5話目 お嬢様と執事の喧嘩
カッコがない文はルイスの心の声です
1話1話短編です
隙間時間にもおすすめです
「ほんとに!お嬢様はどうして
いつもいつも……」
「何よ!」
「いつも、いつもイタズラばかりされて!」
「いいじゃない!面白いわよ」
「面白いのはお嬢様だけです!」
「何よ!ルイスなんかだ、大嫌い!」
「っ!い、いいですよ!嫌いで」
今日は、お嬢様と喧嘩をしてしまった
初めてでは無いが
こんなに強い言葉を言ったことは無い
お嬢様傷ついただろうか
まさか、お嬢様から嫌いと言われるとは
お嬢様が本気で言ったとは思っていない
でも、ほんとに嫌われるのは嫌だ
何が嫌いでいいですよだ
私のバカ……
今からでも、謝ろう
「ミアお嬢様?大丈夫ですよ」
「そうですよ!ルイス様はそんなことで
傷つきませんから」
「嘘よ!絶対傷ついたわ……
何が、嫌いよ私のバカ……」
「ミアお嬢様」
「何?マリア」
「ルイスは、ミアお嬢様が本気で言ったとは
思ってませんよ」
「ほんと?」
「えぇ、ほんとですよ。この私
マリアが保証します」
「今からでも、仲直り出来るかしら?」
「できます!」
「私、仲直りしたいわ」
「しましょう」
それから、私はお嬢様と何度も仲直りしようと
何度も声をかけるチャンスを伺った
でも、なかなか話すことが出来なかった
なんだか、お嬢様との間に壁ができた気がする
どうしたらいいのか、どうすれば
あ、そうだ
「で、私のところに来たの?」
「助けてよーマリア」
「はぁ、ルイスそれでも、執事なの?」
「だって」
「私は、あなたのお母さんじゃないよ」
「いいじゃん!同期なんだし」
「全く、ルイスとお嬢様は似てるね」
「え?」
「あなたが泣きついて来る前
ミアお嬢様も私に泣きついて来たの」
「お嬢様が?」
「えぇ、あなたに大嫌いって言っちゃったこと
すごく後悔されていたよ」
「……」
「あなたと喧嘩をしたこと後悔していたし
もう、イタズラ辞めるって言ってた」
「え!それはダメ」
「ふふ、やっぱりそう言うと思った」
「え?」
「ルイスってミアお嬢様の
イタズラ楽しんでるよね」
「そ、そんなこと」
「いいの隠さなくて、みんなわかってるから」
「恥ずかしい」
「ふふ、ミアお嬢様もルイスと仲直りしたいと思っているよ」
「ほんと?」
「えぇ」
よし、今日こそお嬢様と仲直りしよう
昨日は、マリアから教えて貰えたし
ちゃんと話せばきっと
「ル、ルイス」
「あ、お嬢様」
「あ、あの」
「お嬢様、その」
「ルイス、ごめんなさい!わ、私」
「お嬢様、私の方こそ、申し訳ありません」
「ルイス」
「強い言葉を言ってしまって」
「わ、私こそ大嫌いなんて
本気じゃないのに」
「わかってますよ」
「ルイス!」
「はい」
「……鬼ごっこしましょう!ルイスが鬼!」
「え?ちょ、お嬢様!」
「捕まえてごらーん、あはは」
「お待ちくださーい」
やはり、お嬢様はこうでないと
それに、やっぱりお嬢様の笑顔だ!