第22話 探し物は魔物ですか?(5)
「あら?お客さんでしたの?こんばんは」
キヨが能天気にベトールを見て言った。
翔太も、ベトールを見て「こんばんは」と、軽く頭を下げ、引きつった笑みを浮かべる。
(アリサちゃんの知り合いのレイヤーさんって……男だったのか。で、でも、ただのお客さん、だよね……?)
引きつった顔の翔太に、類はあきらめたような顔をして、傘を差し出した。
「翔太、傘……」
「あ、ありがとうございます」
翔太は傘を受け取ると、気を取り直し、アリサを見て言った。
「アリサちゃん、じゃあまた、来週の同じ時間に補充にくるから……」
「え?あ、はい……」
アリサは苦笑いをした。
「翔太、行くぞ……」
類はそう言って翔太を誘導するように、組子障子の戸側からはスチール棚の影になる、ガラスドア前に移動した。
そしてドアを開ける。
ドアの上部に付けられたドアベルが、カラコロと鳴る。
幾分雨足の弱まった五番通りは、街並みの明かりが濡れた路面に反射し、時折通る自転車が小さく水しぶきを上げている。
翔太が傘をさして言う。
「先輩、あのレイヤーさんって、アリサちゃんのどういう知り合いなんですか?」
「どういう……」
「大学生くらい?この辺の人なんですか?」
「さぁ。……学生じゃないとは思うけど、俺も詳しく知らないから」
類は、店先から店の中をうかがうように、ガラスドアを見て言った。
「そ、そうなんですね……」
「気になるのか?」
「い、いえ……」
翔太は、空いている方の手を軽く振った。
「雨、小降りになって良かったな」
類が空を見上げて言う。
「そ、そうですね……。じゃ、先輩、また来週きますので」
翔太はそう言うと、類に軽く頭を下げた。
「うん。翔太、データありがとな。また何かあったら聞くかもしれないから、そん時はよろしく」
「はい」
そして翔太は肩にかけた大きなカバンを濡れないように抱え、五番通りを駅の方に歩いて行った。
翔太を見送り、店の中に戻る。
カラコロとドアベルが鳴る。
その音に、店の奥からアリサが言った。
「あ、ルイ兄、そっち側、もう閉店にしておいて」
「あ?うん」
類はガラスドアに掛けられたプレートを裏返すと、内側から鍵をかけた。
そして薄暗い店内をカウンター前に進み、店の中を見回す。
アリサが組子障子の戸を外している。
そこにベトールの姿はない。
「ベトールさん、帰ったんだ……」
類がアリサの様子を見て言う。
「うん。帰っちゃった」
アリサが少し残念そうに答えた。
「あぁ、そうだ、類」
カウンターで、日計表を書いていた茂が、老眼鏡越しに類を見て言った。
「うん?」
「その……、“ルイちゃん”の方なんだけどよ……」
そう言って気まずそうに頭を掻く。
「どうかしたの?」
類は首をかしげた。
アリサがレジカウンターに頬杖をついて言った。
「ベトールさんからさ、誰が拾ったのかとか、板はどこにあったのかとか、結構いろいろ聞かれちゃって……」
「うん?」
「そ、それでな、“ルイちゃん”の話をしたんだ」
茂は老眼鏡を外して言った。
「まぁ、別にいいんじゃない?“ルイ”が拾ったことに間違いないんだし」
「そ、そうなんだけどよ……」
茂はそう言って言葉尻を濁す。
アリサが疲れた顔をして言った。
「それがさ、お父さん、“ルイちゃん”のこと、適当な設定にしちゃったんだよね」
「え?どういうこと?」
類は訝しげな顔をして言った。
