3話:接待での商談成立
「来月の釣りの会を楽しみにしてる、君が本当に僕の福の神かどうか試してやる」と吉本営業部長が笑いながら池田に言った。その釣りの日がやってきて意気込んで釣り船の乗り場に20分前に到着。餌と餌箱を十分に用意して待っていると、続々と釣り同好会の人達が現れ、吉本部長がやってきた。全員が集まった後、幹事の吉本部長が全員を前に挨拶して注意事項を話した。今日は
「今井社長の福の神の池田君が手伝いに来たので大漁間違いない」と思うが
「怪我しないように十分注意して、釣りを楽しんでくれ」と告げた。
総勢14名が船に乗り込んだ。今日の船長も以前、真鯛を釣った時と同じ船長で、宜しく、お願いしますと挨拶すると、鯛が釣れた漁場へ行こうといった。20-30分で到着して、既に、餌箱を用意した池田が、皆さん、餌が必要な人は言って下さい、私が、お持ちしますというと、頂戴と数人が言うので、渡して回った。各人が、釣り糸を投入し、10分後、魚が、かかったという人が現れた。大きめのマアジが、次々に、釣れ始めた。20分経って、いろんな種類の魚も釣れだした。
すると、「今日は、最先良いなーと吉本部長が言った」。
その頃、池田は、今井社長について餌をせっせとつけていた。すると、
「初のあたりがきて、きたー」と言った。引きが強い、大きいぞと言いながら笑顔を浮かべていた。15分、魚と格闘して、上がって来たのが、型の良い30cmのアコウダイだった。すると、
「アコウダイでも鯛には違いない。やっぱりお前さんは、福の神だな」と、握手してくれた。
続いて、吉本部長には、なぜかマアジばかり次々にかかった。苦笑いしながら、
「僕だけでは食べきれないので、池田君に持って行ってもらおう」と言い、
「俺も社長みたいに鯛が釣れたらなー」と、ため息をついた。その後、山根課長が穴子を釣り上げ、「今井社長が山根君は個性的だから、面白い魚がかかる」と笑った。しかし、山根課長は、
「僕は、穴子大好きだから、うれしい」と笑った。次に木下係長が
「イシモチを釣り、塩焼きが旨いだよと今晩の晩酌が楽しみだ」と喜んだ。
マアジとアマダイ、アイゴなどを次々に釣り上げた。昼食後、日が落ち始め、残り30分となった時、「今井社長が、突然、大きいのがきたーと叫んだ」。
ひきが強く20分格闘し魚が見えた時、「あれ、大きいクロダイじゃないか」と吉本部長が言うと、船長がすごいねと言った。今日はアジが多く釣果は良かった様で吉本部長が「君は本当に福の神かも知れませんね」と言い、今度、飲み会があるんだが来いよと誘われた。
池田が「喜んでと参加します」と言った。帰り際に、今井社長が、
「今日も、ありがとう」と礼を言われ、
「山根課長が新人担当の人事課長だから保険を売るなら彼に入り込め」と耳元でささやいてくれた。
「貴重な情報ありがとうございます」と答え、笑った、すると、今井社長が、
「ギブアンドテイクだ」と肩をたたいた。