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もっと黒巫女(わたし)は、カッコイイ?  作者: 傘流 正英
第一章
57/63

第五十七話  族長会議

会議をしている模様です。

「討伐できたなら、問題なし。」

「なっ!」



こんにちは、みなさん。

神野 華です。

今私は、各族長を招集して、緊急族長会議を開いています。

もちろん、先日の姫路での事でです。

分かっていたはずなのに、早紀が深手を負うことになってしまいました。

そのことについての責任はとるつもりです。

だから、このことを教訓に、討伐時の体制の在り方を見直すように、提案しました。

帰ってきた言葉が、問題なし発言です。


「皆さん知っているでしょう、早紀の実力を。その早紀が、深手を負わされたんですよ。」

「Bクラスだと思ってたんで、油断したんじゃないの。」

「それは、なっかったとは言いません。しかし、Bクラスの魔物を囮に使うという今までになかったことを、してきたのです。もっと、こちらも考えたほうがいいかと。」

「なんだと、それじゃうちらがなんも考えてないとでもいうのか?」

「そんなことは言ってない。もっと、警戒したほうがいいといいたいだけだ。」



婆どもが。

そう、ここにいる私以外は、黒巫女を引退した婆どもたちだ。

族長としては青二才の私の意見は、なかなか聞き届けてもらえない。

私が、他の族長といいあっていると、


「ちょっといいかな、」


魔導機動隊代表として来ていた男が、発言を求めた。


「ん、どうぞ、秀吾さん。」

「ありがとう。」


その男の名は、神野 秀吾。≪しゅうご≫

秀のおやじにして、華の剣の師匠にあたる。

秀吾は、べつに魔導機動隊だったということもない。

しかし、どうしてもと、機動隊に請われたのである。

それというのも、秀吾は昔、黒巫女と一緒に魔物を討伐していたのである。

稀にいるのである。

霊力ははるかに劣っているのに、それを補って余りある剣術の腕を持った男が。

そういうわけで、機動隊は顧問に迎え入れ、他の族長からも一目置かれた存在なのだ。


「今回の姫路での一件は、それなりに機動隊にも被害がありました。機動隊としても、緊急時のバックアップ体制を、見直したほうがいいという意見が、結構ありました。」

「そうか、なるほど。そういうことなら少し、検討する余地もあるかもしれないな。」

「とりあえず、今までよりも警戒を厳にするということで。」



警戒を厳にする。

それ以外は、なにも結論が出なかった。

結論が出ないまま、会議は解散した。


「先生、ありがとうございました。」

「華か。すまんな、何もできずに・・・」

「いえ、あのままだったら、私の意見なんて無視されてましたから。」

「そう言ってもらえると、たすかる。」


秀吾は、すまなそうにしている。

この男は、息子と真逆で生真面目すぎるのである。

すまなそうに、うつむき加減で、秀吾は尋ねた。


「それにしても、早紀がやられるなんて、信じられんな。それで、怪我のほうは、ほんとに大丈夫なのか?」

「私も、始めは耳を疑いましたよ。怪我のほうは、内臓をやられてなかったのが、不幸中の幸いで大丈夫です。」

「帰りに、見舞いにでも行くとするかな。」

「あっ、それじゃ私も、ご一緒しますよ。」




数時間後、ここは早紀が入院している、病院である。



「大変だったな。傷のほうは大丈夫か?」

「はい、おじさん。傷跡も残らないだろうと、先生が言ってました。」

「そうか、それはよかった。それにしても、びっくりしたぞ。早紀がやられたと聞いたときは。」

「すみません。」

「謝ることじゃないがな。そんなに強かったのか?」



秀吾は、早紀の実力を知っているだけに、今でも信じられずにいた。



「はい、小夜ちゃんがいなければ、どうなってたか分かりません。」

「お前がそこまで言うのなら、相当強かったのだろうな。そんな奴は、百年以上現れていないはずだ。」

「そうなんですか?」

「いや、百年どころじゃない。何百年も現れてないはずだ。じゃなきゃ、お前ほどの奴が、やられるなんて考えられん。」

「そんな、買いかぶりすぎですよ。おじさん。」


早紀は、それはいくらなんでも言い過ぎだと思いながら、秀吾の話を聞いていた。








華も、まだまだ青二才のようですね。

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