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90話目 逃げることのできない現実

くそっ、不利な状況に追い込まれている

相手の、戦力が格段に上がっている

騎士の人数が増えた上に

見たことの無い武器まで

徹底的に私たちを殺すつもりか

今のところは、何とか持ちこたえているが

この状況がいつまで続く間も分からない

それに……


「ルイスさん!危ないです!」

「うおっ!チッ!本気で斬りに来たか」

「へっ、考え事してる方が悪いだろ」

「へぇ、そうか、なら突進してきた

君も悪いね」

「は?なんのことだよ」

ザシュッ!

「え?な、何が」

「悪いね、私は足が早いので」

「お、お前まさか」

ドサッ!


少々、なまっているが

まぁ、よしとしよう

それにしても、なぜ突然戦争を

仕掛けてきたのか

団長の様子を見るに、知り合いなのだろう

そんな、団長でも止められなかった

ということは

何をしても無理ということか

最後に、残された選択肢は

敵を全滅させること


はぁ……出来れば殺したくは無いが

こちらも、味方が殺されているのでね

黙って見ている訳にはいかないんですよね



「リアムさん!そっちは大丈夫ですか?」

「大丈夫だ、なんとかだけどな」

「なんで、こんなことになってるのでしょう」

「正義があるからな」

「それ、ルイスさんも言ってました」

「あはは、そうか」

「リアムさん、きます」

「了解」


あれから、どのくらいの時間が

経ったのだろうか

わかることは、今が夜だということ

そして、今回の戦闘で数人を失ったこと

周りを見れば血だらけ

あぁ、私は守れなかった

まだ、戦いは終わってないのに

こんな気持ちになるとは


……屋敷の方は大丈夫なのだろうか

まだ、センサーは反応していないが

嫌な事ばかり考えてしまう


「ルイス様、今よろしいですか?」

「どうしたんだい?」

「団長がお呼びです」

「わかった」


きっと、今回の戦闘についてだろう

何人死んだとか聞かれるのだろうか

考えたくもない

最近、考え事ばかりして

集中出来ていない

今の私は、騎士に向いていない

そんなことを考えていると

団長の元へついた

私は、重い足を動かした


「団長……」

「ルイス」

「はい」

「お前は、今回の戦争についてどう思う」


戦争……ということは

全体通してのことだろうか


「起こってはいけない戦争だと思います

出来れば、もう、これ以上死人が出る前に

終わらせたいです……でも、無理だと思います」

「ふむ、俺もそう思う」


団長は、何が言いたいのだろうか

何を考えているのか分からない

怒っているのだろうか

呆れているのだろうか

どっちにしろ嫌だ


「ルイス」

「はい」


とうとう、言われる

何を言われるのか分からないが

私の体は、勝手に身構えていた

力が入っている

震えそうだ


「今のお前に言うのは申し訳ないが」

「構いません」

「シャルロット家の屋敷周辺で

怪しい人物を見たという報告が入った」


予想外の言葉に

私の頭は、追いつかなかった

しばらく沈黙が続いた

団長は、私が話し出すのを

静かに待っていてくれた

私は、ようやく口を開き


「そ、それは、本当ですか?」


これが、精一杯の言葉だった

意味がわからないのに

言葉の意味はわかってしまう

それが、嫌だった


「本当だ、お前には言っていなかったが

屋敷の周辺に騎士達を数人行かせた

見張りとして」


団長が、ここまでしてくれていることに

感謝しているのに、嬉しいのに

言葉が出てこない

前を向けない

目を見て、団長を見て

ちゃんとお礼を言いたいのに

体が、動かない


「まぁ、怪しい人物と言うだけで

敵だと確定している訳でもない

見張りは、いくらでも行かせる

人数を増やしたい時は言ってくれ」

「はい」


結局、お礼を言えずに出てきてしまった

足が重い、周りの音が遠くに聞こえる

自分だけが、別の世界にいるみたいだ

頭の中がぐるぐるしている

泣き叫びたい自分と、作戦を考えている自分

私は、これからどうすればいいんだ

もっと、強くなって屋敷に行くか?

いや、いつ来るか分からない

もし、私が今のように戦闘をしていたら?

誰が、守れる?

見張りの人はいる

けど、敵は何人来る?

分からない

何もかもが、分からない

現実が、私の逃げ道を封鎖しているみたいだ


「ルイス大丈夫か?」

「分からないです、フラフラしてますね」

「心配だな」

「ちょっと、いいか?」

「団長、どうしたのですか?」

「お前たちに、伝えないと

いけないことがある」

「俺たちにですか?」

「あぁ、実は……」


「そんなことが」

「だから、ルイスはあんな

もぬけの殻みたいに」

「だから、2人は、近くで支えてくれないか?」

「わかりました!」

「ルイスさんを、安心させましょう!」

「ありがとうな」

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