「べ、ベトールさんが、いろいろ聞くもんだからよ、つい……。ま、まあ。嘘も方便っていうだろ?ガハハ」
アリサがあきれた顔で茂を見た。そして類に向き直って言う。
「“ルイちゃん”は、“カロ屋”に、魔物の素材を持ってくる“魔物ハンター”ってことになったから、よろしく」
類は驚いた顔して、焦ったように言った。
「な、なんだよ、それ!?お、俺が魔物ハンター?……何でだよ」
「いいじゃねーか。現に昨日も、魔物の素材を持ってきただろ?ガハハ」
「そ、そうだけどさ……」
類は顔を引きつらせた。
「ねぇ、ルイ兄。ベトールさんと前にも会ったことがあるの?」
アリサが少し不思議そうな顔をして言った。
「ん?……あぁ。森の中で……――」
類は、ベトールとディルメイに会った時のことを思い出した。それと同時に、干からびた魔物と、魔物の木の実を持ち帰ったことも思い出した。
(あぁ……、確かに俺、“魔物ハンター”みたいなことやってるかも)
そして苦笑いをして言った。
「――木の実の魔物を探していたときに会ったな……」
「ふーん……」
アリサが不審そうな顔をする。
「な、なんだよ……」
「別に……」
アリサはそう言うと、カウンターを回り込んで類の横を通り過ぎ、休憩室のドアの前に立った。そして類を振り向いて言う。
「じゃ、アタシは先に戻るから。あぁ、ルイ兄。お母さんが、夕飯食べていってってさ」
「うん。わかった。ありがと」
アリサはそのまま、休憩室の奥に入っていった。
――その日の深夜
類は、メイン画面の中に佇むコウモリダンゴのモデリングデータを見ていた。
「うーん……。こいつを紋様に触れさせたら、同じように実体化するのか?(でも、俺がモデリングしたわけじゃないからな)」
サブモニタの前で、ミヤビが時代劇の動画サイトを真剣なまなざしで見ている。
類は、あきれたようにミヤビに言った。
「そっちの画面も使うから、そろそろ動画止めてもいいか?」
「と、殿。少々お待ちを。今、良いところゆえ……」
ミヤビは画面を見つめたまま、振り向きもせず答えた。
「うーん……」
類はその様子に少し困ったように頭を掻いた。
そして、メインモニタに佇むコウモリダンゴをじっと見る。
(腕の位置だけずらせば、完全に木の実の魔物なんだよな……)
類はマウスを操作し、コウモリダンゴの腕の位置を、ウスペンスキーと同じ場所に動かした。
「うん。やっぱりそっくりだ……。というかほぼ一緒だよな」
そして、腕の位置をずらした方のデータを別名で保存する。
「うーん、“ウスペンスキー”って名前もわかりにくいからな。木の実の魔物だから、キノミダンゴ……、いや、キノミスキー……、なんか違うな」
類は椅子の背に深くもたれて、宙を見た。
「とりあえず、魔物化する実だから“マモノノミ”で良いか」
ファイル名に“mamonomi”と打ち込む。
「これでいいな。……あ?(マモノミになってる。まいっか)」
そして、コウモリダンゴと、マモノノミを並べて表示させる。
「殿、終わりました。どうぞお使いくださいませ」
ミヤビがサブモニタ前からゆっくり振り向き、類を見て言った。
「あ、うん。ミヤビ、ちょっと試したいことがあるから、こっち側に移動してくれないか?(もし実体化した場合、サブモニタから出てくるからな)」
類はそう言うと、右側にあるサイドデスクを指した。
「はは。わかりました」
ミヤビはキーボードを回り込んで、サブデスクに移動した。
