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能力教室の号哭  作者: たるたるそーす
立てない子鹿編
5/44

実践訓練

かなり速く書いたので誤字脱字がすごいかもです。何かありましたら教えてください。

 ──4月下旬・異空間──



特別教室に通い始めて10日が経過した。今日も私はいつものように能力の──いや、想像力の訓練をしていた。彼女曰く、


「マオの能力は想像力に依存してるところが多いから、まずそこを重点的に鍛えようか。」


とのこと。確かにそれはあっているし、そんなこととっくの昔に理解している。でも全くできる気がしないのだ。ずーっと頭を使って物の創造を試みているが、その前提、つまり「能力を使いこなしている私」を想像するのが難しいのだ。これではいくらやっても成長はできない。


『大丈夫だよ!きっとできる!だからもう一回やってみよう!』


『できないなら何度でもする。数学と同じだ。やり続ければ、いつかはできる日が来る。それは今日かもしれないし明日かもしれない。ただ信じてやるしかないんだ。頑張れ。きっとできる。』


ユキとお父さんが私をずっと励ましている。ユキが私を抱きしめて暖かさを分けて、お父さんが私に自信を持たせようとする。みんな優しいなあ。みんなの中はあったかいなあ。ずっとここにいて過ごしたいなあ…


そうやってしているうちに私はいつの間にか能力について考えるのをやめていって……


「マオ、大丈夫?」


そう言われてはっと自我を取り戻す。しまった。違うことを考えてしまった。もう一回集中しないと。ちゃんと二人の言うことを守るために。そうして私はもう一度能力を使おうとし始めるのだった。


何もない空間の中、マオの足元には少量、だが確かに、金色の髪の毛が散乱していた。




「はい!じゃあこれからちょっと特別なことをします!グラウンドに出るから一旦全員教室に帰ってきて。」


その言葉を聞いて、私たちは我に戻り、ゲートに戻る。彼女の能力で作り上げているらしいが、彼女は自分の能力を教えてくれない。前にショウが聞いたことがあるが、その時は


「それは……まだ秘密ね。もうちょっとしたら教えてあげる。」


と言って適当にはぐらかしていた。この世界では能力は立派な個人情報。彼女にも秘密を貫く権利はある。



 ──グラウンド──



「じゃあこれからみんなには……一人ずつ実践訓練をします!」


「えっ!まだ早くないですか?まだ特別教室が始まって10日、私は全然成長できていません。」


そう言ったのはアオイだった。それに合わせて他のみんなも頷く。


「まだ成長してないのは当たり前だよ。今日はまだ下調べの段階だから。」


「じゃあなんで初日や二日目にやらなかったんですか?」


「能力っていうのは個人情報でさ、みんなはそんな能力を知らない人に使いたいと思う?思わないでしょ。実際10日間でかなりみんな馴染んできてたからもうそろそろいいかなって思って。どうかな?」


みんな静かに頷いて賛同した。私も例外ではなかった。確かに私たちは10日でお互いを仲間だと認識し合うくらいの仲にはなっていた。正直言って彼女に能力を見られるのはかなり癪だけど、強くなるためには必要だと自分を納得させた。


「よし。じゃあ一人ずつ来ようか。準備ができた子から順番においで。私が受けてあげる。ちなみに能力は使ってね。じゃないと私もみんなの課題を見つけられないし、どのくらいの強さなのかもわからないからね。」


そう言って始まったのは訓練──ではなく、蹂躙だった。彼女は生徒に技を出させた上で全てを完封していった。


アオイはミズキの初撃を避けた。そして、そのまま一撃を入れようとしたが、次の瞬間負けを認めた。


ショウはとてつもなく速い動きでミズキの周りを回って機会を伺っていたが、攻撃しようと近づいたところを避けてそのまま負けた。


ミサキはしばらくミズキと見つめあっていたが、しばらくして苦虫を噛み潰したような顔をしながら動き始めて、負けた。


リュウは確実に倒すためにミズキの弱点一点だけを狙い続けたが、すぐに見透かされて対処されて負けた。


カエデは始まった瞬間から両手にエネルギーを溜め始めた。しかし、その後発射されたレーザーをミズキが受け流し、その後すぐに近づかれて負けた。


ハナは何体かの分身を作り出して一斉に攻撃させたが、全て避けられ、次々と分身がやられていき、気づいた時には本物の場所がバレて負けた。


マオはチハヤと一緒に(ミズキの指示で) ミズキに挑んだ。マオはいつもよりも速く体を動かすことができたが、物質を作ることはできず、そのまま撃沈。残ったチハヤはその後すぐに降参した。



 ──10分後・ミズキ特別教室──



「みんなお疲れ様」


着席した生徒たちからは私含めて決して良い雰囲気は出なかった。まあ全員こてんぱんにやられたんだからそうなるよね。


「今回ので今みんながどれくらいできるのか、課題は何かはよくわかった。ありがとうね。ところでこの際だからもうみんなの能力共有しちゃうけどいい?どうせ3年間過ごすんだから早めに知っといたほうが良くない?」


自分の能力を他に知らされるのは嫌だけれど、それ以上にみんなの能力を知りたくなった。他のみんなもきっとそうだったから、頷いたんだろう。彼女は私たちの反応を見てから黒板に書きながら話す。


「よし。じゃあ言っていくね。


アオイは『未来予知』

ショウは『身体強化』

ミサキは『感情の糸』

リュウは『弱点把握』

チハヤは『絆強化』

カエデは『次元照射』

ハナは『蜃気楼』

マオは『物質創造』だよ。


詳しいことは本人に聞いてみるのもいいと思うよ。この能力を考慮して戦闘の役割を考えていくのもいいね。じゃあ今日はもう遅いし終わりにしようか。みんなもほどほどにして早く帰るんだぞー。」


そう言って彼女は教室を出ていった。


そうか。これらの能力なら今回の訓練の動きも納得できる。アオイが降参したのは負ける未来が見えたから。ショウが人間離れした動きができたのは身体強化で動き回れたから…そして私が今日かなり素早く動けたのはチハヤの能力……私の実力じゃなかったんだ。ちょっと悔しいな。


「すごいなあ!『物質創造』だって!?そんなの最強能力じゃん!!」


そうショウに言われて私は困惑する。能力が最強でも私はそれを使えないからだ。


「そう……だね……でも私は能力が上手く使えないから……あはは……」


私はそう言って自分を卑下する。正直辛いけれど、ショウからは敵意なんて感じ取れなくて、私は彼を嫌いにはならなかった。


そんな他愛のない会話をミサキは恨めしそうに見ていた。

7/20追記


補足: 今回情報多すぎですね。能力に関してはマオとミズキ以外は覚えなくてもいいです。どうせ後々詳しく説明する時が来るので。キャラ名は…まあ頑張ってください。


8/1修正


何でミズキさん能力内緒とか言ったのに次の瞬間バラしてるんですか?該当部分修正しました。本当にすみません。


一応出してしまった情報は出しておきます。ミズキの能力は『四次元空間の──』です。

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