くんですか?」


「うーん、やっぱり手っ取り早いし楽だから、飛ぶね」


「え?ちょっと待っ……!」


そう言って私はチハヤをお姫様抱っこのようにひょいと持ち上げる。おや?抵抗しているね。これから何が起こるのかもう察したようだ。だからと言って何もできないんだけどね。


「だーめ。舌だけ噛まないようにね!」


「う、うぎゃああぁぁあぁああぁ!!!?!?!」


まぁうん。いつも同じだから言う必要はないかもだけど言っとくね。──私とチハヤはここから一瞬で消えた。



 ──午前10時30分・仮集落拠点──



「うぅ……酷い目にあった……」


「えぇー?これでもゆっくり来た方なんだよ?」


「それは何度も聞きました!大体配慮が足りてないんですよ配慮が!いくら魔力操作を習得したって私は先生みたいに飛べるわけでもないんです!」


「はぁーい。次はもうちょっとゆっくり行くね」


「そうしてください──ウッ、吐き気が……ちょっとトイレに行ってきます」


「ほいよー」


そうして彼女は近くにあった公共トイレの標識を見つけ次第そこに吸い込まれていった。


(……あっぶなぁぁぁぁ)


いやね、うん。ほんっとに申し訳ないんだけど約束忘れてたわ。なんで私がわざわざ噴火を遅らせたのか!答えは単純!このタイミングでチハヤを連れ出すつもりだったからなんだった。


メモしとかないとすぐ忘れちゃうのは歳なのかねぇ……いや多分メモがあろうとなかろうとあんま変わらんわ。


噴火までもうちょっと時間があるから適当なこういうところで暇を潰そうとしてたんだけど思ったよりも早く着いちゃったし仕方ない。富士山町の方で時間を潰したほうがいいかもしれないな。


向こうはテイラーまでいるし大丈夫だから、問題は私がどう二人(チハヤとミサキ)の仲を取り持つかって事だろう。他所は他所としていいからこっちでどうするかを考えないといけない。────うん。やっぱり私がわざわざ介入することでもないかな。大体他人の人間関係に首を突っ込んでいいわけがない。これは二人の問題なんだから二人でどうにかしないと。


(とは言ってもこれらは富士山噴火の後でいい。それよりも今回折角用意した舞台、二人はどう成長できるのか楽しみだな)


仲間を強化できる『絆強化』と感情を読める『観光の糸』。使い所がないようでかなり重要になってくる。これらは上手く使えば人助けなんていくらでもできるし、なんなら戦いにも使える能力だ。


「伸び代は伸ばすもの、まさにその通りだな」


「なんか言いました?」


「お、戻ったね」


「はい、少しは良くなりました。──それよりもミサキはどこにいるんですか?」


「あぁ〜、それはぁ〜」


とりあえず私のやることは一つ、二人をまだ会わせないように言い訳することだな。


「まぁ、少し急ぎすぎかもよ?折角だしミサキの軌跡を辿ってみる、なんてどうかな?」


「えぇー!?嫌ですよそんなの!」


知ってた。どうせそう言うだろうねそりゃあ!この子は友達のためなら体のエネルギー全てを使い切るような人間だ。多分私、後で責められるだろうなー。はぁ……まぁ仕方がない。腹を括れってことだろう。


「これはショウにも言った話だけど……別に最短距離が最善じゃないこともあるし、なんならそういうことの方が多いんだよ。ミサキの所に直行するよりさ、これまでミサキが何を経験してきたのか、そういうことを知っておいた方がいいんじゃない?」


「……どのくらいかかりますか?」


「私ならミサキが一週間かけてきたことをそうだな……3時間くらいで説明できるけど」


「……本当に3時間で終わりますか?」


「じゅーぶんじゅーぶん!任せときなって!じゃあ早速行こー!」


……やっべ、そうは言ったけどそんな3時間も時間潰せるのかな。ちょっとミサキの旅を整理してみよう。


9月21日の夕方に出発、二日後の昼過ぎに仮集落に到着。二日後の朝まで滞在しつつ、そこから私があげたバイクで移動。富士山町について今日で四日ってとこかな。……あれ、もしかして意外と移動に時間割いてる?


私は移動にほぼ時間かからないからどうしようか。頑張るかー。



え、なんでそんな細かくミサキについて知ってるかって?流石に完全に手放しにできるわけないでしょ?

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