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隣人が魔物に喰われる世界観の暮らし ~異世界と融合した時代を気ままに生きるだけ~  作者: 結城 からく


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第31話 反省点

 応急処置を済ませたところで、衣服を脱いで裸になる。

 高熱でへばり付いたジャージを破りながら剥がした。

 火傷を負った肌が露わとなる。


 皮膚が爛れて血が滲んでいる。

 思ったより酷くない。

 狼の炎が燃え移っていたら、もっと悲惨な状態になっていただろう。


 救急箱に入っていた軟膏を塗り込んでいく。

 どこまで効くか不明だが、やらないよりは良いはずだ。


 軟膏を塗り終えた後、和室のタンスを漁る。

 Tシャツとジーンズを引っ張り出して身に着けた。


 シャツの前面には、有名なアニメキャラクターがプリントされていた。

 ただ、肝心のプリントは掠れて分かりづらい。

 家主が気に入っていて、こうなるまで着続けたのだろう。


 別の部屋からコートを盗んだ。

 ポケットがたくさんある革のコートである。

 武器を仕込ませやすい構造が気に入った。


 ここまで何度も戦ってきた経験上、咄嗟に使えない武器は荷物でしかないことが判明した。

 モンスターに襲われる最中、リュックサックから掴み出す暇はない。

 かと言って、ズボンのポケットだけでは限界があるのだ。


 先ほどの戦いを振り返ると、銃も過信できない。

 素早い動きを得意とする相手だと、上手く命中させられない時がある。

 押し倒された後、出刃包丁がなければ危なかった。


 加えて銃には弾切れや弾詰まりのリスクも付きまとう。

 それにオーガのように硬い皮膚を持つモンスターには効果が薄い場合が多い。

 変容で獲得した身体能力を加味すると、近接武器の方が高威力な気がした。


 特に刃物だ。

 組み付かれた場合でも、急所を刺せば有効である。

 半ば使い潰すような扱いになるが、そこは数を揃えて解決すればいい。


 民家を回ることで、いくらでも調達できる。

 スーパーやホームセンターなら、一気にまとまった量を確保できるだろう。

 ただ、他の生存者と遭遇する可能性も高い。

 やはり地道に民家を探索するのがベストだと思う。


 出発の準備を整えつつ、無人の室内で小休憩をとった。

 音量を落としてテレビを視聴しつつ、冷蔵庫で見つけた刺身のパックと缶ビールを味わう。

 刺身の消費期限は明日だったのでギリギリだ。


 そろそろ保存の利く物しか食べられなくなるのではないか。

 生鮮食品が腐ってくる頃だ。

 いずれ文明的な食事はできなくなってしまうのかもしれない。


 もっとも、それまで生き延びているかも分からないのだ。

 今は何も考えずに食事を満喫しようと思う。

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