16話目 お嬢様の声が枯れました
カッコがない文は、ルイスの心の声です
1話1話短編です
隙間時間にもおすすめです
「どうしたの?ルイス
私たちを呼んで」
「なにか問題がありましたか?」
「お嬢様のことでみんなに集まってもらった」
「何かあったんですか?」
「お嬢様は、風邪をひき声が
出ない状態になった」
「あら」
「隣ですごい頷いてるなアラン」
「必死に伝えようとしているね」
「だから、今日の会話は全部ジェスチャーで
お願いしたい」
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「コクコクコク」
「頷きがいつもより凄いですね」
「なんか、ポーズしてんな」
お嬢様ジェスチャー中……
「えーとグリカ?あの、片足あげてるやつ」
「ブンブンブンブン!」
「どうやら、違うらしい」
「え?じゃあ……白鳥?」
「湖?」
「白鳥の湖?」
「それバレエじゃねぇか 」
「ドスドスドスドス!!」
「あああ、怒らないでください」
お嬢様ジェスチャー中……
「あ!わかった!」
「アランわかったのか?」
「うん!お嬢様、バランスボールを
探しています!」
「パチパチパチ!」
「やった〜」
「だから、片足あげて腕回してたのか」
「バランスボールなら
あちらの部屋にありますよ」
「ミアお嬢様どうされたのですか?」
お嬢様ジェスチャー中……
「あ、お腹が空いたのですね」
「コクコクコク!」
「何を食べたいですか?」
お嬢様ジェスチャー中……
「えっと、ゼリーですか?」
「ブンブンブンブン!」
「では、アイスですか?」
「ブンブンブンブン」
「なんでしょう……」
お嬢様もう一度ジェスチャー中……
「あ、プリンですか」
「ブンブンブンブン」
「うーん、なんでしょう」
お嬢様またまたジェスチャー中……
「それは、甘いものですか?」
「コクコクコクコクコク」
「それは、スポンジやクリームが
入っていますか?」
「コクコクコクコクコクコクコク」
「わかりました!ケーキですね」
「パチパチパチ!」
「では、只今ご用意致します」
「ツンツンツンツン」
「お嬢様何故そんなに
ツンツンするんですか?」
「ツンツンツンツンツンツン」
「どうされたのですか?」
「ツンツンツンツンツンツン
ツンツンツンツン」
「……」
「……」
なんの時間なんだこれは
見つめ合って
ツンツンされて
お嬢様は、ユラユラ揺れてるし……ん?
「お嬢様、もしかして遊びたいのですか?」
「ぱぁぁ!」
あ、わかりやすい
表情筋がよく動くようになっている
「では、遊びましょうか」
「コクコクコクコクコクコク」
その日は、何とか乗り切ることができた
早く治してくれお嬢様
おまけ
【ルイスが声枯れたら】
喉が痛い……声が出ない
ほんとに出ないのか気になる
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!」
「うるさい!声出ないなら無理に出さない!」
「ア゛ア゛ア゛……」
騒いで叩かれる