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隣人が魔物に喰われる世界観の暮らし ~異世界と融合した時代を気ままに生きるだけ~  作者: 結城 からく


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第18話 新たな変容

 翌日、歯磨きをしている時にある発見をした。

 何本かの歯が妙にぐらついている。

 うがいをすると、それらの歯が転がり落ちた。

 歯を拾ってティッシュに丸めて保管する。


 少し驚くも、なんとなく予想はしていたので動揺まではしない。

 数日前、オークに滅多打ちにされたのだ。

 傷は治ったと思っていたが、歯のダメージは消えていなかったのだろう。

 だから折れてしまったに違いない。


 ところが、じっくりと観察するうちに解釈が間違っていたことに気付く。

 歯は折れたのではなく、根元から取れていた。

 そして無くなった箇所からは、新たな歯が覗いている。


 いや、それを歯と呼ぶべきかは怪しい。

 先端が尖っている。

 まるで肉食獣の牙だった。


 おそらくは変容が進行したのだ。

 昨日はマンション全域を探索して、ゴブリンやオークや人間をそれなりに殺した。

 その経験が一定水準に達したので、肉体が変容を起こしたのだ。

 ゲームで言えばレベルアップである。


 身体能力もさらに向上した感覚があった。

 今度の探索も楽になりそうだ。


 牙の生えた人間になってしまったが、別に悲壮感はない。

 既に受け入れつつある。

 些細な変化に過ぎないからだ。

 ネットによれば、もっと劇的な変容を遂げた人間も少なくないらしい。

 これくらいなら勘定に入らない程度だろう。


 ちなみにネットでは、いくつかのサイトでモンスターの種類や特徴等がまとめて掲載され始めていた。

 目的は様々だ。

 主に生存するための情報源にしてほしいという旨で作成したという。


 生き残った人々は、互いに協力している。

 この極限状態を切り抜けようと試みていた。

 正直な気持ちで言うと他人事だが、そういった行為を偽善と断ずるつもりもない。


 仲良くできる誰かがいるのは良いことだ。

 地道な努力が命を救うことになるなら、これほど素晴らしいことはないと思う。

 未だにニュースを流し続けているテレビ局の人間も、職務を通して助けになりたいと考えているのだろう。


 案外、世界は優しさに満ちているのかもしれない。

 そう思うと同時に、自分の醜さを感じてしまった。


 余談だが、ゴブリンやオークは鬼系統にカテゴライズされるらしい。

 だからその影響で牙が生えてきたのだろう。

 このままだと角が生えてくるまで時間の問題かもしれない。

 それはそれで面白いと思った。

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