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能力教室の号哭  作者: たるたるそーす
星を追う飛魚編
77/100

嵐の前の静かすぎる日常

今回はヒバナ視点となります



追記:いや違うんすよ。ほんとは13日には出るはずだったんですよ。予約日を間違えたのさ!

 ──午後1時・公園──



たくさん遊んだためか流石に疲労が出てきた俺たちは近くにあった公園のベンチに座って休んでいた。とは言っても俺、ハナビ、ミサキがベンチに座ってテイラーはベンチの横に車椅子ごと並んでいるだけだが。昼ご飯として買っていたおにぎりを頬張りながら自然を肌で感じる。俺にとってはこういうことは日常だと思っていたが……


「何これー!またまたすっごくおいしい!!」


「………」


「いやーそんなに美味しそうに食べてもらえると買った甲斐があったってもんだねぇ」


やはり三人は違うらしい。それぞれのリアクションがあるからこそ生き生きとしていて俺自身もどこか楽しいと思うし、この久々に──いや、もしかしたら初めての平和なのかもしれない。そんなこの平和を守り通したいと思う自分がいるのは明らかだった。


「ふー、ごちそうさました!ねぇ、また明日もここに来ようよ!」


ふと、そんな言葉を聞いて俺は無意識的にテイラーの方を向く。


「……そうだね。来れたら来よう(・・・・・・・)


「やったー!!」


「来れたら」、ね。それがもう訪れないたらればになっていることはもう気付いているんだろう?俺が気付いてあんたが気づかないはずがない。


俺が5時半頃に起きて今まで計27回、微弱な揺れが起きている。昨日よりも圧倒的に多い、多すぎる。テイラーが言っていた今日明日っていうのは本当にその通りなんだろうな。


ふと、自然に富士山の方を見る。相変わらずのデッカい山だ。登って降りてくればそれだけで訓練にもなりそうだ。そういえばミサキにまだ訓練してやってないな。もうそんなことをする暇はないと思うが。


……正直言ってしまえば、恐怖の感情が全くないわけではない。寧ろそれを押さえつけて今の自分を強者のように見せている。あの山が爆発してしまえば、それこそこの街は終わりだろう。テイラーがあんなにも言うことだ。ちょっとやそっとな規模ではないのだろう。俺たちに逃げ場がないと、断言できてしまうほどに……


ただ、それでも俺の中にある考えは一つだけだ。


ハナビを守りたい。


それはハナビが能力を使えない弱者であるからだとか、俺が原因でハナビが捻じ曲がっているからとか、そういうものではない。なんならそれらが事実だということを認めた上での考えだ。この笑顔を、雰囲気を、ハナビ自身の感情を、何もかもを壊したくない。


今日も平和だ。まだ何も起きちゃいない。これから起きることが破滅であるということを知ってもなお、俺たちはそう生きていた。ならたとえそれが直近に迫ってしまっていても俺たちはそう生きたい。────声に出せない、ささやかなエゴだ。


(……ふぅ)


見上げた空はどこまでも青く、見据えた自然は緑でいっぱいだった。



──微かな揺れが、また起きた。



 ──同時刻・日本区──



まだ太陽が真上に出ている中、誰も立ち寄らないであろうスラムの片隅の建物の上、そこに私とノゾミはひっそりと遠くを眺めていた。よく晴れた日ならば、日本区からでも富士山は見える。


「………よし、無事に調整できた。これなら明日の昼くらいで無事噴火できる」


そして私がここに来た理由はまさに、その富士山の噴火の時期をほんの少し──それこそ数時間だけズラしただけである。この感じなら暴発ってことも起きないだろうしおそらく平気だ。フォボスが介入することもまずないだろう。出てきたところで私が出てくるわけだからそんなことをする意味がないのだ。


「あのなあボス、俺来た意味あったか?」


「ない」


「じゃあ連れて来んなよ。俺は別忙しいってわけじゃねえし、ボスに呼ばれれば最優先で動く、が、そうやって無意味なことに付き合うくらい聖人様じゃねえ。そういうのはレイナの方が向いてんだろ」


「まあねー。──ノゾミ、お前は強くなりたいか?」


その瞬間、私は少し威圧感を出す。私にとってそれは「少し」ではあれど、それは空気を変えるのには十分すぎる。もちろん理解はしているよ?この程度の加減をできず最強など語れるものか。


「……結局来た意味あるじゃねえか」


「ここである必要はないってだけ。私だって久々にできた自由時間だ。少し遊ぶってのはどうかな?」


「自由時間って……それやるべきことが無くてただ暇してるだけじゃ」


「お?ノゾミは一体いつからそんな生意気を言えるようになったんだ?かかってきなよ、手加減ならしてあげられるよ?」


「……もし俺が勝ったら?」


「お前の思考回路ぐらいなら私でもわかる……好きにしていいぞ(・・・・・・・・)。ま、それは現実にはなり得ない」


「ハッ!上等!」


さーてと、生徒は育てたことはあるが組織内の人間にはなかったな。ある程度の実力的にはみんな上積みの方なんだが今後の事を考えるとやはり訓練が必要だ。


一瞬で終わらせては何の意味もないから少しは生かすつもりではあるけど、こちらから何の攻撃もしないのもまた違うだろう。実践には限りなく近づける。戦いで大切なのは能力の使い方もあるが、その根底には体の使い方や咄嗟の判断力、攻撃の読みなどなど。こうでないと育てられない部分もある。


「さーてと、何秒持つかな〜」


ま、生意気なクソガキ(ノゾミ)を分からせたいっていう思いもあるけど。

本文には書きませんが、この後ノゾミはボコボコにされます。彼は一応成人しているのでガキではないです。


追記: ノゾミのこと覚えてますかね……?序盤でマオをボコしてたあいつです。

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