類は、紋様のテクスチャを張り付けた壁を、コウモリダンゴとマモノノミの後ろに配置した。そして、まずはコウモリダンゴをその壁の紋様にくっつける。
「……どうかな?」
類は画面をじっと見つめた。
しかし、メイン画面に何の変化もない。
少し待ってみるが、壁紙の紋様もコウモリダンゴも、サブモニタにも一向に変化はない。
類はため息をついた。
「はぁ。やっぱ、俺がモデリングしたわけじゃないからな……」
そして、今度は画面内に佇むマモノノミを紋様に触れさせた。
やはり、同じように何の変化も示さない。
類はそれを見て、何か確信を得たように頷いた。
「少し手を加えた程度じゃ、実体化させる要素には至らないのか。……やっぱりね。モデリングした本人じゃないとダメなんだな。ということは、エルデのモデラーの誰かが異世界にコウモリダンゴを実体化させたってことになるだろ」
類は、パーカーのポケットから携帯電話を取り出した。
「(翔太の同期の大野とかいうやつなら、コウモリダンゴをモデリングしたのが誰なのかわかるはず……。もしかしたら、大野本人の可能性だってあるな。)うん。……翔太に、大野にそれとなく訊いてもらおう……」
類は携帯電話を操作し、翔太にメールを打った。
――日曜日
薄暗い『カロ屋』の店内。
音もなく、組子障子の戸の前に現れた“ルイ”を見て、作業台の前に座っていた茂が声をかけた。
「おう!おはよう。昨日はお疲れさん」
その言葉にルイは疲れたような顔をして言った。
「おはよう。叔父さんも、お疲れ様」
「いや、さっそくで悪いな!ガハハ」
茂はそう言うと立ち上がり、ルイの前に来た。
そして寄りかかるようにカウンターに腕を付く。
「まさかウスペンスキーの羽が、あんなに高額で取引されるとはよ!ガハハ、ぼろ儲けだぜ」
そう言ってニヤニヤと笑う。
その様子に、ルイは顔を引きつらせて言った。
「あのさ、魔物の実は夜にならないとウスペンスキーに変化しないわけだし、魔物の実自体も有限なんだよ。あと、どのくらい実っているのか、確認しに行くだけだからね」
「おう!わかってるって、ガハハ」
(ほんとかなぁ?)
ルイは顔をしかめた。
「それからよ、あと、なんて言ったっけ?熊?熊の魔物化したやつ」
「ヘリオベア?」
「そう!それだ!ヘリオベアは、爪と牙と、胆嚢が高額らしい。内臓はいらねーけどよ、爪と牙、それから皮はいろいろ加工しがいがありそうだ。取引用というよりも、素材として欲しいな!昼間の方が捕まえやすいらしいからよ、さっそくで悪いが、頼んだぞ!ルイ!」
茂はそう言うと、ルイの肩をポンと叩いた。
前日にギルドの取引所で聞いた、魔物の相場の話に、茂は浮かれていた。
(まったく、捕らぬ狸の皮算用だよ)
ルイは、大きくため息をついた。
組子障子の戸から異世界側に出て、一人、魔物の実のなる巨木のもとへと向かう。
「あーあ。もう、魔物の実はともかく、ヘリオベアなんてどこにいるんだよ」
面倒くさそうな顔をして、白いマントをなびかせ、木々の枝葉の上ギリギリを飛んで行く。
巨木の上に着くと、類は枝葉のすぐ下の高さに降下した。そして、実を確認しながら、その太い幹を回る。
青黒く大きな実と、緑色の未熟な小さな実がたくさん実っている。
「うーん、ざっと見ただけで、百個以上ありそうだな。……小さくて緑色の実は、まだ魔物化はしないんだろうな……」
ルイは、太い幹をもう一周すると、その根元に降りた。
