呪い、或いは。
「ねぇ、××。きっと来世は幸せになれるから。」
そう言って空を背に泣き笑う君は、とても美しかった。
その後一歩を、僕は、僕だけは引き留められた筈なのに。
「今はね、前世の過ちを償っているだけなの。」
そんな君のお決まりのなんて事のない世間話が、今世で最大の幸せな時間だったのに。
いつも肝心な事は話さずに濁して、隠しているんだ。
「どうか、どうか許して下さい。」
そんな呟きが、耳に残って離れない。
どれだけ探しても君はもうどこにも居ないのに、来世を期待して忘れられずにいるんだ。
君の影を追ってしまうんだ。