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隣人が魔物に喰われる世界観の暮らし ~異世界と融合した時代を気ままに生きるだけ~  作者: 結城 からく


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第39話 新たな魔物

 商店街には陰鬱が漂う。

 血みどろの建物が立ち並び、足元はぬめる時がある。

 戦闘の際は注意しなければいけない。


 両手に持つのはどちらも刃物だ。

 咄嗟の場合は銃より強い。

 使い潰したところで惜しくないというのも利点だった。

 予備の刃物も持参している。


 もちろん拳銃も所持している。

 時と場合によって使い分けるつもりだ。

 早撃ちの練習も自宅でやっている。


 まずは手前の靴屋に踏み込む。

 値引きされたスニーカーや革靴が並べられていた。

 雑然とした店の奥には、店員らしき死体が倒れている。

 仰向けになった死体の喉と顔面が派手に食い千切られていた。

 床は血だらけで死体には蠅がたかっている。


 死体を避けてさらに奥へと進むと、破壊されたレジを発見した。

 中にあったはずの金銭が盗まれている。


 この世情で金を集めることに意味があるのだろうか。

 秩序など崩壊しているというのに。


 疑問に思いながらも店内を探索する。

 現在は無人で、何の気配も感じない。

 二階は店主の生活スペースとなっていた。


 特にめぼしい物は見つからないので、新品の運動靴だけ貰っておくことにした。

 有名なスポーツメーカーのものを選ぶ。

 試しに履いてサイズを確かめてから店を出た。


 次に向かい側の八百屋へと向かう。

 そして、すぐに足を止める。


 店の天井に巨大な青い蜘蛛が張り付いていた。

 蜘蛛がいきなり糸を飛ばしてくる。


 咄嗟に回避を試みるも、右腕に糸が絡んでしまった。

 垂れた糸の端が地面に接着する。

 引っ張ってみるが、ゴムのように伸びて千切れない。

 糸は特殊な成分で構成されているらしい。


 無事な手に握るサバイバルナイフで切断しようとする。

 しかし、その前に蜘蛛が跳びかかってきた。


 無理な体勢で圧し掛かられたせいで、拘束された腕が捩れて曲がる。

 おそらく骨折した。

 猛烈な痛みに顔を顰めるも、実際はそれどころではない。


 蜘蛛が鋭い顎を開閉しながら噛み付こうとしていた。

 その顔面にサバイバルナイフを突き立てて、鬼系統の怪力で強引に引き裂く。


 蜘蛛が仰け反って退いたのを見計らって立ち上がった。

 そこからサバイバルナイフを捨てて拳銃を発砲する。


 六発の銃弾はすべて蜘蛛に命中した。

 蜘蛛は体液を散らしながら崩れ落ちる。

 そのまま起き上がってくることはなかった。

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