11話目 ルーカスとルイスの勝負
カッコがない文はルイスの心の声です
1話1話短編です
隙間時間にもおすすめです
ルーカス様の登場から少し時間が過ぎ
いつも通りの仕事をしている時
私は、何故かルーカス様から勝負しろと言われた
「勝負と言っても何をされるのですか?」
「ミアをかけて勝負するんや」
「どうやって勝負を?」
「普段の仕事や」
「仕事ですか?」
「そうや、俺は執事の仕事もできる」
「それは凄いですね」
「せやろ、なんや負け認めるんか」
「認めません」
「あんたはおもろいな
じゃあ、こうしようや」
「なんでしょう」
「ミアの世話をしてどちらの方が結婚するのに
ふさわしいかで勝負や」
何故、結婚の話になっているのか分からないが
私は、その勝負をすることにした
「まずは、飯作りや」
ルーカス様は手際よく作業をされている
これだけ、イケメンで料理が出来たら
そりゃモテるわけだけど
周りにいる女子達が多すぎる!
狭いよ狭すぎるよ
「よし完成や」
「な、何とかできた」
「お嬢様、どうでしょうか」
「俺の飯の方が上手いよな」
「……どちらも美味しいわ
ルイスの味は、安定でいつも美味しいわ
兄様の味は、すごく懐かしいわ」
「この勝負は引き分けですね」
「そうやな、なら次や」
「マリア様お二人は何をされているんですか?」
「ルーカス様がルイスに勝負を持ち掛けたみたい」
「楽しそうだけど、ルイス様が大変だね」
「そうだね」
「景品はなんだろう」
「どっちがミアお嬢様と結婚するのに
ふさわしいか決めるみたいよ」
「ふーん」
「ルーカス様はルイス様が諦めると
考えているのでしょうか」
「いやいや、ないでしょあのルイス様だぞ」
「そうね、ルイスがお嬢様のことで
諦めるわけない」
それから私たちは
洗濯で勝負をしたり
掃除で勝負して
買い物でも
お嬢様との鬼ごっこでも
一日中勝負をした
「つ、疲れた……」
「あんた、なかなかやるな」
「ずっとお嬢様の近くで働いていますから」
「諦めも悪いな」
「お嬢様を取られる訳にはいきません」
「2人とも何してるのかしら?」
「ミア!」
「お嬢様」
「そんなにヘトヘトになって
2人でほとんど屋敷の仕事終わらせたわね」
「だ、だからこんなに疲れてるんですね」
「夢中になっとったわ」
「ルイスもいつもより集中してたわ」
「いつも集中してますよ」
「あはは、今日は抜けてないのね」
「どういうことですか!」
「だって、いつもちょっと抜けてて
マリアに怒られてるじゃない」
「そ、それは……」
「でも、それがルイスらしくて
私は、好きよ」
「兄様またいらしてくださいね」
「また来るわ」
「ルーカス様今回の勝負は引き分けです」
「いや、あんたの勝ちや」
「え?」
「それじゃ」
「良かったのですか?」
「あぁ、ええんや
ミアをあんな笑顔にさせたことはない
初めてやミアのあんな顔見たの
あいつにしかできないことや」
「そうですね」