100話目 絶対
これは、酷すぎる
屋敷の周りが燃えている
ここに来たのもミルトネアだったのか
間に合わなかったのか
いや、まだ諦めるな
戦場では、絶対に下は向かない
そう決めて生きてきた
お嬢様は、きっとどこかにいらっしゃる
早く見つける
それが、今の私の使命
だいぶ奥まで来たが
攻撃されたのはさっきなのだろう
まだ、安全なところがある
でも、時間はない
早くお嬢様を見つけなければ
どこにいるのですか
どうか、ご無事でいてください
隠れていて欲しい
一体どこに、どこにいる
……あそこか、かすかに音が聞こえた
剣がぶつかる音
お嬢様、戦っていらっしゃるのか
あの音が、聞き間違いだったら
そう思ってしまう
でも、それと同時に
あそこに、お嬢様がいてくれたらと願っている
自分がいる
もう、自分の感情がぐちゃぐちゃに
なっているのがわかる
それでも、私の体は止まらなかった
気づいたら近くまで来ていた
私は、覚悟を決め
階段を登り
扉の隙間から様子を見た
そこには、お嬢様とミルトネアの騎士が
戦っていた
そして、お嬢様が押されている
私は、考える間もなく
飛び出していた
グサッ
「あ゛っ」
……本当に、私は馬鹿だ
武器も持たずに何をしている
お嬢様のためとはいえ
斬られている
これでは、逆に心配させてしまう
けど、私にはそんなことを考える余裕などない
すぐに敵の方を向き
お嬢様の剣を奪い振った
鈍い音が聞こえ
目の前が一瞬赤くなった
私は、息を切らしながら
下を向く
人を斬ってしまった
この手で人を
少しの間固まっている私に
お嬢様が声をかけてきた
「ルイス?」
「あ、お嬢様」
「ルイス!大丈夫なの!」
「はい、これぐらい少し斬られただけです」
「なんで、なんで来たの!」
「なんでって、戻るって約束を」
「でも、今じゃないわ」
「私は、今だと思い」
あぁ、お嬢様をまた泣かせてしまうのか
心配させてしまった
こんなんじゃ、ダメなんだ
守るために、少しでも
喜んでもらえるようにと思っていたのに
逆に、悲しませてしまった
「私は、あなたを守りたいの
だから、一人で行くわ」
「え?」
「私が、行けば誰も怪我を
しないですむのよね」
私は、お嬢様が言った言葉を
理解するのに少し時間がかかった
その間も、お嬢様は止まらずに
私が飛び出した扉の方に向かって歩いている
ダメだ、このままじゃ
お嬢様が行ってしまう
危険なところに一人で
なんで、僕は動けない
守ることが出来ないのか
私は、焦りと自分への怒りで
感情が爆発してしまった
「どうして、どうしてそうやっていつも!」
「?!ル、ルイス?」
「いつも、自分勝手に動くんですか!
こっちの気持ちも考えないでそうやって!」
「いや、これは」
「そんなに、嫌ですか!
守られるのが嫌なんですか!」
「そういう訳じゃ」
「じゃあ、なんなんですか!
ほんとに意味わかんない
なんで、守らせてくれないんですか!」
「私は、ルイスを守りたいから」
「同じですよ!
僕だって!お嬢様をミアを!守りたい!
だから、ここまで駆けつけた!
なのに、なんで、自分勝手に」
「ルイス!そんなに騒いだら、血が」
「そんなの、今、関係ないです」
痛い、斬られたところが
ズキズキと痛む
息がしずらい
怪我をして血が出ているのに
私は、大声をだして騒いでいる
そりゃ、息も荒くなる
言葉が、途切れる
なのに、口は止まらない
「ルイス!もう、わかったわ」
「はぁはぁ……お、お嬢様」
「だから、お願い落ち着いて」
私は、なんて馬鹿なことをしたんだ
感情に任せて怒鳴って
大声出して
これじゃあ、敵に見つかるのに
はは、騎士も執事も失格だろうか
ガチャン!
「だ!誰?」
「ミアお嬢様、何をされて……ルイス!?」
「なんや、ルイスおるんか!」
「あ、ルーカス様!あの、救急箱を」
「お、おう!わかった」
「マリア」
「ミアお嬢様、何があったのですか」
「ルイスは、私を助けに来てくれたの
でも、私のせいで斬られて」
「ねぇ、ルイスあなた
また感情に任せたでしょ」
「……」
「だから、あれほど言ったのに
あなたはもう少し丸くなって」
「わかってる、けど」
「わかってない」
「でも、なんで、わかったのここ」
「騒いでる声が聞こえたから
来てみたらこれよ」
「ごめん」
「救急箱持ってきたで」
「あ、ありがとうございます」
「なんや、ルイスええこと言うたんか?」
「言ってません」
「ちょっと、ルーカス様
ふざけないでください」
「ははは、ごめんごめん
けどな、ルイスええんや」
「え?」
「あんたは、ちゃんとしてる
せやから、急所は外したんやろ」
「確かに、ズレてるわね」
「それで、ええんや」
「はい」
「落ち着いたら、移動しようや
ここも、もう時期バレる」
「ほら、ミアこっちにきいや」
「お兄様」
「大丈夫や、ルイスは死にやせん」
「私のせいで」
「ミアのせいやない
戦争は、怪我するもんや」
「うん」
「ほな、ミアも落ち着き」
--その頃リアムたちは
「大丈夫なのか 」
「まだ、そんなこと言ってるんですか?」
「だってそうだろ」
「やると決めたんですからやりますよ」
「そりゃ、やるけどさ」
「不安なんですか?」
「まぁ、うん」
「でも、もっと不安なのはルイスさんの方だと
思いますよ僕は」
「……」
「いつまで、そうしてるんですか」
「いつまでって」
「そうやって、悩んでるから
こうなってるんじゃないですか
早く行動した方がいいでしょ」
「だとしても、死んでしまったら」
「リアムさんの言っていることも分かります
でも、僕は」
「お嬢様が私を守りたいという
気持ちは凄く嬉しいですけど、私は」
「ルイスさんとの約束を」
「お嬢様のことを」
「絶対に守りたいんです」
シャルロット家で初めてなのでしょうか
ちゃんとした後書きを書くのは
100話目いったのでね書こうと思いまして
まさかシャルロット家がこんなに話になるとは
最初の私は、思いもしなかったでしょう
感動してくれるかな〜と思いながら書きつつ
これ一応コメディなのでね面白いところも
作らないとと思っています
何話まで、続くのか分かりませんが
100話目から見た方も
途中の話から見てくれた方も
最初から見てくれている方も(いたら嬉しいです)
読んでくださり本当にありがとうございます
アクセスのところを見る度に数字が大きいと
ひとりで喜んでいます
100いった時は心の中で叫んでいますw