そして辺りを見回す。
「ヘリオベア……。あの落とし物の資料には載ってたけど、実際には見たことないからな……。はぁ。地味に歩いて探すか……」
ルイは浮かない顔で、巨木のもとから森の中へと分け入った。
昼間でも薄暗い森の中は、行けども行けども似たような景色が広がる。
時折聞こえる不気味な鳥の声に、顔を引きつらせつつ、太い木々を観察しながら進んでゆく。
「ヘリオベアが大きな魔法でも使ってくれればな……。魔力を伝って探しやすいんだけど」
そう言って、乱れた長い髪の毛を直す。
深い森の中、少しひらけた場所に出る。
その中の、一本の大木に違和感を覚え近くに寄る。
「なんだ……?爪の後?」
ルイは、その大木の幹を見た。
視線よりもやや高い位置から、腰の高さの辺りまでにかけて、鋭い爪でひっかいたような跡がある。
「うーん(ヘリオベアの爪の跡?それともただの熊?)」
幹に手を当て、枝葉を見上げる。
「探し物は魔物ですか?」
不意に後ろから声がした。
「へっ!?」
ルイは慌てて振り返った。
「驚かせてすみません」
濃紺のマントを羽織ったベトールが、木々の切れ間に微笑んで立っていた。
グレー身を帯びたシャツに、濃い緑色のズボンを穿き、腰に短剣を差している。その後ろにナジの姿も見える。
「べ、ベトールさん……。な、なんでこんなところに?」
ルイは焦ったように聞いた。
「カロ屋さんから、ルイさんのことをお聞きしまして。もしかしたら、今日も森の中で魔物狩りをしているのかと思いまして」
そう言ってナジを制止させると、ルイの近くに来た。
「そ、そうなんだ……」
ルイは苦笑いをした。
ベトールは、ルイの後ろの爪痕の付いた大木を見た。
そしてその幹に触れ言う。
「これは、ヘリオベアではありませんね……」
「へ?そ、そうなんですか?」
ルイは少し驚きつつも、がっかりした表情を浮かべた。
「えぇ。ヘリオベアの爪跡は、もっと深く、そしてもっと上の方から付けられることが多いんです。それに、これにはヘリオベアの魔力の気配がないですからね」
そう言って、ほほ笑むようにルイを見つめる。
「あ……あは……、そうなんだ……」
ルイはベトールの視線に引きつった笑みを浮かべた。
ベトールが急に真剣な顔になる。
そしてまっすぐにルイを見つめて言う。
「ルイさん。私はあなたに会いたかった」
「へ?(ど、ど、ど、どういうこと?)」
その言葉に、ルイは内心ひどく動揺した。
「あなたは一体何者ですか?魔物ハンターとは仮の姿でしょう?あなたほどの魔法使いが、なぜ魔道士登録もせず、誰にも知られることなく、こんな人気の無い森の中に暮らしているんですか?」
ベトールのまっすぐな瞳がルイを見つめている。
「い、いや……その……(本当のことなんて言えるわけないだろ!絶対ド変態だと思われるわ!何とか誤魔化せ、俺……)」
ルイは困った顔でベトールから視線を外し、足元を見た。
そして思いつく限りの嘘を考える。
ルイの困惑した様子に、ベトールはハッとした顔をして半歩後ろに下がり言った。
「す、すみません。困らせるつもりでは……」
そして気まずそうな顔をする。
「いや、その、……お、俺のことは気にしないでくださいよ……」
そう言ってルイは左右に手を振った。
(とはいってもベトールさん、ルイのこと気になってるから、こんなところまで来たんだろうな。でも、どうして俺の居場所が分かったんだ……?)
