表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

恋愛構想曲~春風満帆、恋日和~

作者: もりもり

あー。やばいこれ完全に遅刻だわ。

山本小春はとてつもなく長い上り坂を

古びたママチャリのペダルを力一杯漕ぐ。

この春から小春は地元の自称進学校に入学した。

ピッチピッチの高校一年生だ。

ツインテールで、童顔。

背は普通くらいのごくごく普通の女子高生だ。

昨日、入学式を終えて、今日が初登校なのだが、

前日、興奮しすぎたせいか全く寝れず、

いつもより30分も寝坊した。

「うがぁぁぁぁぁぁ!!!」

高校生とは思えない雄叫びをあげながら

長い坂を登る。

長い。長すぎる。この坂なげぇ!

春と言ってもまだ

気温は高くはないのだが、制服の下は汗だくだ。

もう、無理。限界。

そう思っていた瞬間!

前方から中学年らしき男子が猛スピードで

下ってきた。その男子は小春の横すれすれを

スピードを一ミリも落とすことなく下っていった。

あっぶな!死ぬかと思った。あり得ないわ中学年。

そんなことを思っていると今度は後ろから怒号が飛んだ。

「あっぶねぇだろぉがぁぁ!?中坊!ぐぉらぁぁぁ!?」

驚いてママチャリを漕ぐのを一旦停止し、振り返る。

そこには真新しい学ランを来た、背の高い男子が立っていた。

その横には先程の猛スピード中学年。

「おめぇ!どこ見て走ってんだ?あ?

さっき当たりそうになったろうが?」

申し訳なさそうにする、中学年が何だか哀れだ。

「ほら。あの人に謝っとけ!あぶねーことしたんだからよ!」

え、私のことですか?

急に小春のことを指されビクッとする。

「さっきはほんとうにすいませんでした。」と

深々と、頭を下げる中学年。

「あ、い、いや、別に大丈夫です!は、はい!」 

何故敬語?

取り乱してしまい、中学年相手に敬語を使ってしまった。

「ほら、とっとと行け。」

そう背の高い男子の促しで中学年は

今度はゆっくりと坂を下っていった。

背の高い男子は何食わぬ顔で自転車を漕いで行ってしまった。

あ、お礼言うの忘れてたわ。どうしよー

まぁ、今度会ったときでいっか!

ご自慢の古びたママチャリに跨がり

漕ごうとしたその時・・・

キーーンコーーンカーーーンコーーーーン

朝のホームルーム開始を知らせるチャイム、

すなわち、遅刻のお知らせが鳴り響いた。

しまったぁぁ!遅刻してしまった!

遅刻ギリギリだったのをすっかり忘れてしまっていた。

そう言えばさっきの男子は間に合ったのだろうか。

いや、そんなことを考えている暇はない!

そそくさとママチャリを漕いで、坂を登り終え、

校門をくぐり、猛ダッシュで教室まで走る。



教室に入ると、当然の如く

皆様方がいい子いい子して座っている。

そのなかで見覚えの顔が・・・

あれ?さっきの男子!!クラス一緒じゃん!

先程の男子は前から3番目の席で

頬杖をついてぼーっとしている。

こんな漫画か小説みたいなことってあるんだねー

と、しみじみ思うのも束の間、

「ほぉー山本、お前初日から遅刻とはな・・・

石崎といいお前といい、中々いい度胸だ。」

と、担任である大茂先生からお叱り。

昨日の入学式の時に紹介があり、

30代くらいの男の先生だ

体格はまぁ、いい方。極めつけは赤縁メガネ

顔はまぁ平々凡々とした感じ。

「え?あ、ありがとうございます!」

「いや、褒めてねぇよっ!」

「す、すみません。」

ってか、石崎?石崎って誰だろ?何人?

サウジとインドのハーフかな?

そんなバカなことを考えながら

先生の指し示す席に座った。

「えー。昨日紹介があったが改めて、紹介しておこう。

今年からこのクラスの担任になったら大茂 義信(よしのぶ)だ!

宜しく。まぁ好きなものはカレーライスだ!

じゃあ、さっそくだが

皆にも自己紹介してもらうぞー!じゃあ一番端の君から。」

好きなものはカレーライスって小学生かよ。

そして、淡々と自己紹介が済まされていき、

お目当ての3番目の席の男子!!

