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もっと黒巫女(わたし)は、カッコイイ?  作者: 傘流 正英
第一章
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第八話  神野家の朝ご飯

魔王が朝ご飯を作ります。た、食べられるのか?もしかして小夜ちゃんピンチ?

みなさんこんにちは。

私の名前は神野 美紀。

わたしの実家は高砂市にある大歳神社だ。

だがわたしはいま、小夜ちゃんのいる姫路市にある大歳神社に身を寄せている。

だって小夜ちゃんがいるんだよ、魔物のことなんかより小夜ちゃんを優先するのは

姉として当然のことだ。

向こうのことは、うちのおかんに任せておけばいいだろう。


今日もわたしは小夜ちゃんのために、朝ご飯を作っている。


「ずずず、おおうまいこの味噌汁。美紀ちゃん料理うまいんだねぇ。」

「ありがとう叔父さん。と、ところで小夜ちゃんはどう?お口に合ってる?」

「うん、とってもおいしいよ。この味噌汁も焼き魚も。」

「ああ、この焼き魚はとってもおいしいな。焼くだけだから。」

「あん、何か言ったか秀。」

「あ、いえ、なんでもありません。とってもおいしいです。」

(料理教室にまで行ったんだろ。魚くらい焼けて当然だ!と言いたいが言えない。)



ああ思い出す、あの地獄の試食会。


「いきなり『大事な話があるからちょっと来い』ってなんかあったの?」

「秀には味見係になってもらう。」

「な、なんで俺。浩志にさせればいいじゃないか。」


いやだ、嫌な予感しかしない。


「ああ浩志な、あいつ部活があるらしい。」


逃げやがったなあいつ。


「そういうわけだから、まあ頼むわ。」


逃げられそうもない。覚悟を決めろ秀。


「ところで小夜ちゃんは何が好きか知ってるか。」

「さ、さしみ!」

「それは料理じゃないだろう。」


くそっ!さすがに刺身じゃダメだったか。それじゃあこいつでどうだ。


「小夜の好きなものといえばもやし炒めかな。」

「もやし炒めか、わかった。」


もやし炒めならそうそう失敗はしないだろう。ナイスおれ。

数分後

「もやし炒め美紀すぺしゃるいっちょ上がり。ほら食え。」


な、なんだこれ。ただのもやし炒めがなぜこんなことに。


「農家の人に失礼のないよう全部食べろよ。」

「わ、わかった。ごくり」


失礼なのはおまえだ!もやしが見る影もなくなってるじゃないか。


「あ、味見はしたの?」

「味見?そんなのお前が今やってるじゃないか。」

「ああそうか、そうだったねぇ。ぱくっ」

「どした、顔色が悪いぞ。」

「そうなんだぁ、おれ、顔色わるいんだぁ。へへへへ」

ばたっ

「おいどうした秀。こいつ泡吹いてやがる。いったい何があった。起きろ秀~~・・・」


あんたが作った、なぞのもやし炒めを食べただけですよ。

ああ、意識が遠のいていく・・・


そのあと、美紀姉ちゃんはおばさんに、かなりきつく説教されたらしい。

そしてここまで料理が壊滅的だと思っていなかったおばさんは、

強制的に美紀姉ちゃんを料理教室に通わせた。

そのおかげで今普通に食事ができている。

皆の者、感謝するなら俺にしろ、って感じだな。


「おい秀、おかわり、大盛りで。」

「はい~大盛りっすね~。」

「秀兄ちゃん私も大盛りで。」

「あいよ~大盛りね~。おじさんは?」

「それじゃあ俺も大盛りで。」

「はいよ~大盛りもう一丁。」



「はい小夜ちゃん。お弁当ですよ。」

「ほんとに、」

「ほんとほんと、こんなことで嘘なんかつかないよ。」

「うれしいなあ。それじゃ明日はあたしがつくりますね。」

「ほんとに小夜ちゃんが作ってくれるの。」

「ほんとですよ~」


ほんとほんとうるせえなこいつら。


「小夜ちゃんよ~学校はいいのかなあ~~」

「えっ、あ~~もうこんな時間。早く教えてよね。遅刻したら秀兄ちゃんのせいだから。」

「なんで俺のせいやねん。いい加減にせえ。」

「それじゃあ、いってきま~す。」

「私も仕事にいくとするか。」

「二人とも気を付けてな~。」

「は~い」

「おう、いってくるわ。」





美紀姉ちゃんが来てからの朝は、こんな感じです。


魔王の作る食べ物。やはり犠牲者はいましたね。( ´艸`)

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