10話目 お嬢様の兄が登場!
カッコがない文はルイスの心の声です
1話1話短編です
隙間時間にもおすすめです
今日は、来客があるので
朝から屋敷内はドタバタしています
正直、私は来て欲しくないのですが
そんなこと言ってはいけないので
心の中に留めておきます
ちなみに、使用人全員同じ気持ちです
「アレン、食器を持って行って」
「わかりました!」
「マリア様ー、このツボはどうしましょう」
「なんでそんなものがあるの?」
「分かりません」
「あぁ、それご主人様が買ったものですよ」
「あらそうなの?
でも、なんで調理人のあなたが知ってるの?」
「ちょっと盗み聞きしたもので」
「全く何やってるだよ」
「アラン様もやりましょうよ」
「僕は、やらない」
「楽しいのにもったいないですよ」
「そしたら、これはどこかに置いとこうね」
「僕やっときますよ」
「ありがとう」
「お嬢様、準備はできてますか?」
「バッチリよ!」
「あとは、待つだけです」
「ねぇ、ルイス」
「どうしました?」
「嫌な予感しないかしら?」
「嫌な予感ですか?」
「えぇ」
「やぁやぁやぁ、みなさんどうもこんにちは」
「え?」
「マリア様この声は?」
「もしかしたら、来たのかも」
「パリーン!シュタ!
この俺こそがミアの兄ルーカスや!」
……どこから入ってきてるんですか!?
おっと、声が出そうになった
お嬢様もマリアたちも呆然としてるじゃん
何が、パリーン!シュタ!だよ
自分で効果音言ってるし
「ル、ルーカス様こんにちは」
「おや?君は」
「私は、執事のルイスと申します」
「あぁ、君か話は聞いているよ」
「ありがとうございます」
「それで、君はミアのことが好きなんか?」
「え?」
「まぁ、どっちでもええか
ミアは、俺のもんやからな」
「は、はぁ」
「誰にも渡さへんぞ」
何言ってるのこの人……
周りに沢山女子たちがいるのに
一途なのかそうじゃないのか分からない人だ
……それにしても、いつ見ても輝いてるな
光を全身に纏ってるみたい
そういえば、ルーカスって名前は
光を運ぶものって意味だったな
この人にピッタリの名前だ
と、そんなこと考えていたら
ルーカス様が何か言っている
「改めて、どうやった?ええやろこの出迎え
……あ、ちゃうかー俺が迎えられる方かぁ
そっちが迎える方かぁハッハッハぁ」
今、この場がものすごく凍りついたことを
この方は気づいておられるのだろうか
いや、気づいていない
気づくはずもないですね……はい
「お、お兄様お久しぶりです」
「おぉ、ミア!久しぶりやな元気にしてか?」
「はい」
「今日は、よろしゅうな」
こうして、ルーカス様に振り回される
1日が始まった
おまけ
【修理費】
「あ、ルイスこれ渡しとくわ」
「なんですか?」
「屋根の修理費や」
「あ、ありがとうございます」
ちゃんとわかってたんだ