先程救ってくださった?背の高い男子だ。

「んんと、石崎祐介です。木野山中から来ました。

あと、好きなものはカレーライスです。」

うおおおお!先生とかぶってるぅ!!

てか、あの人が石崎って人か・・・

てことはさっき先生が言ってたのはこの人のことであり、

いい度胸してる。ってことはやっぱ遅刻したんだろーな

と、ホッとする。

そして、あっという間に私の番。

「山本小春、泉田中から来ました。ううーんと、

好きなものはカレーライスです!」

うん、何か思い付かなかったわ。

「ふむ、このクラスにはカレーライス好きが多いんだな。」

と、先生が深々とうなずいた。

どーでもいーわ!

その後2,3人ほど自己紹介を済まし

ホームルームは無事終わった。

 


休憩時間にはいり、丁度いいので

石崎くんにお礼を言いに行った。

「石崎くん!さっきは、ほんとにありがとう!」

「ん?さっきの?」

「そう!猛スピード中学年だよ!」

「あー。あれな。お前、大丈夫だったか?」

「うん、全然平気だったよ!」

「そっか、なら良かった」

「うん!ほんとにありがとう!」

「おい、別にそこまで礼することねーよ。」

「そ、そうかな?でもありがとう!スカッとしたよ!」

「まぁ、俺もあーゆの許せねぇからな、何にしろ

お前が大丈夫なら、それでいいよ。」

石崎くんは鼻筋がよく通っていて顔立ちは整っている。

髪は長めで目は切れ長。俗に言うイケメンなのだろう。

ちょっと、カッコいいなと小春は思った。

「こーーはーーるーー!!!!」

と、突然背後から猛獣のような気高き雄叫び。

「千穂ちゃん!?」

振り向く間もなく、背後からガッチリと抱きつかれた。

「ちょっと、千穂ちゃん!苦しいっての!」

「ごめんごめーん。」と、まったく申し訳なさそうじゃないのは

小春の親友で小、中、高と同じ学校に通っている

高山千穂ちゃんだ。背が高く、スタイルがよくて

髪はロングヘアー。大人じみた顔から伺えないほど

ヤンチャな娘っ子。中学ではだいぶモテていた。

高校では隣のクラスになった。

「ど?小春、イケメン見つけた?こっちは全然~。」

「私んとこもだよ!」やばい、石崎のい、が出そうだった。

「あーら、残念。」と、落胆しているような嬉しそうな。

「あ!やっべ!チャイム鳴るわ!またねー!」

と、慌てて帰っていった。

ほんとに忙しい人なんだから・・・

てか、石崎くんとのコミュニケーションを

邪魔しおってから!!プンプン!



チャイムが鳴り、席につく。

「おーし!んじゃーこれから、

委員会とか、係りとか決めるぞー。

あ、一学期の学級委員長は遅刻してきた、

石崎と山本でいいよな?」と先生

えええ!?まじすか?先生!?と心のなかで叫ぶ。

石崎くんは面倒臭そうな顔をしながらも

渋々、承諾しているようだ。

「で?山本は?」

「あ!わか、分かりました。それでお願いします。」と

受け入れてしまった。でも、まぁ、石崎が相手なら・・・。

いやいやいや!けしからん!決してそんなことなど!

