表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
能力教室の号哭  作者: たるたるそーす
飛べない豚編
37/100

終わらない夏休み課題

新章開幕です

あの日から何回もこの動画を見ている。例え撮影したカメラが彼女らの姿を捉えきれていないとしても、どうしてか彼女らの姿を追おうとしてしまう。

私は知ってしまった。天城ミズキ──それこそ中学生と言われればそう信じてしまいそうなくらいの容姿の少女に秘められている力を、技術を、才能を。

見るたびに何度だって際限なく心が痛む。もし今の気持ちを表すならなんと答えるだろうか?だとしても私は見るのをやめない。私はああはなれるのだろうか?私という────わからない。


もう一度見よう。





 ──8月12日・進路相談室3──



「みんなねえ……こうやって毎日来てくれるのは嬉しいけれど、大丈夫?ほら、やることとかあるんじゃないの?……夏休み課題とか」


ぎくりと生徒たちが反応する。いややっぱりか!


「……具体的にあとどれくらい?」


全員ほとんど終わってなかった。さてと、このヤバさを言語化するとしよう。


この高校は進学校である。よって課題の量も多いし難易度も高い。さてと、そんな何をどう考えても時間がかかりそうな課題を夏休みが終わる──どうして8月31日までに終わらせられるだろうか?(いや、終わらせられるはずがない)


仕方ないなあということで……





 ──8月13日・ミズキ特別教室──



「第一回!勉強会inミズキ特別教室開会!!わからないことがあれば仲間か私に聞くこと!」


それぞれの机を四人が横並びになり、二人ずつ向かい合うようにして並ばせ、教室に今日も今日とて集まってくれた8人が一斉にノートを開き、それぞれが自分のシャーペンを持って課題を始める。

私もそれを見て自分の課題(計画)を進めて行く。暫くの間は無音が続いたが、ショウが質問を始めたことをきっかけに、少しずつ交流が増えて行く。


(ショウとチハヤ、あとは……マオか、珍しい組み合わせだな。それだけ親密になっているということならいいんだけれど)


この前のショウの謝罪は結構素直に受け入れられていた。それもあってか、ショウも新しくみんなに馴染めると考えると、良い進展だったのかもしれない。


ショウの質問にチハヤが答え、さらにそこに補足を入れるマオの様子を背景に、私はスマホでカメラ映像を再生しつつ情報整理を行う。




前回の戦闘で、私たちの組織、【天国(エデン)】──私が言うのも難だがちょっと厨二感すごい名前の組織だなこれ。なんか恥ずかしくなってきた。まあいい、私たちはフォボスと全面的な戦闘を行った。ことの発端はショウが誘拐されたこと。ショウを監視していたレイナがそれにいち早く気づいたことで私たちも動き始めたが、実戦訓練の一貫として二人で協力してもらうこととなった。そこでどうやらフォボスがショウに脅迫まがいなことをしたせいでちょっと一悶着あったけれども……結果的にはショウの能力の進化に繋がった。その後フォボスが急に遊び始めてびっくりしたけど、結局私がでしゃばってその場を丸く収めた。


さてと、一つずつ考えていこう。まずは「私が動いていることがバレたこと」

は?って感じだけれども、これが一番まずい。何がまずいか──いつバレた?

私はこれまでずっと秘密裏に計画を進めてきた。それこそその時点ではフォボスがこのことを知ることはなかったと絶対に断言できる。ともなれば本格的に動き始めた4月下旬からあの事件が起きた7月下旬……流石に早すぎる。ともなれば……はぁ、くっそ、考えたくないけれども内通者か?

【天国】には今私含めて構成員が六人いる。本当は生徒と同じ八人にしたかったが、これ以上増やすと秘密裏に動くことはできない。うーむ、みんな裏切るような人じゃないんだけどなー。というかそうじゃないと私が組織に入れないし。そもそも内通者がいるって決めつけるのもまだ早い。


まあいいや。今犯人探ししても意味はない。次は「ローブの少女について」だ。

知らない子だった。名前も、顔も、存在でさえ全くだ。これまでフォボスが意図的に隠していた?いや違うな。それだったらこんな近くに彼女を配置しない。となれば……私と同じか。対私用の切り札ってところかな?危ないことをしてくれよる。

そして、彼女はショウを日本区から連れ出すことができた。そういう能力か?うーん、そこはまだわからんな。ただ一つ言えることは……幼い、故に危険と言うことだけだな。


はい次!「二百人の放浪者達」。あれは──関係ないな。うん。金か何かで雇ったとかそのくらいだろう。ただ……妙に従順な様子だったな。なーんか変な感じはする。でもやっぱり情報はまだ少ないし、それだけだと思う。


さて、最後に「ショウの能力」を考えよう。ショウの能力は「身体強化」から「時間鈍化」へ進化した。素晴らしいことだね、うん。喜べレン、過程がグレーなことはこの際不問にしてやる。きっとショウは感覚的に感じているだけなので、私が代わりに言語化してあげよう。




さーてと、そんなとこかなー。


「はい私の宿題終わりー」


「先生……それはおもんない」


「あ、ごめん」


待った待ったなんだいそのノートの山は?え、これを今からやると?うへぇ……

結局私も宿題を手伝う羽目になった。ちゃんと教えられたかなぁ……流石に一応今は先生だし、生徒の評判はちょっと怖い。

ミズキが持っている元のビデオは「騒動の一部始終」

生徒に見せたビデオは「フォボスvs. 天城ミズキ」のみ。




設定集にあるのは世界的な常識の話。

今回は天城ミズキ視点の今の状況。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