7話:田園調布の上客攻略1
その後、また日本でゴルフをしようと誘われ、池田が喜んでお供しますと、笑いながら答えた。最後に鍋島家を訪ねて、鍋島恒夫さんが
「池田君に、あんなにゴルフがうまくなってくれ、教えたかいあった」と喜んでくれた。来春に伊豆に行ってゴルフしようと言われ、喜んで、お供しますと答えた。やがて12月になり、1997年を迎えた。1997年も、真っ先に上得意の鍋島家、泉家を訪問し、新年の挨拶をして、続いて、野田さん、池上家、池辺家に行き、新年のあいさつ回りをして回った。
3月になり4月の生命保険の更新時期に、我が社への変更をしてくれると言った先を訪問し、再度、確認をして回った。4月10日に12軒、変更すると言われたうち、10軒が、新たに、我が社の生命保険に切り返してくれ、切り替え先が、全て大口先だったので、世田谷営業所の業績は、大きく伸びる結果となった。変更先してくれた、得意先に、お礼の品を持って、挨拶に言き、その後も、鍋島さんとゴルフの付き合いを継続した。
次に、新しい顧客の池上夫妻、池辺夫妻を回り、奥さん達の交友関係が広いことがわかりテニス大会に商品を提供したりして、友達の輪を利用して10人の新規の、お客さんの家を紹介してもらい、訪問した。そこでも、保険の切替えの話ができて、仲良くなると、私たちのテニススクールに入りなさいと言われ、参加して、より親密な付き合いができるようなり、ビジネスチャンスも増えた。
世の中は、奥様達の力が強く、また、奥様達のサークルは最高の市場で、その後、テニス合宿に河口湖まで、ハイエースのレンタカーを借り、送迎したりして、しっかり、付き合いを続けた。やがて、冬になると、今度は南国のグアムで、テニスとゴルフ旅行に誘われ、3泊4日で出かけて奥様方に付き合って送迎の運転手になったり、ポーターになったりして、誠心誠意、尽くした。すると年が明けた1998年の春に、13軒の新規先ができた。
池田は、営業所の営業マンに、自分の様に攻めのセールスで、他社からの切り替えを積極的にすすめ、交際費がかかっても業績を上げろと、営業会議でハッパをかけ続け、世田谷営業所の業績が上昇して、過去最高の業績を越えるのが射程圏内に入った。やがて1998年も冬を迎え、またグアムへの、お誘いがあり、今回新しく5人の若いマダムが世田谷テニスクラブの仲間入りしたそうで、羽振りの良い、芸能人、スポーツ選手の奥さん達、総勢12人となり、部下の35歳、独身の真田課長に、同行をお願いした。
2人で大型のバンを借りて、テニスコート、ゴルフ場、レストラン、観光名所を案内した。 今回は、ゴルフやテニスの競技には、参加せず、黒子に徹して、テニスコート、ゴルフ場への連絡、送迎など、マダム達の要望にできる限り答え、大きな問題もなく、3泊4日の旅行を終えた。