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もっと黒巫女(わたし)は、カッコイイ?  作者: 傘流 正英
第一章
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第四話  魔王と小夜ちゃん運命の出会い

今日は酒乱魔王こと神野 美紀について紹介しようと思います。

どうぞよろしくおねがいいたしまする。

みなさんこんにちは。

私の名前は神野 美紀。

二つの顔を持つ妖艶な女です。


「こらヤス!そこに筋かいだって言ってるだろ!!」

「はいっすみません、美紀姐さん。」



失礼。

二つの顔というのは、

表の顔は美人とび職人。

裏の顔は黒巫女をやってます。

「酔剣の使い手」などと呼ぶ失礼な奴もいるけれど。

裏の顔がかおだけに親からは、「肉体労働じゃなくて事務職にしたら」

と言われたことがあるけれど、わたしの性にはあってない。

事務職なんてイライラして仕事にならないだろう。たぶん


わたしには体を動かす仕事があっている。

黒巫女も肉体労働にはちがいない。



「アホヤス!!その足場はそこじゃない。むこうだドアホ!!」

「ひい、す、すみません美紀姐さん。」



いつまでたっても仕事を覚えないやつだな。

あっえっと、そうだ、とび職のほうは現場を一つ任せてもらっている。

親方がとてもいい人で、女だからとかへんな偏見で私を扱わないので、

とても仕事がやりやすい。

他の従業員はそうでもなかったので、親方の許可をもらって初日に絞めさせてもらった。

そのおかげでとってもいい現場になった。



「お~い美紀ちゃん。今日は一段とはりきってるな。なにかいいことでもあったのか。」

「あっ、親方ちわ~っす。ようやく小夜ちゃんと暮らせると思うと力はいっちゃって。」

「小夜ちゃんというとお前がよく話してる姫路の娘か。」

「はい、小夜ちゃんと暮らせるなんて夢みたいですよ。」

「そ、そうか、まあそれで仕事が捗るならいいこっちゃ。ははははは」




というわけで、とび職としては一人前だと自負している。

そして裏の仕事の黒巫女としてもなかなかのものだと思っている。

でも私は知っている。

わたしの小夜ちゃんは他の黒巫女と比較もできないほど突出している。

ああ思い出すなあ、初めて出会ったときのことを。








「御神刀はわたしがもらう。」



代々神野家一族に伝わる御神刀の持ち主は、一族最強の者が持ち主になる。

神野家には本家、分家という区別はない。

この御神刀は「童子切安綱」という有名な刀と同時に鍛えられた刀数本のうちの真打ちということだ。

つまり一番出来のいい刀、童子切よりも。

だからどうしても御神刀がほしい。

マニアというほどでもないが、刀が好きだから。





え~と、ライバルになるとしたら、

仙台のデカ女、名古屋のいけ好かないおすまし女。

そして一番の敵がここ北九州が地元の神野 早紀。

こいつがちょっと厄介かな。

こいつの小学生の妹も参加するらしいが、姉よりも強いということはないだろう。

まあ一応どの程度か見てやるか。




あれが早紀の妹か。



「か、かわいい。ちょ~かわいい。わたしの妹にしたい。妹がだめならわたしの嫁にしたい!!」

「何言ってんの。バカじゃないの。」


  バコッ!!


「うるさい浩志!殴るぞ!」

「殴ってからいうな。痛って~~~」

「相変わらずたいへんだな。」

「あ、来てたんだ秀兄ちゃん。ああ、俺はどうでもよかったんだが、

早紀ねえのやつが『わたしの勇姿を拝ませてやる。』って無理やりな。」


「小夜ちゃんの相手は・・・仙台のデカ女じゃねえか!!

小夜ちゃんの噂は聞いた事があるけど、何考えてんだ執行部のやつら!!

小夜ちゃんはまだ小学生だろが!!!」



    「はじめ!」


「ぎゃ~~小夜ちゃん死なないで~~~!!」


    「そこまで!」


「あんが」


開いた口が塞がらなかった。

あんな可愛くて小さくて華奢な子の前にあの仙台のデカ女が、

前のめりで顔を地面につけて倒れている。



これでうちのおかんが参加しなかった理由がよくわかった。

よく周りを見て見ればベテランの黒巫女の参加が極端に少ない。九州の連中もだ。

Aランクの魔物を一刀のもとに切り伏せたというのは事実だったらしい。

その際に刀が耐え切れずに折れたというのもホントだろう。

そんな詳しい情報を知った連中は辞退したのだろう。

しかしわたしはあの可愛い小夜ちゃんと手合せしてみたい。

もう御神刀なんかどうでもいい。

小夜ちゃんと手合せしてみたい。小夜ちゃんと、小夜ちゃんと・・・




わたしは順調に勝ち進み4強まできた。

勝ち残ったのはわたしと小夜ちゃん、名古屋のいけ好かないおすまし女

そしてわたしの次の相手は神野 早紀。

小夜ちゃんの姉だ。くぅ~~羨ましい。こいつには絶対負けたくねぇ~




そして準決第一試合

小夜ちゃんvs名古屋のいけ好かないおすまし女

あっという間に決着はついた。

と思ったらあのくそ女、あろうことか小夜ちゃんに近づきいきなり抱きしめて



「うちの子にならない?」


とぬかしやがった。

絞め殺すぞボケ!!!さっさと離れろケツから手突っ込むぞダボが!!!



ちょ~気分の悪い出来事はあったが、次は私の番だ。

負けられない戦いがわたしにはある。

小夜ちゃんの姉になるために。

小夜ちゃんの名に懸けて。

















魔王はもう小夜ちゃんのお姉さん気取りだね。困った奴だね。

お姉さん気取りじゃねえ!!お姉さんだコノヤロー!!!

うわ~~魔王がなぜこんなところに~~お助け~~~

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