と、自分に言い聞かせた。

他の委員会とか係りとかも順調に決まっていき、

残り時間は自習で、小春はおやすみtimeで夢の中。

授業が終わり、先生に呼び出された。

「おい、山本、来週の集団宿泊研修のしおり、

石崎と一緒に作っておいてくれ。プリントをホッチキスで

止めるだけだから。あ、プリンとは俺の机の上にあるから。

それじゃー、宜しく頼んだぞ!」

と、言い残しズカズカと歩いていった。



そして、全ての授業がなんなく終わり、放課後がやって来た。

小春は石崎と共に職員室を訪れて、例のプリントを先生から

受けとり、誰もいない教室でしおりの製作に取り掛かった。

「うわー、これだいぶあるね。」

と、小春はぐったりする。

「まぁ、二人ですれば、何とか終わるだろ。頑張ろうぜ。」

「うん!頑張ろー!!」

二人で・・・か・・・

そんな言葉に少しドキッとしながらも作業を進める。

出身中学の話や、昨日から始まった朝ドラの話など、

他愛もない会話が交わされ、

しおり製作は終盤にかかった。その時だった、

「いってっ!!」と石崎が声をあげた。

「どうしたの!?石崎くん!!??」

「あーいや、大丈夫、ちょっとプリントで切っちまった。」

そう言う石崎の人差し指には少し血が滲んでいた。

「ちょっと!血、で出てるじゃん!ちょっと待てって。」

小春は鞄の中にあるピンクのポーチから、

絆創膏を取り出した。

「あぁ、良いって良いって、たいしたことねーから。」

「ダメだって!ほら!指、貸して!」

と、半ば強引に石崎の指に絆創膏を貼る。

石崎の手はとても綺麗で、指は細いながらも、大きい手。

あ、私、慌てちゃって、手、握っちゃった。

どーしよ、石崎くん、怒っちゃったかな。

「ご、ごめん、石崎くん。私、つい。」

「ありがとな。」

「え。」

石崎は怒るどころか、爽やかな笑顔をみせた。

あ、石崎くん、笑った。

それにつられて、小春も笑ってしまった。

それが何だか可笑しくて、二人で声をあげて笑った。

二人だけの教室に笑い声が響く。


しおり製作は20分くらいで、終わり、

出来たしおりを先生の元へと送り届けた。

大茂先生は満足そうにそれを受け取り、

お疲れさま。と声をかけ、職員室に消えていった。

「うーーん。終わった、終わった!

石崎くん、今日はお疲れ様!」と伸びをする。

「おう。お疲れ。それじゃー帰りますか。」

あれ。もしかして、これ、一緒に帰れるパターーン!?

そう思いながら、心を弾ませ、二人で学校を出た。

二人は最寄りの駅まで一緒に他愛もない話をしながら、帰り、

駅前で二人は別れた。

「それじゃー!ほんとにお疲れ様!バイバイっ!」

と、石崎に手を振った。

「ん。お疲れ、また明日な。」

石崎はそれに答えるかのように、軽く手を挙げた。

石崎くん、彼女とか、いるのかなー?

いそうだよね、イケメンだし・・・

そんなことを考えながら、駅から家までの帰り道を、

ママチャリを漕いだ。

今日は何だか幸せな一日だった。

遅刻はしたけどね・・・。



それから1週間が流れるように過ぎ、

来るは、集団宿泊研修。

学校からバスで40分ほどの宿泊施設に

二泊三日の宿泊をする、高校一年生最初ににして、

最大のビックイベントなのである。

小春はすでに、クラスの女子に馴染み、

先週、石崎くんと共に作ったしおりを広げ、

周りの女子とバスの中で雑談。

「小春ちゃんは、自由時間なにする?」と

目をクリクリさせながら聞いてきたのは、

河村 夏帆(かほちゃんだ。

ショートカットで私と同じく童顔。身長は低くて、

小動物みたいにちょこちょこ動く。

声も可愛くて、ほんとに癒される、可愛い!飼いたい!

「夏帆ちゃんは、どーするの?」

「うーん、夏帆は、ボーリングしたい!」

「いや、無いでしょそんなん!?」

と、鋭い突っ込みを入れたのは

大山ひかりちゃん。

髪はロングヘアーで、おでこを出している。

カチューシャが、似合ってて、とても可愛い。

クールで、スゴく大人っぽく、何だか、かっこいいのだ。

「ペットボトルでピン作ってやりゃーいーじゃん!?」

と、提案するのは、藤宮莉子ちゃん。

触角ヘアーにポニーテール。顔は整ってて、

アイドル見たいな顔立ち。何ともモテそうなお顔だ。

「いや、莉子、あんた適当すぎ。」とひかり。

ひかりと莉子は同じ中学出身で仲がいいのだ。

「まっ、適当に施設内ウロウロしてりゃーいいんじゃない?」

莉子ちゃんほんと適当だなぁー、でもそこがいい!

