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もっと黒巫女(わたし)は、カッコイイ?  作者: 傘流 正英
第一章
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第五十四話  祭りの夜2

小夜ちゃんは、よき理解者と深夜アニメを見ています。

みなさんこんにちは。

神野 小夜です。



今私は、深夜アニメを見ています。

いつもは、お姉ちゃんに早く寝なさいと注意されるからです。


お姉ちゃんは今、祭りの日に出てきた、空気の読めない魔物を退治するために、まだ帰っていません。

私が退治したっかったのですが、夜も遅いので帰るように言われたのです。



「おお、この子セーラー服に日本刀持ってる。私と同じだ。私も仮面作ろうかな。」



すみません。

久しぶりの深夜アニメで、興奮しすぎました。




お姉ちゃんたちの話ですよね。

お姉ちやんは、美紀お姉ちやんと一緒に空気の読めない魔物を退治します。


お姉ちゃん達のような強い人たちが、ホントは相手にするような相手じゃないのです。

所詮は、Bクラスの弱い魔物です。


たとえ、Aクラスでもお姉ちゃん達なら、一人で大丈夫です。


というわけで、私はお姉ちゃん達が帰ってくるであろう時間まで、アニメを楽しみます。



ぱたぱたぱた



誰かがこちらに歩いてきます。



「お父さん、どうしたの?」

「ああ、ちょっとのどが渇いてな。ここで見てたのか。俺もここで見るか。」


この家の、男の人はみんな、私のこの手のことには、とても肝要です。

よき理解者といえます。




小夜たちが、深夜アニメを楽しんでいたころ、早紀と美紀は、魔物を退治しようとしていた。




「もうすぐ2時か。そろそろ結界が解けるな。」

「ええ、そうね。」



早紀と美紀は、魔物を閉じ込めている結界が解けるのを待っていた。

結界が解けたのか、うっすらと影が見えてきた。



「あいつじゃね。なんか弱そうなやつだな。」

「いいじゃない。弱いほうが。」

「まあ、そうだけど。」

「それじゃ、封印のほうよろしく。」

「あいよ。」



早紀が、魔物の肉体を殺す。

そして、美紀が封印する。

という役割だ。



B級の魔物は、本能的なものなのか、一応攻撃してくる。

ただ、ばればれの直線的な攻撃なので、読みやすい。

威力もたいしたことはない。


早紀は、魔物の攻撃をよけながら、魔物の前まで行き、


ずしゃっ!



魔物を斬り伏せた。

そこには、魔物の魂が燃えていた。

そして、美紀が近寄り、



「いっちょあがり~。」



刀に、封印した。


その瞬間、妖気が急に膨れ上がるのを、早紀と美紀、そして、魔導機動隊の人間も察知した。

そして、早紀に向かって魔物のものと思われる攻撃が、飛んできた。



ずばっ!



攻撃は、早紀の腕をかすめただけで済んだ。



「痛っ」

「早紀、だいじょうぶか!」

「ええなんとか。」

「どこから攻撃された?」

「後ろから。音がしたんでなんとかよけきれた。」

「後ろからか。なんにもいねえな。」



妖気はまだ、膨れ上がっている。


二人ともこんな妖気に、遭遇したことはない。

早紀は、華の言っていたことを思い出した。



「もしかしてこれ、」

「なんか知ってんのか。教えろ。」

「一年近く、魔物を食ってたやつがいるらしいのよ。たぶん、こいつよ。」

「なんで、私に教えなかった。」

「明日にも教えるつもりだったのよ。」



言い合っていた二人に向かって声がした。



『余裕だな。流石は黒巫女の中でも、指折りの人間だな。』



余裕?

そんなもの、あるわけがないと二人は思った。

先ほどの攻撃にしても、早紀が避けることができたのは、偶然に近かった。



「なぜ、私たちのことを知っている。」



そう早紀が、魔物に問うと魔物は、



『お前たちを、ずっと見ていたからな。』



魔物は、そう答えた。



「どういうことだ、出てこい魔物!」

『どういうことだと?そんなの自分で考えろ。人間。』



魔物がそう言うと、二人の10mほど先のアスファルトが、盛り上がり魔物の首から先が現れた。


「うげ、きしょくわる。」

『気色悪いか。口の悪い女だな。そうだな、お前からにしよう。』


魔物が、しゃべり終わると同時に、美紀の真下が盛り上がった。


「美紀あぶない!」


早紀は、美紀をかばった。


「助かった、ありがと早紀。」

「ふふ、感謝しなさいよ。美紀。」

『すまんすまん、お前にあてるつもりはなかったんだが。』


美紀は、その言葉を聞き、早紀をよく見てみた。

早紀の腹部は、真っ赤に染まり、早紀の周りには流れ出た血が溜まっていた。





お姉ちゃんが大変ですよ、小夜ちゃん。アニメ見ている場合じゃないですよ。

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