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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

企画参加作品

ぺこりんぺこりんおいしい

作者: 山本大介

 繋いで紡いでみました。


 悔しくて涙が止まらない。

「・・・・・・」

 無情だ。

 人生ってヤツは。

 わずかしか、生きてないけどそう思う。

 こんなにも一生懸命やってきたのに。

 キャプテンになって。

 今年も今年こそと。

 頑張って、頑張ってやってきたのに。


 中学バスケ地区大会の初戦。

 私はキャプテンに抜擢されていた。

 必ずしも一致団結してないチームを鼓舞して、ここまで作り上げてきた自負がある。

 だから、負けない。

 負けるはずがない。

 勝つ。

 勝つしかないんだ。

 だけど・・・。

 身体が重い。

 息があがる。

 パスが繋がらない。

 みんなが勝手にやっている。

 どうしよう。

 どうする?

 何度も練習してきた3Pシュート決まらない。

 相手が面白いように得点を重ねる。

 点差がどんどん離れる。

 このままじゃいけない。

 負けちゃう。

 先輩たちが築き上げた歴史を・・・。

 こんな惨めに、絶対、嫌っ!

 浮足立つなっ!

 でも・・・。

 ファウルを繰り返す。

 みんなの冷たい視線。

 こうじゃない。

 こんなんじゃない。

 私の描いた大会はっ!

 先生(監督)待って。

 私は出来る。

 出来るの!

 ベンチで頭を冷やせって・・・。

 このまま。

 これで。

 試合は終わるの。

 諦めたら終わり。

 諦めない。

 みんなを励ます。

 声の限り叫ぶんだ。


 だけど・・・。

 負けた。

  負けてしまった。

 どうして。

 みんなの冷たい視線が私に注ぐ。

 私のせいじゃない。

 私はがんばった。

 誰よりも。

 あんたたちよりも。

 私は膝をついて泣き崩れた。

 ぽんと先生が肩を叩く。

「お疲れ様」

 なんだそれ。

 虚しいよ。


 みんなの輪から外れ一人帰る。

 夕暮れの空を見て、また泣いた。


 自宅に戻ると、布団にくるまって、また泣いた。

 いつのまにか寝ていたら、鼻がツンとして起きた。

 ごしごし袖で涙を拭いた。


 夕食の時間。

「ごはんよ~」

「うん、ちょっと待ってね」

 重い気持ちを奮い立たせる、親には心配かけたくない。

 赤い目をこする。

 食卓には母の手作りハンバーグ。

 正直、食べる気がしない。

「いただきます」

「はい」

 何も聞かない母の優しい声、

 ぱくり。

 ぱくり。

 おいしい。

 おいしい。

 やだ。

 また、涙が。

「ふえっ」

 声にでる恥ずかしい。

「お疲れ様」

 母の言葉が胸に刺さる。

 ぱくり。

 ぱくっ。

 ぱくっ。

 やだ、涙腺崩壊しそう。

 なんで、今日に限ってお母さんのつくったハンバーグが一番おいしいの。

 震える肩が止まらない。

 涙が止めどなく溢れてくる。

「うぇーん!」

 あたたかい気持ちが込み上げ、心が軽やかになる。

 ぽかぽかする。

 泣いちゃえ。

 泣け。

 泣こう。

 泣いていいんだ。

「真理」

 そっと、私の頭を撫でるお母さんの手。

 おいしい、おいしい。

 ありがとう。



かなり短いお話になったな~物足りないよな~よっしゃ、解説書つきにするでござる。


むむむ、ぺこりん・・・ぺこりん・・・。

いざお題と向き合う私は、しばらく沈思黙考いたしました。

・・・・・・。

・・・・・・。

前回はかなり個人的趣向に走ってたからな~今回は入り込みやすい話にしたいな。

王道かそれとも・・・。

やっぱ変化球でしょ(笑)。

泣きながらの食事もアリだ。

心があたたまる。

ほっこりと。

前向きな。

そっか、これだ、これでいこう。

しかし、どうする?

私「スラダン」の映画を観まして、アツくなりました。

んで、バスケのお話が書きたいなあと思いました。

けど、けどね~ワシ、バスケのルール知らんし・・・ニワカやし・・・(笑)。

ふと、思いだしました。

母から聞いた妹の話です。

彼女が部活のキャプテンをしていた頃の苦悩、本人から直接聞いた訳ではありません。

だけど、私の頭に鮮明に母から聞いた話がありました。

これ書いてみよう。

そして、ぺこりんおよびあったかほっこりを創作で繋げて・・・。

よっしゃあ、いいじゃん。

あ、あの話も繋げよう(ここは私自身の自己満足、笑)、これはよきかな、よきかな。

ちーと話が短かすぎか・・・いや、あまり書きすぎるときっとよくないような、うん、これでよろうもん、よかよか。

と、繋ぎ紡いだという拙作であります(笑)。

かなり、斜め上をいったかなあと思いつつも、それなりに書けたかなと、ひとりほくそ笑む私なのです(笑)。

へっ意外とありがち・・・ん、もう、いけずう~(笑)。


タイトルはベタでいこうか・・・ぺこりんお腹が減っているのと、悔しい思いという申し訳ない謝りたいのぺこりんとおいしいで、「ぺこりんぺこりんおいしい」でいこー。

じゃ、ヒューマンドラマでっ・・・て意外とこのジャンル参加者のみなさん多そうだな・・拙作、結構淡々と書いてるな・・・詩でいけるか、よし、いけるよね、ってな感じでジャンルは詩としました(笑)。


拙作は「ぺこりんグルメ祭」の参加作品です。

企画運営は知さんでございます、お疲れ様です。

日常も忙しいと思われる中、頭が下がる思いです、マジ祭り開催するバイタリティ凄いです。

尊敬するっす。

チョベリグっす(笑)。

そしてありがとうございます!

ワッショイ、ワッショイ!

さあてと、今年も祭りを楽しむとしますか~!


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― 新着の感想 ―
[良い点] キャプテンだしと気負ってむしろ浮いてしまったのかなとか、あまり熱量のないチームだったのかなとか、本編へ至るまでの経緯を勝手に想像して真理の心情に思いを馳せてしまいます。 千文字程のお話なの…
[一言] おいしい物、特に気持ちのこもった料理は、心を開いてくれますよね。食べることは生きること、ですね。まったく同じ状況ではないですが「こういう思い出があった!」とうなずいておりました。ごちそうさま…
[良い点] この可愛らしいタイトルでまさかウルウルさせられるとは思いませんでしたー! 短くシンプルに描かれる場面場面。 でも状況、心情がすごくよくハマっていて、自然に涙腺が緩みました。 悔しいよねえ。…
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