と、一人で小春は納得した。

宿泊研修は、小春、夏帆、ひかり、莉子の四人班で組まれた。

寝る部屋などもこの四人だ。

そして、何やかんやで気づけば到着していた。

宿泊施設はぼちぼち大きく、綺麗だった。

三棟の建物が渡り廊下で繋がっており、

学校みたいな作りになっている。

開会式の挨拶は石崎くんで、

本人曰く、某質問サイトから

お取り寄せした、テンプレを淡々と読み上げていた。

小春と、石崎は学級委員長なので、

一番前で隣同士だ。

挨拶をし終えて、拍手の中、戻ってきた石崎に

小春は、良かったよ。と声をかけた。

テンプレだって!と、石崎は照れくさそうに笑った。

あー。やっぱ石崎くんかっこいいなぁ。

長ったるい開会式は終わり、各自部屋に行き、

荷物を整理した。

紺の体操服に着替え、夏帆たちとグラウンドに出た。

これから、死ぬほどダルい集団行動が始まるのだ。


「あーーーー。ほんとに疲れたぁ。」と

ため息を漏らす莉子。

「私ら軍隊にするつもりかよってね!」

ひかりが不満そうに突っ込みを入れる。

集団行動が終わり、皆お疲れの様子。

小春もへとへとになり、ベッドに横になる。

夏帆はもうすでに夢の中のようだ。

「夏帆ちゃん、寝てるじゃん。」と、莉子は

夏帆の顔を覗き込んだ。マジックペンを取り出した莉子を

ひかりが慌てて止めた。

「ちょっ!莉子!ダメだって!夏帆ちゃん泣くよ!?」

「ジョーダンジョーダン♪そんなんするわけないじゃん!」

流石のクールビューティーひかりも焦っていた。

「あははっ!莉子ちゃん面白いねー!」

と、小春は笑った。

それにつられて、皆も笑いだし、

その笑い声で夏帆が起きた。

「んんっーー。ムニャ、蟹煎餅。」

と、謎の発言をする夏帆にまた一同が笑い始めた。

「ちょっ、夏帆ちゃん、なんの夢見てたのよ!蟹煎餅て!」

「食いしん坊なんだねー。」

「蟹煎餅って何だろ?美味しそう・・・。」

皆が口々に言うのを聞いて、夏帆は顔を真っ赤にしていた。

「あ、もうそろそろお昼ご飯の時間だね!」と

小春が嬉しそうに言うと同時に、

昼食を知らせるアナウンスが流れた。



時計を見ると午後9時半を指していた。

「あ、もうこんな時間かぁー。」

一日目のプログラムは全て終わり、

消灯時間が近づいていた。

結局、自由時間はダラダラと部屋で過ごした。

「ほんとだ、そろそろ電気消す?」

「いいんじゃない?あーーあ、つーかーれーたー。」と

莉子はベッドに飛び込んだ。

各々がベッドに入り、

ひかりが電気を消した。

暗闇の中、莉子が呟くように言った。

「ねー、皆さ、クラスにイケメンなな人いる?」

「さぁね。そんなまじまじと見てないから。」と

ひかりは流した。

「夏帆ちゃんと小春ちゃんは?」

え。私ですか?石崎くんって言いたいけどな。

いじられたりしたらあれだし・・・

「うーーん、私もわかんないかな~。」

と無難に行くことにした。

「夏帆も、分かんないや。莉子ちゃんいるの?」

「うちさ、石崎くんとか、かっここいなって、

ほら、あの学級委員長のさー。ど?」

え!?石崎くん!?

いきなりその名が飛び出てきて、驚いた。

「ねー、小春ちゃん、同じ、学級委員長として

どーなのよ。まさかもう・・・」

「いやいやいや!ないないないって!」と

慌てて言った。

「あーやーしーいー。」と、まだ、莉子が追及する。

「ほんとに無いってば!!」

「うん、でも、夏帆もあの人かっここいなって、思うな。」

むむっ。何でこんなに皆、石崎くんを・・・

「んで?ひかりはどーおもう?石崎くん。」

「私は別に?何とも・・・。」

「うっそだー!うち、ひかりのタイプだと思うんだけどな?」

「ほんとに何も思ってないか!」

すると、ドアがノックされ、女性の教師が

早く寝るよう注意してきた。

「ほら!馬鹿な事言ってないで、さっさと寝るよ!」とひかりは

寝る態勢を整えた。

夏帆も寝入り、まもなく莉子も寝息を立て始めた。

小春は中々寝付けない。

石崎くん、やっぱりモテてるよぉ~。

はぁーやっぱり、私には無理なのかも・・・。

てか、私、気付いたら石崎くんの事を考えちゃってるんだよね。

え・・・待てよ?これってもしかして、俗に言う恋ってやつなのか!?

