69話目 ルイスの涙
「……」
「……」
「……そこ、閉めれば」
「ここですか?」
「そこ閉めれば、1人の空間に近くなりますよ」
「……ありがとうございます」
もし、私に声がかからなかったら
手紙が来なかったら
来る予定でもなにかトラブルで
来なかったら
良かったのに……そうすれば、そうすれば
アランとアレンと料理できるし
2人に、色んなこと教えてあげられたのに
マリアと愚痴を言い合ったり
お酒を飲めたのに
お嬢様と、鬼ごっこもできるし
ティータイムも一緒に過ごせる
「……声、出してもいいですよ」
「え?」
「声出した方が、気持ちも出せるかと
あ、ご迷惑だったらごめんなさい」
「いえ、迷惑じゃないですよ
ありがとうございます」
「もし、1人がその、寂しかったら
話しかけてください聞きます」
「じゃあ、いいですか?」
「はい」
「……」
「…… お嬢様は、すごく仕事が嫌いな方でした
いつも、逃げて私が捕まえて」
「そうなんですね、明るい方なんですね」
「そうなんです、私とお嬢様の鬼ごっこを
いつも、楽しんでみてる仲間がいて
たまに参加してきたりして」
「楽しい方々ですね」
「はい、ほんとに、みんな優しくて
面白くて……いつも、私を頼りにしていて……
それで、それで…… 」
勝手に体に力が入る
あぁ、泣きそうだ
「まるで、家族のような関係だったんですね」
「そうなんですよ……だから、グスッ
別れるのが……」
「……」
「ごご、ごめんなさい……私泣いて
ダメですね、誰かにこうやって話すと」
「声に出して話すと頭が整理されて
感情が溢れてしまいますよね」
「……はい」
「……約束します」
「え?」
「必ずあなたをお嬢様の所へ
戻れるように頑張ると」
「……そんなとこして、大丈夫ですか?
もし、バレたら」
「大丈夫です!俺には、騎士団を
クビになっても
宛はあるので」
「ありがとうございます
あの、お名前は?」
「リアムです」
「リアムさん、ありがとうございます」
「まずは、ルイスさんが死なないように
俺に援助させてください」
「援助ですか?」
「はい、俺護衛部隊なんです」
「そうなんですか」
「だから、このように送迎もしているんです」
「私の送迎がリアムさんで良かったです」
「そう言ってくれると嬉しいです」
「あの、リアムさん」
「なんですか?」
「敬語やめませんか?」
「急にどうしたんですか?
それに、私の方が後輩です」
「え?そうなんですか?」
「そうですよ、あれ?伝わって」
「ないですね」
「あはは……やっぱり伝達が遅い騎士団ですね」
「そうですね」
「でも、いいんですか?
後輩の私が敬語を使わないなんて」
「私は、平気ですよ
まぁ、団長の前とかでは
お互いに使いましょうか 」
「そうですね」
「じゃあ、これからよろしくリアムさん」
「こっちこそ、よろしくルイスさん」
「あ、ルイスさんが先輩なら
先輩命令って言葉使えばいいじゃん」
「確かに」




