表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もっと黒巫女(わたし)は、カッコイイ?  作者: 傘流 正英
第一章
27/63

第二十七話  水の泡だね京香さん

いろいろと、たいへんですな、京香さん。

みなさんこんにちは。

神野 京香ですわ。


先日警告したのに、あのバカは、また待ち伏せていましたわ。

次の日からは、毎日登下校のルートを、さりげなく変えましたのですわ。

朝はわざと道を間違えて見たり、


「京香さん、そっちじゃないですよ。京香さんってば。あ~あ、行っちゃった。

京香さんこの頃よく道を間違えるな~うっかり屋さんなんだホントは。」


小夜さんは、わたくしのことを仕方のない人だなぁ、ときっと思っているのでしょう。

今は、それでも構いませんわ。

下校時は簡単。


「おいしいアイスでも食べて帰りましょう。」


このような一言で、ルートは変わるのですわ。

そのようなことをしているうちに、わたくしには嫌な機能が追加されてしまいましたわ。



あっ、300mほど先に、あの男がいるようですわ。


「小夜さん、お腹が空いてしまったので、ハンバーガーでも食べて帰りませんか。」

「いですよ。」


こんな感じで、あのバカのいるところが、分かってしまうようになってしまいましたわ。

嫌な機能ですわ。

消せるものなら、消してしまいたいですわ。


えっ、あの男の気配がいたしますわ。

いったいどこから?

なにやら、校門の方が騒がしいですわね。

あれは、バカ男?



「君、一体ここで何をしているのかね。ここの生徒じゃないね。

話しを聞かせてもらえるかね。」

「ちっ、ポリ公が。」


ダッシュ!


「こら、待ちなさい。」

「うるせぇ、ポリ公。」



一体何がしたかったのやら、バカのすることは理解できませんわね。


一週間後


まだ待ち伏せを辞める気が、なさそうですわね。

わたくしが、やってもいいのですが、暴力は嫌いなので、

ここは美紀さんに任せることにしましょう。




「美紀さん、ちょっとお話があるのですわ。」

「あん、なんだ京香。」

「ちょっと、お耳を・・・」



京香は一連の話を、美紀に聞かせた。


「なに~!そんな奴が小夜ちゃんにつきまとっているやと~。ど頭かちわったる!」

「美紀さん、静かに。大事にならないように、美紀さんだけに教えてるんですのよ。」

「そ、そうやな。すまん。」

「それで、どういう風にいたしますの。」

「居場所は分かるんだな。」

「遺憾ながら、分かってしまいますわ。」

「なら、無問題だ。後はひっ捕まえて、お灸をすえるだけだ。」

「お仕事の方はどういたしますの。」

「休む!」

「そうですか。どんなお灸か見てみたい、気もしますわ。」





朝早く家を出たわたくしは、美紀さんに、



「あの男ですわ。」

「そうか、後は任せろ。」


ブォンブォン


「おい、そこのおとこ。」

「あん、なんじゃひ~~!」


男は美紀さんに、車の窓を覗いた瞬間に、引きずり込まれて、行ってしまいましたわ。

これで何の憂いもなく、学校に行けますわ。


と、京香は思った。

だが、そう上手く事は運ばなかった。



「ただいま~。」

「ただいま帰りましたわ。」

「美紀お姉ちゃん、お客様ですか?お茶いれますね。」

「いや、そんな上等なもんじゃないよ、小夜ちゃん。」

「美紀さん、それでどうなりましたのっ!」


京香は目を疑った。


「こんにちは、お邪魔してるっす。」


京香は混乱した。なぜあの男がここにいて、自分に挨拶しているのかと。


「ど、どういうことですの、美紀さん!なぜ、あの男がこ、ここにいますの!」

「ああ、いい根性してたんで、連れてきた。」

「いい根性って、あなた何考えてますの!。」

「だいじょうぶ。」

「何が大丈夫なんですの?」

「こいつには、もうあんなことさせないから。」

「それじゃなぜ連れてきたりしたんですの。」

「ああ、それはな・・・」




朝、美紀に空き地まで連れ去られた外道 正二は、


「お前、なにもんじゃ。」

「そんなのどうでもいい。小夜ちゃんに近づくな。」

「なんじゃわれ、さしずすんなや~~」

ボコッ!

あんぎゃっ!

5分ほど失神していた正二は、

「ふふ、やるやないけ、そんじゃこれでどうじゃ~!」

めきっ!

おぼっ!

正二は、失神した。

「い、いかん、いかん、ちょ~なめすぎとったわ。あっあれなんじゃろ。」

「あん、UFOでもおんのか?」

「引っかかりおった。バカが、死にさらせ~~~!」

ばきぃっ!

あぎょっ!

正二は失神した。


1時間ほどそんなことを、繰り返していた。


「おい、もう諦めろ。」

「い、いやだね。」

「お前足がプルプル震えて、小鹿みたいだぞ。」

「う、うるせぇ。」

「仕方ねぇな。お前の根性に免じて、小夜ちゃんちの道場に出入りするのを、みとめてやる。」

「どういうことだ。」

「小夜ちゃんと一緒に、稽古できるいう事や。それでどうだ。」

「ほ、ほんとか?」

「ああ、ほんとだ。そのかわり、家にいる人間には敬語を使え。」

「わ、わかった。」


がくっ!


「そんな感じで、連れてきて傷の手当してやってる、というわけだ。」

「なにが『というわけだ』ですの~!せっかく小夜さんに、

近づけないようにしていましたのに~~~~!」

「よ、よろしくっす。」

「うるさい!!!」














外道 正二の、根勝ちということ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