いつ・・・からだろ。こんなこと思うようになったのって・・・。

いや!ないないないなーーーい!私が石崎くんのことを好きなんて・・・。

そんなだって、まだ1週間だよ!?そんな簡単に好きになっちゃうかなぁ?

しかも、私、恋とかしたことないしさ。

あー何だかモヤモヤするぅ~。



『みぃ~んなぁ~あ~さ~だ~心地良いあ~さ~だ~♪』

「!?」

何だこの胸糞悪い歌は!?

小春は頭が可笑しくなりそうなので飛び起きた。

「ちょっ、何この歌ぁ~!!」

と莉子も飛び起きた。

『今日もぉ~たのしぃ~あ~さ~d・・・っブチっ!

ひかりが歌の途中で放送機のスピーカを切った。

「何ていう最悪な起こし方・・・。」

とひかりは怒りに震えていた。

恐らく、この歌の主は国語科教諭の野田先生だ。

年配で、強面、声はダミがかった超低音。

そんな声で歌われたら、頭が可笑しくなる。

そんな状況下でもただ一人夏帆はまだ、寝ていた。

「ちょっ、夏帆ちゃん、まだ寝てるよ!!

よくこんな状況で寝られるよね!!」と、莉子が驚嘆する。

「寝ることに対する執着がすごいのね・・・。」と、ひかりも同調していると

「んんっ・・・ムニャ、蛸煎餅・・・。」とまたもや謎の煎餅シリーズ。

「今度は、蛸か!」とひかりが突っ込む。

「煎餅、ほんと好きなんだね~。」と小春が感心。

「しかも、蟹とか、蛸とか!」

「美味しんじゃない?」

と、またもや皆が口々に言うのを聞いて、夏帆は顔を赤らめる。



朝食を済まし、女子は屋内競技場、男子はグラウンドに出た。

二日目の今日は、クラス対抗プチ球技大会をするらしい。

男子はサッカー、女子はバスケだ。

競技説明が終わりさっそく試合開始だ。

1試合目は小春のクラスと、隣のクラス、すなわち

小春の親友である千穂のいるクラスとだ。

中々の接戦で、何とか小春のクラスが勝った。

試合が終わった後、千穂がやってきた。

「小春んとこやるじゃん!あの、ポニテの子、強いし。」

「あ~。莉子ちゃんのこと?確かにうまかったよねぇ。

中学の時に、バスケ部だったのかもねー。」

そんな話をしていると、千穂のクラスの人たちが千穂を呼んだ。

んじゃ!といって千穂は去っていき、

小春も莉子に呼ばれて、クラスに戻った。

「ねぇ、ねぇ、石崎くん見に行こうよ!」と莉子が提案してきた。

「夏帆も見に行こうかなー。」

「私も、見に行くよ!」と小春も大賛同だ。

「ひかりはどーすんの?行くよね?ねぇ?」と莉子がニヤけながら言う。

「分かった、分かった、見に行くわよ。」と渋々承諾した

と、いうわけで次の試合まで時間があるため、グラウンドの端で

サッカーを見ることにした。

「あ、負けてんじゃん、うちらのクラス。」と莉子が残念そうに言う。

「3-2か~。何とかなるんじゃないかなー。頑張れー!!」と夏帆が声を上げた。

ボールは石崎に渡った。向かってきた相手を、軽々とかわす。

しかし背後から来た二人が石崎を囲む。厳しい状況だ。

「石崎くん!!!頑張ってぇぇ!!!!」と見かねた小春が声援を送る。

その時、石崎は小春の方をチラリと見た。

そして、敵、二人の間から思い切りボールを蹴った。

そのボールは美しい放物線を描き、少し距離のある、ゴールへと

吸い込まれるようにして、ゴールネットを大きく揺らした。

小春のクラスから、歓声が上がり、

小春たちも、盛り上がる。

相手クラスは、項垂れながら、コートの真ん中に戻っている。

「小春ちゃん、凄かったねぇ~。」と莉子がニヤニヤしている。

「良かったよぉ~小春ちゃん!」夏帆もにやけている。

「これが、愛の力かしら?」とひかりまで。

しまった!!さっきの勢いで、石崎くんの名をさけんでしまった。

身体の芯がカッと熱くなっていく。

「あ、あ、いや、その、これは、ちがっ、えーと、そ、その、勢いっていうか・・・。」

と、慌てて取り繕うが、時すでに遅し。

「あ~、やっぱり、小春ちゃん石崎くんのこと・・・。」と莉子が詰め寄る。

「ほっほんとに!違うって!今のは、うん、ほんと、勢いで・・・。」

「小春ちゃん、顔真っ赤だよー!可愛いね~。」と夏帆も莉子に乗っかる。

いや!夏帆ちゃんの方がいつも顔赤くなるけども!



