第二十六話 つけまわす者
付け回す者の正体は・・・?
みなさんこんにちは。
神野 京香です。
今、小夜さんと下校途中ですの。
どうやら、わたくし達というより、小夜さんを付け回す輩がいるようですわ。
敵意の様なものはありませんので、小夜さんは気づいていませんわ。
ここはどうやら、先輩でもある、この京香の出番ということですわね。
「小夜さん、ちょっと用事を思い出したので、お先に行っててくださる。」
「え、私待ちますよ。」
「すぐに追いつきますから、どうぞお先に。」
「わかりました。それじゃ先に行ってますね。」
小夜さんを、先に行かせたあと、こちらを伺う輩のところへ行ったのですわ。
「あなた、小夜さんに用でもあるんですの?」
げっ!
その輩は、顔を隠しながら逃げていきました。
自分では顔を隠しているつもりなのでしょうが、
あのバカ面は先日小夜さんに、逆にやられた名前は・・・忘れましたわ。
小夜さんに、仕返しでもするつもりなのでしょうか?
今度見つけたら、ただではおきませんわ。
次の日
またあのバカが、遠くからこちらを伺ってます。
ああいう馬鹿は一度痛い思いをした方がいいでしょう。
「小夜さん、今日も用事があるので、先に行ってくださるかしら。」
「ああそれじゃここで、待ってます。」
「いいえ、お先に行ってくださいな。」
「気にしなくていいですって。」
これ以上言うと、変に思われかねませんわね。
「それじゃここから、動かないでくださいですわ。」
「はい、わかりました。いってらしゃ~い。」
そしてわたくしは、ばかのはいごにまわりこみ。
「あなた、なにしてますの?」
「げっ、お前は。くそっ!」
何を思ったのかこの馬鹿は、わたくしの胸倉をつかもうとしたので、
腕をつかみ、ひねってやりました。
「痛てててて、くそこのやろう。」
反抗しようとするので、地面にそのままねじ伏せました。
「く、くそ!」
「何故小夜さんをつけまわしますの。」
「う、うるせぇ!」
「わかりました。このくらいの痛みじゃ、足らないという事ですわね。」
ぎゅうううう
「痛ててててて。わかった話す。話すから!」
「それじゃ、何故小夜さんをつけまわしますの。」
「そ、それは・・・」
「それは?」
「ちょっと、話がしたくて。」
「小夜さんと、話がしたい?それだけですの?」
「できれば、付き合いたいな、と」
「無理ですわね。」
「なんでや!」
「無理なものは無理。警告しといてやりますわ。こんなことはおやめなさい。
死ぬほど後悔しますわよ。警告は致しましたわよ。」
「俺が死ぬほど後悔?させてみやがれってんだ、ば~か、ば~か。」
死ぬほど後悔してしまうのか、外道 正二。