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プロローグ☆異端児

プロローグ☆異端児


若い連中が、街角でだべっていた。

「おい、あれ…」

向こうから一人の少年が歩いてくる。名前はアスラン。この近辺で彼を知らない者はいなかった。

「あー、なんか、空気が悪いぜ」

「ほんとほんと」

「河岸を変えようや」

みんな腰を浮かして、アスランを避けるように立ち去った。

「あ、ああ。またか…」

少年はしょんぼりして、それからすぐ立ち直ると、そばのコンビニに入ってフランクフルトとコーラを買った。

「独りで食っても、うまいもんはうまい!」

にかっ。いたずらっぽく笑う。

本当に、ごく普通の少年だった。


しかし、1ヶ月前。ここいらを牛耳ってる輩に目をつけられてカモにされそうになったとき、彼の能力は開花した。

額に第三の目が開眼して、あらゆるものを彼の前にひれ伏させたのだ。

それ以後、みんな妙によそよそしくて冷たかった。


「アスラン。もし輸血が必要な事態になっても、他の誰からも血をもらっちゃいけないし、与えてもいけません」

彼の母親は小さい頃からそう言ってきかせた。

「なんで?宗教上の戒律とか?」

「そんなのじゃなくて、あなたは他の人たちと違うの」

「指は5本あるよ」

「遺伝子の染色体が違うのよ。もちろん、あなただけじゃなく、他にもそういう人が稀にいますけどね。血液型も珍しいから、他と互換性がないの」

「つまんない」

「そう?いい子ね。ホットケーキ焼いたげる」

いつも彼の母親はとても優しかった。

よくよく考えれば、アスランの母親からの遺伝なのだ。アスランの母親も幼い頃から異端児として生きてきたのだ。彼女はただ優しいだけじゃなく、逞しかった。

差別しようとする人物には、その矮小な人格に見合った仕返しがなされた。

誰もこの母子に手出しはできなかった。

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