第六話 魔王がやってきてうれp人悲p人
とうとう魔王がやってきます。恐れおののく秀の運命は如何に。
みなさんこんにちは。
私の名前は神野 小夜。
ちょっぴりお茶目でキュートなJK15歳です。
実は今日私が尊敬している二人のうちのひとり、
神野 美紀お姉ちゃんがここにくるのです。
そして一緒に住んでくれるのです。
美紀お姉ちゃんはとっても強い人なのです。
御神刀の継承権をかけた試合のときも、私に継承権をゆずるために、
わざと負けてくれました。わざと負けるなんて悔しいと思ったこともありましたが、
後で話を聞いてみると、私の力に御神刀なら耐えられるんじゃないかと考え、
譲ってくれたそうです。
そんな美紀お姉ちゃんがどんな稽古をつけてくれるのかと思うと、興奮して夜も眠れませんでした。
もうわくわくが止まりません。
今日はどんなごちそうにしよう。
美紀お姉ちゃんとこれから暮らす最初の晩御飯。
そう初夜の晩御飯です。
そして4月24日は私の16歳の誕生日でもあるのです。
めでたいことは重なるものですね。
ああ~もう~夜が待ち遠しいです。
「はあ~」
「こら神野、続きを読んでみろ。神野!!」
「えっ、あっハイ、えっと・・・・すみません。ぼ~っとしてました。」
「もういい、座れ」
「ハイ」
「どうしたの小夜、最近よくぼ~っとしてるね。」
「でもそれも今日まで。やっと美紀お姉ちゃんがうちに来るんだ。」
「えっ、あのかっこいいお姉さんがくるの?」
「そうだよ~美紀お姉ちゃんがくるんだ~」
「いいなあ、私も会いたいなあ。」
「由紀も来なよ。歓迎会するから。」
「いいの、いくいく。久し振りだなあお姉さんに逢うの。
それじゃあ沙織とついでに幹也のやつも誘ってもいい?」
「いいよ、賑やかなの美紀お姉ちゃん好きだから。」
「やた~~~」\(^o^)/
「うるさいぞ綾瀬。」
「すみません。」
き~んこ~んか~んこ~ん
「ねえねえ沙織、あんたも歓迎会くるでしょ。」
「当たり前じゃない。美紀お姉さまの歓迎会なら絶対にいくわよ。」
「幹也、あんたも行くんでしょ。」
「あのねえちゃん苦手なんだけど、うまい飯が食えるならいくわ。」
「素直じゃないわね。何があっても行きたいくせに。」
「うるせえ。」
「それじゃあ3人とも来てくれるんだ。うれしい。」
「あ、ああお邪魔させてもらう。」
俺の名前は神野 秀。
大学に落ちてここ3年ほど居候させてもらっている。
だがここのところ勉強もしないでダラダラしている。
もう立派なニートだ。
申し訳なくておじさんに、ここを出ていこうと思ってるといったことがある。
そしたらおじさんは、『おれもそうだったから、好きなだけいろ。』
といってくれた。
今ではここの暮らしは、とても居心地がいい。ニート最高!
しかしこのパラダイスな環境を崩すかもしれない魔王がついにやってくるのだ。
自分にできる限りのことはやった。
あとは、神に祈るのみ。
「おお神よ、この哀れな子羊をお救いください。」
「なにやってんの、秀兄ちゃん。」
「おわっ!びっくりさせんじゃねえよ。」
「秀兄おひさ~」
「秀さんお久しぶりです。」
「由紀も沙織も久しぶりだな。なんだ勉強会でもするのか。」
「ちがうよ、美紀お姉ちゃんの歓迎会に誘ったの。」
「そ、そうか。」
嫌なことを思い出してしまった。
はあ~うつだ。死にたい・・・
「秀兄ちゃん、ひっさしぶり~~。」
「お前も誘われたのか幹也。」
「は、はい。」
これは使える!
「そうか、ゆっくりしていくといい幹也君。それではわたしはこれで。」
「はあ?」
貢物を誘うとは、ナイスだ小夜。
アホでも役に立つもんだな。
肩の荷が下りた気分だ、なんだかほっとしたら眠くなってきた。
このところ寝不足だったからな。
ふあ~~寝よ。
ぐう~すぴ~ぐう~すぴ~
起きるともう翌日の朝だった。
「う~~ん、もう朝なのか?7時でこんなにあかるいということは。
やっぱり朝か。実にすがすがしい朝だな。こんなの久しぶりだ。」
ぐう~
「そういや晩御飯食べてなかったな。」
後で聞いた話だと、美紀ねえのやつ小夜に酒を止められた愚痴を、
何時間も幹也を捕まえてまるで酔っ払いのように同じ愚痴を聞かせていたそうだ。
ありがとう幹也。お前の犠牲は無駄にはしない。
あっそうそう、小夜のアホが朝っぱらからおれのとこにきて、
「ねえ秀兄ちゃん見て見て、みんなに誕生日プレゼントもらっちゃった。」
と、わざわざ言いに来た。
なんだそれは、催促か、催促なのか。
人の誕生日は全く興味ないくせに、図々しいぞ。
まあそれが小夜のアホのアホたる所以だから、
仕方がないといえば仕方のないことかもしれないか。
ありがとう幹也、君こそ真の英雄だ。さらばだ幹也!!!
人を勝手に殺すんじゃねえ~~!