19話目 お嬢様のティータイム
カッコがない文はルイスの心の声です
1話1話短編です
隙間時間にもおすすめです
「お嬢様、ティータイムですよ」
「あら、もうそんな時間？」
「今日は、シフォンケーキと
紅茶を用意しました」
「……そう」
「どうされました？」
「シフォンケーキは、まだ残ってるかしら？」
「残っておりますが
足りなかったでしょうか？」
「いいえ、そうじゃなくて
みんなとお茶をしたいなって」
「お嬢様」
「私いつもひとりで寂しいの
みんなと一緒の方が絶対楽しいでしょ」
「そうですね……では、聞いてみましょうか」
「いいの!?」
「はい、みんなの時間が合えばですが」
「やった！」
まさか、お嬢様が寂しい思いをされていたとは
今思えば最近悩んでおられた
「え？ティータイムですか？」
「そう、どうかしらマリア？」
「参加をしたい気持ちは山々なのですが
仕事が終わらなくて」
「そうなの、それは仕方ないわね」
「ごめんなさい」
「いいのよ、また今度しましょう」
「はい」
「ティータイムですかー？」
「僕たち今、手が離せなくて」
「俺は、参加したいからしようかなぁ」
「ダメだよ、まだ終わってないじゃん
僕だって参加したいし」
「また、今度にしましょー」
「そうするわ」
「お嬢様、今日は私だけでも
よろしいですか？」
「ルイス一緒にお茶してくれるの？」
「はい、今日は時間があるので」
「嬉しいわ！」
「今度は、みんなでしましょうか」
「えぇ、マリア達ともしたいわ」
やはり、いきなりはダメでしたか
お嬢様の気持ちに気づかなかった
私のミスですね
「ミアお嬢様の様子はどうだった？」
「あ、マリア」
「やっぱり寂しそうだった？」
「あぁ、今日は私が一緒に出来たが
今度は、絶対にみんなでしたいと言っていた」
「そうよね」
「ルイス様ーお嬢様どうでした？」
「寂しそうだったよ」
「やっぱり、そうですよね」
「お嬢様がご主人や奥様と一緒に
何かしているところ見たことないな」
「おふたりとも仕事で忙しいのでしょう」
「寂しいよね」
「そうだな、母さん父さんが
構ってくれないのは」
「……だから、私たちに」
「そうだったのね」
「なら、明日のティータイムは
みんなでしましょう」
「そうね」
「だったら俺今日中に明日の分も
少しでも終わらせよう」
「僕も」
「2人は、優しいのね」
「そうだね、私達も終わらせようか」
「えぇ」
次の日
「ルイス今日のケーキは何かしら？」
「お嬢様、今日のティータイム場所は
ここではなくあちらです」
「え？」
「どうぞ 」
「……わぁぁぁ！」
「お嬢様！」
「お嬢様ー」
「ミアお嬢様」
「みんなで、できそうだったので
こちらでティータイムをすることにしました」
「みんな、ありがとう！
すごく嬉しいわ」
「楽しみましょう」
「俺いっぱい持ってきた！」
「僕も」
「うん！」
こうして、お嬢様は楽しいティータイムを
過ごすことが出来た
この日から、みんなでティータイム
をすることが日課となった
