表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もっと黒巫女(わたし)は、カッコイイ?  作者: 傘流 正英
第一章
34/63

第三十四話  師匠のおっちゃんが帰らない理由

師匠のおっちゃんは、女の子がいるだけでハーレムなんだろうな。

おう、元気でやってるか。

俺は、秀のやつの刀匠としての、師匠だ。

名前は、神野 啓二。


秀のやつが、また刀を造り始めたと聞いて、姫路まで来てやった。


そして、秀が世話になってる家に着いた。

美人が二人も道場で稽古をしていたのを見て、驚きで鼻の下が伸びてしまった。


この二人のほかに、まだ二人もいる。

秀のやつは、今も女に囲まれていやがるのか。

けしからんやつめ。

羨ましすぎるぞ、我が弟子よ。

これではまるで、ハーレムではないか。


くそっ、刀の出来が少しでも悪いときは、駄目だししてやる。

まあ、今はそんなことどうでもいい。

俺も稽古に混ぜてもらおう。



あの時はこんなことを、思ったものだ。

そして、女の子と一緒にアニメの上映会。


うん、此処は居心地がいい。

うちなんか、年食った嫁と、ババアしか女がいない。

帰りたくねえなあ。




神野 秀だよ~

みんな~あつまれ~~


なんちって。

俺は今、刀の一件が一段落ついたんで、休養を取っている。


俺の休養の取り方は、アニメを見ること。

俺の血は、アニメでできている。

おい、そこ。どんな血やねんって突っ込むな。


俺がアニメを見ている後ろでは、師匠のおっちゃんがネトゲをしている。

なんだかこの師匠は、帰る気がなさそうに見える。

そして、凄い勘違いをしている。


さっき、師匠に聞いてみた。


「師匠のおっちゃん、いつ帰る気なんだ。」

「お前ひとり、いい目に合うなんてことは、許しがたいからまだ帰らん。」

「えっ、なんのこと、どういう意味・・・」

「しらばっくれやがって。」



何を、しらばっくれるというんだ。

俺は、何のことか暫く考えてみた。

だが、何のことかさっぱりだ。



「師匠のおっちゃん、好きなだけいていいから、何のことか教えてくれ。」

「まだそんなこと言うか。まあいい教えてやる・・・」




アホのオッサンが言うには、俺が今ハーレム状態だというのだ。

なんちゅう勘違い。

俺は女に、幻想を抱かないことにしているというのに。

説明するのも面倒なので俺は、



「ふふ、つまり師匠は俺からハーレムを奪うというのだな。やれるものならやってみろ。」

「受けてやるぜその勝負。俺のハーレムにしてみせるぜ。」



ちょろいおっさんだ。

これで少しは、厄介ごとをオッサンが引き受けてくれるだろう。


「まずは、京香ちゃんから落としてやるか。」

「そうか、がんばれよ、師匠。」

「くっ、いつまでその余裕が続くか、見ものだな。奪ってみせるぜ。

まってろ、俺のハーレムの日々よ。」


おっさんがここに居座るのはいい。

だがおっさんは、向こうでの仕事があるはずだ。


「師匠のおっちゃん、仕事はどうすんだよ。」

「ああそれな、さっき力也さんと相談した。」

「なにを。」

「元蔵だけにまだ、スペースがあるだろ。そこを使わせてもらう。」

「同じところで刀造りする気か。」

「まあ、そうなるな。でも、力也さんにある同盟に入ったら、

全面的に応援してくれるそうだ。」



そっかあ、おっさんが同盟入りか。

それなら俺も、オッサンを利用してやるか。


「師匠のおっちゃん、俺も応援するから、研ぎできるだろ。俺の刀の研ぎも頼むよ。」

「仕上げ研ぎだろ、金とるからな。」

「いいことを教えてやろう。小夜は金に困ってるそうだ。」

「それがどうした。」


よし、食いついてきた。


「ここで、研屋のぶんの金が浮けば小夜も喜ぶかもな。いいところが見せられるかも。」

「おい秀、なんで俺に塩を送るような真似をする。」

「それは・・・ハーレム勝負を平等にするためだよ。」

「秀お前、成長したな。」

「うん、おばさんたち誤魔化すのも、一人じゃ大変だろ。」

「そうだな、その辺は頼むぞ。」

「任されたぜ、師匠。」



近くに研ぎしがいると、何かと便利だからな。









師匠のおっちゃんは、たとえ殴られてもご褒美なんだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