ふと、ベトールの後ろで制止している白い犬、ナジに目が留まる。
(あぁ、あの犬か。森の中は魔力が乱れているから、大きい魔力でもないと探りようがないからな。でも犬なら匂いをたどれるのか……)
ベトールは少しの間、何か考えているようなそぶりを見せた。
そして、改めてルイを見て穏やかに言う。
「では、二、三、お聞きしてもよろしいですか?」
「え?あ、うん」
ルイは適当に返事をした。
「ルイさんはどこから来て、いつからこの森にいるのですか?」
その問いに、ルイは戸惑いの表情を浮かべた。
「えーっと、(どこから来てって言われてもな、思いつく言葉が)“コヒ森”かな?(それくらいしかねー!それにいつから?アバターに乗り移った日?でいいのか?)ひと月くらい前?」
ルイは適当に答えた。
ベトールは困惑した表情を浮かべた。
「すみません。“コヒ森”が、どこにあるのか知らなくて……」
(そりゃそうだ。実際にはそんな森ないし、バーチャルの世界も結局未完成で終わったもんな)
ルイは気まずそうに笑った。
「ところで、ルイさん。今日はどんな魔物を狙っているのですか?」
ベトールは、話題を切り替えるように言った。
「え、ああ。ヘリオベアを、と思ったんですが、なかなか出ないですね。もう少し森の中を見て回ろうと思っていますよ」
「そうなんですね。……あの、ルイさん」
ベトールはそう言うと、ルイをじっと見た。
「な、なんですか?」
ルイは焦ったように返事をした。
「ルイさんが今まで狩りをしてきた中で、魔物の中に、死体を残さずに消えるモノはいましたか?」
「え?死体が消える……?(そんなことあるのか?……と言っても、魔物ハンターは叔父さんの嘘っぱちで、実際にはウスペンスキーしか狩ったことがないからな……)そ、そういうのはちょっとわからないですね……」
ルイがそう答えると、ベトールは「そうですか」と言って、難しい顔をしてナジを見た。
ベトールが手を上げて合図を送ると、ナジがベトールの近くに寄ってきた。
「よしよし」
ベトールはそう言って、ナジの頭を撫でた。
(いいなー。デカワンコ。モッフモフじゃん。猫もいいけど、犬も可愛いよな……)
ルイはその様子を少し羨ましそうに見た。
――(ナジ、やはりルイさんは亜型を眷属に持つ魔王ではないね……)
――(ソウダナ。コイツガ、何者ナノカ、ヤハリ不明ダ)
――(うん。そうだね)
――(ダガ、カロ屋カラ、微カ二匂イガ続イテイタ)
――(カロ屋さんに行けば、ルイさんに会えるかもと思って来てみたけれど……。ちょうど良いタイミングだったのかもしれないね)
「ルイさん、お呼び留めして申し訳ありませんでした」
ベトールは微笑んでルイを見た。
「い、いえ……」
「もし、よろしければ、フーナプラーナの我々の詰所に遊びにいらしてください。当初の予定は二週間だったのですが、当面の間、詰所を置くことになりましたので。森の魔物の情報も、少しは教えることができますから、魔物狩りの役に立つと思いますよ」
ベトールはそう言うと、ズボンのベルトに付けていた小さなカバンから、名刺サイズの紙切れを取り出した。
「これは私の呪符通信登録紙です。お越しの際は、連絡していただけると助かります。魔物の調査で出ていることが多いもので……」
ベトールはそう言うと、その質の悪い紙切れをルイに差し出した。
「あ、(これ、前にアリサに渡してたやつじゃん)……ありがとうございます」
ルイは引きつった笑顔で紙切れを受け取った。そして続けて言う。
「何かあったら、連絡しますね。(……ベトールさん、やっぱ俺のこと魔物ハンターだと思ってるんだろうな)」
「よろしくお願いします」
ベトールはルイに笑顔を向けた。
ナジが不思議そうにじっとルイを見ている。
「……変ナ奴ダ」
(悪かったな。俺もそう思ってるよ)
ルイは苦笑いをした。
「ルイさん、ではまた、お会いしましょうね」
ベトールはそう言うと、ナジの背中に軽々と飛び乗った。
「え?あ?はい……(乗るんだ……)」
ルイはベトールのその様子を呆気に取られて見た。
「それでは」
ベトールはそう言うと、ナジに乗って森の中を颯爽と西に駆けていった。
その姿が、森の深い木々の間に見えなくなる。
残されたルイは、その場に呆然と立ち尽くした。
「……一体、なんだったんだ?ベトールさん」
ルイはベトールから渡された呪符通信紙を握りしめ、ベトールが去っていった森の奥を見つめた。




