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もっと黒巫女(わたし)は、カッコイイ?  作者: 傘流 正英
第一章
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第二十三話  それぞれの思い

炭切り。みんなの考えは?

みなさんこんにちは。

神野 早紀です。

私は今、ちょっと不機嫌です。


秀のやつが、自分のことをかくして、小夜ちゃんをこき使っているからです。

小夜ちゃんは今、私の目の前で炭切りを顔を真っ黒にしてやっています。

『お姉ちゃんも一緒にやろう。』と言われ、私も顔を真っ黒にしています。

ほんとなら『刀鍛冶の仕事でしょ。』と言ってやりたいくらいです。

おじさんにも、知らないふりをしてくれと言われたので仕方がありません。

素人のふりして私たちを、こき使って、不愉快です。


「お姉ちゃん、炭が大きすぎるよ。ねえ、秀兄ちゃん。」

「ああ、そうだな、もう一回り小さいほうがいいかな。」

「ああ、わかった、ごめん。」


くそ、秀のやつにも注意された。屈辱だわ。




みなさんこんにちは。

神野 美紀です。

あたしは今、小夜ちゃんに誘われて、炭切りをしている。

小夜ちゃんが目の前で、顔を真っ黒にしながら頑張っている。

顔を真っ黒にして頑張るレアな小夜ちゃんがいる。

それを見れただけで、あたしは幸せだ。

まあ、不機嫌そうな早紀も視界に入っているんだけど。

そして、あの働いたら負け的な、秀のやつが、がんばっている。

刀鍛冶があいつには、あってるんじゃないか。


「秀、大きさはこんなもんか?」

「うん、それくらいの大きさでいいよ。」

「分かった。」





みなさんこんにちは。

神野 京香です。

今、女子4人で炭切りをしています。

わたくしは、炭切りをしながら秀さんを見ています。

好意から見ているという訳ではなく、わたくしの家の刀鍛冶と比べると、

どんなものだろうという、興味から見ています。



「なかなか手際がいいのですね。」

「そうか?お前んちには刀鍛冶がいるんだろ。

そんなお前に手際がいいと言われると、なんか気恥ずかしいな。」

「わたくしは、お世辞は言いませんから、誇っていいですわ。」

「そうか、ありがとな。」




まあ、刀鍛冶としての腕は悪くはなさそうです。

そんな秀さんが刀鍛冶のことを、黙っているのもわかる気がしますわ。

あの二人なら、刀鍛冶なら、刀鍛冶のくせに、とか

なにかと刀鍛冶刀鍛冶、言いそうですからそう考えると、わかりますわね。




「みんな~、炭切りそんなもんでいいよ~。あんがとさん。」



「みなさん、お風呂に入ったら、居間の方に集まってください。

大事なお話があるので。」


1時間後


「秀兄ちゃんと刀鍛冶のことで話があります。」

「秀と刀鍛冶がどうしたの?」

「お姉ちゃんは、知ってるよね。」

「秀が刀鍛冶ってこと?」

「ちょ、ちょっと待った。ほ、ほんとに?小夜ちゃん。」

「うん。なに美紀お姉ちゃん。」

「なんで秀のやつ隠してたん。」

「それはね、みんなの見る目が変わったり、刀鍛冶のくせにとか、

言われそうなのが嫌だったんだって。」

「そんなことは言わないよ。」

「ちょっといいかしら。」

「なんですか、京香さん。」

「秀さんは、言う言わないより、刀の方に集中出来なくなるのが嫌だったと思いますわ。」

「そうね、もしかしたら私は邪魔してたかもしれないわね。」

「それじゃみんな、秀兄ちゃんの邪魔になるようなことはしないでくださいね。」


「あいよ。」

「わかったわ。」

「もちろんですわ。」




神野 小夜です。

みんなに、秀兄ちゃんのことを、わかってもらえて良かったです。

それに私は、刀造りの手伝いはとても楽しいです。







秀の悩み事が、一つ減りましたね。

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