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もっと黒巫女(わたし)は、カッコイイ?  作者: 傘流 正英
第一章
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第五十一話  凄まじき黒巫女

華が厳しめに、小夜に稽古をつけるようです。

みなさんこんにちは。

神野 小夜です。



先日、訪れた華姉さんの旦那さんンは、華姉さんが自分で読んだという事でした。

ぎっくり腰で動けないから迎えきてもらったそうです。



華姉さんの旦那さんだと知ったときは、ほんとに驚きました。

でも、顔は怖いけれどとても愉快な人だということも、わかりました。


だって、自分の顔を鏡で見たことがあるなら、兄さんと呼んでほしいなんて言わないでしょう。ふつう。

だから、おじさんはとても冗談の好きなおじさんです。


でも、喧嘩になってしまうような冗談は、控えてほしいと思います。


喧嘩のおかげで、華姉さんの腰は治りましたけど。

腰の治った華姉さんは、もう少し姫路にいることにしたようです。

おじさんはというと、


「あんたも、仕事があるんでしょ。とっとと帰りなさいよ。」


と華姉さんに言われて、帰ってしまいました。




「小夜ちゃん、明日学校から帰ってきたら、稽古つけてあげる。明日は厳しめに行くよ。」

「はい、望むところです。」



とはいったものの、



ざしゅ、ざしゅ、ぐいんぐいん、ざしゅ、



「はい、そこまで。」

「どうでしたか?」

「はっきり言うと、全然ダメ。動きが硬くて大きすぎ。」



やっぱり。

自分でもわかります。



「小夜ちゃんには、この戦い方はあってないのかもね。」

「そんなぁ。」


私は、なんて不器用さんなんでしょうか。



「小夜ちゃん、私にいつもの戦い方を見せてくれる?」

「いいですけど。」



私の、戦い方なんて見てどうするんだろ。



「小夜ちゃんも、蜘蛛助も用意はいい?はい、はじめ。」



いつも通りなら、蜘蛛吉あいてに遅れなんてとりません。



ずばばばばば、ざしゅざしゅざしゅ、



『ふふふふふ、まあこんなものだろう。だが、我は考えた。これならどうだ!』



蜘蛛吉の腕は、小夜の攻撃がギリギリ届かないところまで伸びた。

そして、いきなり腕が曲がり小夜に襲い掛かった。

遠いところからの攻撃なら、ある程度予測もできる。

2mほどの近距離からの同時攻撃。

予測は不可能。



華も、こんな攻撃ができるとは、思ってもみなかった。


「あぶ、」



危ないと叫ぼうとした華が見たものは、



ずばばばばばばばば!



まるで、マトリックス。

刀は、無限軌道を描く。



『なんだと~!!』



蜘蛛吉は、驚くがまた攻撃をしようと構える。



「蜘蛛吉、今のはいい攻撃だったよ。」

『まだだ、まだ我は諦めぬ。お前の命は我がここで、打ち取る。』

「いいわよ。取れるものなら取ってみなさいよ。」



小夜たちは、戦いという名の稽古を続けている。



華は、開いた口が塞がらなかった。

だが、横にいた京香は平然としていた。

華は京香に聞いてみた。



「蜘蛛助の奴は、初めからあんなに強かったの?」

「妖力は、変わってないと思いますわ。ただ、直進しか知らなかったのが、

無い知恵絞って曲がり方を覚えた、というところだと思いますわ。」



落ち着き払って京香は言う。

華はさらに京香に聞く。



「やけに落ち着いてるけど、あなたもあの攻撃なら捌けたというの?」

「いえ、小夜ちゃんのようにはいきません。私じゃ無理だったと思いますわ。」

「じゃなぜ?」

「私と小夜ちゃんじゃ、戦い方が全く違いますわ。今までと違う攻撃パターンがきたらまず、

避けることだけに集中するか、先手をとります。」



華は今、自分が小夜と同じ土俵に立った考え方をしていたことに、気が付いた。

華はそこまで気が動転していた。



「ああ、そうね。私でもそうするわね。」


動転した気を整えると、華は呟いた。



「それにしても、凄まじい身体能力と、本能的な、いえ、それ以上の勘ね。」



あの子には、余計な剣術なんて必要ないわね。

本能のままに刀を振っているのが一番という事か。


まあ、息抜きで剣術を覚えるのはありかな。


そう思う華だった。










自己流の剣なら小夜は、華があきれるほど強いようです。

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