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能力教室の号哭  作者: たるたるそーす
小さな蟷螂編
13/100

『昇化』

久しぶりに書いてみてハイになっております。いぇい


投稿遅れてすみません。

 ──5月7日・ミズキ特別教室──



「みんな授業お疲れのとこだと思うけど、今日は座学からね。ノートしたい人はしてもいいよ。」


連休明け、ミズキ先生の開口一言目を聞いて、マオ、アオイ、あとミサキがバッグから筆記用具とメモ帳を取る。女子はみんなこういう時のためにメモ帳を常備しているのだろうか?


「っとその前に……マオが能力を使えるようになりましたー!みなさん拍手!」


俺──夜吹ショウは誰よりも先に誰よりも大きな拍手を送る。周りもそれに釣られて拍手をして、拍手の音がだんだん大きくなる。俺がそうするのは単純にマオが能力を使えるという事実が嬉しかったというのもあるが、そうやって雰囲気を積極的に作るのが好きだったからだ。


「そして……これでみんなが自分の能力を使えるようになったからね、みんなにはこれから新しい技術を教えようと思うんだ。」


みんな、もちろん俺も含めて目を輝せてミズキ先生の次の言葉を待っていた。当たり前だ。ここに来ている生徒は全員、強くなりたいと思っているんだ。新しい技術という言葉ほど気持ちが高揚することはない。これが何か自分の強さに直結するはずだと誰もがわかっているんだ。


「その名も……『昇化(しょうか)』」


「昇化」という響きだけで俺は感嘆の声をあげる。きっと素晴らしいんだろう。


「じゃあマオに質問しよーっと。能力の使用には何を必要とするでしょうか。」


「えーっと……私たちの体内で発生する『魔力』ですか?」


「そうだね。正解。100点あげちゃう。」


流石はマオ。彼女はこの前まで能力を使えていなかったが、逆にそれ以外……例えば勉強なんかはすごく秀でていた。


その時俺は──いや、俺たちはみんな笑みを浮かべていた。しかし、その後、俺の顔からはそんな笑みは剥がれ落ちることとなった。


「『昇化』っていうのはねえ、そんな魔力を能力じゃなくて身体で使うってことなんだ。うーんとねえ……魔力は私たち全員の体の中で循環している。私たちはいわば人それぞれが持っている『能力』っていうものに魔力を入れて能力を使ってるんだ。だけどその魔力を直接身体に集中させる。するとねえ、体が強くなるんだよね。これが『昇化』。いわば『身体強化』の能力のようなものだね。」


『昇化』は俺が思っていた物ほど良い物ではなかった。だってさあ……おかしいだろ。身体能力を高める?誰だって強くなれる?ふざけんな。こんなの……俺には─────意味ないじゃんか。



 ──異空間──



「……先生……どうしてあんな(・・・)ものを紹介したんですか!?」


それぞれがトレーニング用のゲートに入った後、俺は何もない虚空に向かって叫ぶ。先生なら聞こえているはずだ。


「……何をそんなに気にしているの?ショウ。」


間も無くして、先生の声が聞こえる。俺は間髪入れずに会話を進めた。


「気にするだろ……俺の能力が何か知ってますよね。そうです。他の何でもない『身体強化』です。『昇化』と全く同じなんです!」


「……それがどうしたの?」


「まだわからないんですか?俺の能力は……個性は……」


「無くなってないよ。」


そう言われて俺ははっとする。別にその言葉に勇気をもらったとかじゃない。だってそんなことを言う理由がわからないからだ。先生がなんと言おうと、『昇化』と『身体強化』は似通っていた。もしみんなが『昇化』を使えるようになったら……俺は能力の無い他の劣化版(・・・・・・・・・・)になってしまう。それは……何がなんでも嫌だ!


その先は正直先生が何を言ったのか覚えていない。ただ、この先どうやって仲間と接するのかを考えていた。適当に相槌を打っていれば、先生はそれ以外何も言わなかった。


「……わかりました。みんなに教えればいいんですね?」


「……うん。それでも自分を研鑽し続けるのも忘れずにね。」


やってやる。俺は……自分のためなら、みんなを騙してやる。これが……俺の生き方だ。



 ──数時間後・進路相談室3──



「やることは能力に魔力を込めるのと変わらないんだ。ただその対象が身体に変わっただけ。そうだ。身体の一部に力を込めながらやるといいよ。そっちの方が多分やりやすい。」


ミズキ先生が教室を去った後、俺は……みんなに嘘を教えた。実際は力をこめる必要なんかない。必要なのは身体に力を入れるんじゃなくて、魔力を感じることだから、変に力を入れると、逆に上手くできないはずだ。でも仕方無いじゃないか。みんな正しいことを知れば、すぐにできるようになってしまうだろう。しかし、こうすれば少なくとも習得を遅めることができる。こうすれば……俺はみんなと関わりながら過ごす時間を増やすことができる。みんなの姿を見て、別に滑稽だなぁなんて思わない。それどころか、この状態は、別に悪い感じはしないと俺は思う。


俺以外の七人はみんな顔を赤ながら全身に力を入れていた。

まあ魔力は呪術◯戦の呪力のような物と考えてください。


ごめんなさい。この設定が一番都合よかったんです。

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