オイオイ、やめてくれよ・・・
ひょんな事から始まった、ミリタリーのストーリー
のんびりとやっていきますよ~
プロローグ
「こいつはすげぇ」
俺が立っているのは、軍艦の甲板上。しかも憧れの戦艦で大和型戦艦よりも遥かに大きい。
何故なら、50口径長51センチ3連装砲8基24門、65口径長12.7センチ4連装高角砲20基80門、40ミリ4連装機関砲40基160門、垂直発射システム合計512セル。全長は350メートル、全幅は50メートルほどだろうか。しかも、これだけ大きい戦艦に装甲を張り巡らせているため、基準排水量は12万トンを超えている。
大和型戦艦ですら、45口径長46センチ三連装砲3基9門、全長263メートル、全幅は約40メートル、満載排水量で7万2千トンなのだからその大きさがわかると思う。とにかくでかい上に、この巨体をスクリューによってよって35ノットという高速をを出せるのだから規格外にもほどがある。
そんな“軍艦”を造り出したのは平行世界の日本、しかも俺の知っている日本の歴史とはやや違う歴史を歩んできた日本らしい。
らしい、というのは、俺が起きたのがつい数時間前であり、その時に違う歴史を歩んできたんだな、というのが知識として知っていた。
何故なら、俺は鋼の少女として生まれてきた、との事だ。
言っている意味がわからない、という声がどこからか聞こえてきそうだが、俺も理解しかねている。
理由として、俺の前世では平凡な男子学生として生きてきたが、交通事故によってくたばったはずが気が付いたらそうなっていた。神様に出会ったり、異世界から召喚された、とかの記憶は今の所はない。会ったとしても平凡な学生をこんな風にするか甚だ疑問だ。
それはともかく、現状の確認だ。
今、俺のいる時代は1936年。
前世では第2次世界大戦の始まる年だが、この世界の日本は前世の徳川幕府が大政奉還する50年前の1817年にそれが行われており、俺のいた日本と同じような形で首相の手によって政権を運営している(前世では天皇の直属に軍部がいた)。無論、皇族も健在でこの世界でも日本の象徴として存在している。
一方、軍部の影響力は天皇の直属でなくなって政府のしたに配属された分、前世と比べて衰えているがそれでも大きな発言能力を持っていて、今の国家予算の3分の1は軍備に回されている。
そして回ってきたお金で技術力の誇示しようとした結果、鋼の少女が作り出された。
鋼の少女、というのは簡単に言ってしまえば、軍艦や航空機、戦車等の内、1つのもののコントロールを1人の人間に任せよう、というものだそうだ。
この技術は世界中で行われており、日本だけが格段の技術力がある、という訳ではないらしい。何人かいる内の1人が俺であり、俺がコントロールできるのは今、乗っているこの戦艦だけだ。
そして、鋼の少女は俺だけではない。他にも何人もの少女がいて、軍属の人間として生活している。
その少女たちは、と言うと、
「“ヤマト”ちゃ~ん、ご飯できたわよ~」
「はいよ~!今行く~!」
俺の同僚であり、仲間だ!