第一話 雨の日の出会い
初めての投稿なので読みづらいかもしれませんが、読んで頂けたなら幸いです。
雨の降るあの日、私は、白い犬を拾った。
その日、雨の中、私は部活を終えて学校から帰っていた。学校から家まではそんなに遠くはない為、私は、ちょっと遠回りをして帰る事にした。 私が、ゆっくり考え事をしながら歩いていると、前から白い犬が歩いてきた。私は、犬が嫌いだった為、こっちに来ないよう祈っていると、白い犬は、道路の反対に渡りたかったのか、急に道路へ飛び出してしまった。その瞬間、私は、とっさに「危ない」と思わず言ったがすでに遅く、白い犬はトラックに轢かれてしまった。
私は、どうしていいか分からないまま、引かれてしまった白い犬のところへ駆け寄っていた。
白い犬は、ぐったりとしていて綺麗な白い毛並みが、次第に血のせいで紅く染まっていっていた。 私は、その場から離れられなかった。今にも、命がつきそうな白い犬を目の前にして帰る気にはなれなかった。白い犬は苦しそうな瞳で、私を見ていた。「助けて」と言っているような気がして 私はとっさに携帯電話を取り出して家にかけた。 「はい、羽山ですが」 「お母さん、私だけど、お願い早く楠木通りへ来て。早くしないとあの子が死んじゃう」と私は泣きながら言った。
「どうしたの聖良? 何があったの?」
「説明は後でするから早く来て」
と私は、言って電話を切った。
しばらくすると母が、楠木通りでしゃがみこんでいる私のとこにやって来た。
「聖良? どうしたの? しゃがみこんで」と言われて私は、母に事の次第を説明した。
「私、この子の事助けたいの。お母さん、一緒に病院へついて来て」と母に言うと、母は少し困った顔をしていたが、私が言い出したら聞かない性格の事を知っている為、母は仕方なく病院へついて行く事を承諾してくれた。
駅前通りの小さな動物病院だが、腕がいいと評判の神岸動物病院へ着いてすぐ、神岸先生に状況を説明した。「すぐに手術します。命の保証は出来ませんが、手をつくします」と言われ、私と母は待合室に案内された。 手術開始から二時間後、神岸先生に呼ばれて行くと、私の目の前にまだ、麻酔が覚めてないが、しっかりと呼吸をしている白い犬を見て安堵した。「手術は成功しましたが、後ろ足に麻痺が残ってしまいました。背骨も折れていて、もしかすると一生歩けないかもしれません。このまま安楽死の方法もあるのですが、どうしますか?」と言われ私は、もし、歩けなくなっても命が助かったのに安楽死なんて嫌だと思い「命が助かったです。安楽死はさせたくない。責任を持って私がこの子を引き取ります」と言って白い犬に近づき頭を撫でた。 すると母が、「聖良? あなたは犬が嫌いじゃなかったの?」
「だって、ほっとけないじゃない! せっかく助かった命だし。私がちゃんと面倒見るから」
「じゃ、仕方ないわね。この子が退院する時に迎えに来ましょう」と母が言った。私は、白い犬の寝顔を見つめて病院を後にした。
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