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もっと黒巫女(わたし)は、カッコイイ?  作者: 傘流 正英
第一章
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第十一話  はじめてのとうばつ

京香ちゃん、そんなやつずばっとやっちゃっていいんだよ。ずばっと

みなさんこんにちは。

わたくしの名前は神野 京香。

御神刀を賭け神野 小夜と勝負するはずだったのに、

わたくしの目の前にはAクラスの魔物がいる。

どうしてこんなことになってしまったのでしょう。



10時間前




あたしは神野 美紀。

小夜ちゃんの義理の姉だ。

今あたしは仕事を早く切り上げ、姫路に向かって車をとばしている。

どうやら京香のやつが、御神刀を賭けて小夜ちゃんと勝負する気でいるらしい。

笑わせんな。お前みたいなアホが勝てるわけねぇだろ。

と、いうわけでこのあたしが身の程を思い出させてやろうと思っている。

首を洗って待ってやがれ、このあんぽんたんが。




そのころ神野家では、


「ただいま~。」

「おかえりなさい。」

「あっ、京香さんただいまです。」


態度が随分ちがうな、小夜のやつ。


「やけに早いお帰りじゃねえか。」

「うん、この辺の学校みんな早いと思うよ。」

「なんで?」

「たぶんだけど、Aクラスの魔物が出たんだと思う。」

「それじゃあ今から討伐するのか?」

「ううん、昼間はあたりに与える影響が大きいから討伐は夜にすんの。」

「それじゃ、魔物は夜までほったらかしか。」

「ちがうよ。昼の間は魔物だけを結界に封じ込めておくの。」

「へぇ~そうなのか。初めて聞いた。」

「あなた一応神野一族の人間でしょ、そんなことも知らないの。」

「すんませんね。おれ魔物退治に興味ないもんで。」

「あなたという人は~」

「げっ、ちょっとまった。」

「問答無用~!」

「小夜たすけてくれ~」


おれは、小夜に助けを求めながら小夜の後ろに回った。


「ま、まさかあなたが神野 小夜ですの。」

「あっ、自己紹介してませんでしたっけ。私が神野 小夜です。」

「こんな華奢な子が神野 小夜だなんて。もっと厳つい女だとばかり・・・」

「京香さんよ~それはちょっと失礼だと思いますよ~」

「あっ、ごめんなさい。わたくしが思っていたのとあなたが、

まるっきり別人だったので、ホントに失礼なことを言ってごめんなさい。」

「いいんですよ。気にしてませんから。」



キキ~~っ

ガチャ

バン!



「京香~小夜ちゃんの前にあたしと勝負しやがれ!」

「おかえりなさい、美紀お姉ちゃん。早かったね。勝負ってなに?」

「小夜ちゃん、なんでいるの?勝負っていうのはね、え~っとね。」

「わたくしが姫路まできたのは、御神刀を賭けて勝負するために来たのですわ。」

「そうなんですか~、魔物退治がない日ならいつでもいいですよ。」

「ほんとですの。」

「はい、私も京香さんとお手合わせしてみたいですし。」

「ありがとう小夜さん。」


両手を握り礼を言う京香を一瞬鬼の形相で美紀ねえが見ていたのを見て、

俺は背筋に冷たいものを感じた。



「おっ、小夜帰っていたのか。」

「はいお父さん、ただいまです。」

「はいよ、おかえり。気づいていると思うが魔物が出たそうだ。」

「やっぱり。」

「国分寺と天神前に出たらしい。22時に人払いの結界を張るそうだ。」

「2体も出たんですか。」

「ああ、妖魔がな。」


人型の魔物を神野では妖魔と呼ぶ。小賢しく悪知恵が回るやつもいるので

人型というだけでAランク扱いになる。


「叔父さん、わたしも手伝いますよ。もちろんこいつも。」

「え~っ!」

「なんだ、こわいのか?」

「そんなことありませんわ。いきなりでちょっとびっくりしただけですわ。」



俺はちょっと違和感を感じた。もしかすると京香のやつ

討伐ははじめてなのかもしれない。



「対魔機動に連絡した。小夜は国分寺、二人は天神前にいってくれ。」

「小夜ちゃんなら一人で大丈夫だと思うけど応援は来るんですよね。」

「ああもちろん来る。」

「それじゃあ心配ないかな。おい京香おまえの実力見せてもらうぞ。」

「わたくしの勇姿を楽しみにして待ってなさい。」



と、つい見栄を張ってしまい目の前に妖魔が立っているという状態になってしまいました。

もう10分以上妖魔の前に立っています。


「こいつホントに黒巫女か?」

「おい京香、妖魔になめられてんぞ。」

「突っ立ったまんまじゃかかしだな。いや、かかしのほうが役に立つか。

ぎゃっぎゃっぎゃっぎゃっ」


ぷっち~ん


「おい、三下妖魔、なに気色悪い笑い方してやがる。」

「お前を見てたらおかしくへっ。」


しゅっしゅっ


「あで~なんか、ざむいじょ~~。」

「なめんじゃねぇ、妖魔風情が。美紀さんとどめを。」

「おう、やるじゃねぇか京香。」



美紀さんが笑いながら、わたくしの肩をたたいています。

妖魔もいません。

一体何がおこったというのでしょう。

わたくしには正直なところ、妖魔がこわかったという記憶しかありません。

京香ちゃん、はじめてだったんだ討伐。初めてなら、上出来上出来。

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