球技大会は結局、女子は二回戦敗退だったが、

男子の方は、あれから持ち返し、結果は何とか準優勝まで漕ぎ着けたらしい。

小春たちもその話題で持ちきりだ。

「石崎くんのシュートカッコよかったわ~。」と莉子が感嘆の声を漏らす。

「莉子ちゃんの方が、石崎くんのこと好きなんじゃないの?」と

小春が反撃してみる。

「へ?ないない!カッコいいのと、好きなのはだいぶ違うし、

それに、いくらカッコ良くても、名前何て、叫ばないしね!!」と嫌味たっぷりに、

論破されてしまった。

「ちょっ、ちょっと~止めてよね~。」

「もーさ、告っちゃお~よ!」と夏帆が親指を立てる。

「え、え、え、いやいや、無理無理!断られるって!」

「良いじゃない、恋なんて当たって砕けてみるものよ!」とひかりも同調しだした。

「ほんとにやめてよ~も~!!ちょっとトイレ行ってくる!」

「あ!逃げたな!」と言って莉子が笑う。

はぁ~どうしよ。やばいよね。これ。

用を済ませ鏡の前でため息をつく。

鏡に映る自分の顔をまじまじと見て、再度ため息をつく。

私となんか、釣り合うわけないよね~。あんなイケメンと。

喉が渇いたので、一階にある自動販売機に行き、ミルクティーを買おうと、

財布のチャックに手をかけた瞬間だった。

横から500円が差し出された。

え?と思って顔を上げると、そこには

石崎くんが立っていた。

「ほら、これで好きなもんでも買えよ。」と石崎が顎をしゃくって促す。

「え!?な、なんで!?い、いや、ダメだよ、もったいないよ!」

「今日、応援してくれたじゃん、だからその礼だ。

いいから、選べよ、好きなもん。早くしねーと、俺が選ぶぞ?」

「で、でも・・・。そんなたいしたこと、してないよー。」

「そんなことねーよ。あれがなきゃ、準優勝できなかったかもしんねーぞ?」

「えぇ!?そんなに?あ、ありがと。」

「バーカ。何でお前が礼を言うんだよ。

礼を言うのはこっちの台詞だっつの!・・・ありがとな。」

照れくさそうにする石崎を見て、小春の鼓動は一気に早くなる。

「じゃ、じゃあ石崎くんが選んでくれていい・・・よ?」

「何だよそれ、何選んでも文句いうなよ~?」と笑いながら

真剣に選んでいる姿を見て、小春は吹き出した。

「あははっ、石崎くんって面白いね~。」

「な、なんだよ!なんでだよ!?」と、また笑い出す。

石崎は迷った末に、ミルクティーのボタンのところで指を止めた。

嘘・・・。さっき買おうとしたミルクティー・・・。何で・・・。

「これでいいか?・・・?どうした?」

「あ、ううん、何でもないよ!それが一番飲みたかったんだよね!

だから、石崎くんすごいなって・・・。どうして分かったの?」

「どうしてって、直感だけど、それならいいや。」

と言って、ミルクティーのボタンを押した。

「ほい、ミルクティー。」と言って小春に手渡した。

「あ、ありがとう。」

冷たいミルクティーが、熱くなった身体を冷やしてくれるみたいだ。

「だからっ、礼を言うのは俺の方だっての!あ、そろそろ風呂だから行くわ、

じゃーな。今日もありがとな。」

と言って、残りのお釣りでコーラを買い、去って行った。

ふぅ~~と息を吐き出した。まるで夢のように思えてならない。

今日も・・・か・・・。石崎くんは今日はじゃなくて、

今日もって言ってくれた。そんな些細な言葉でも小春には嬉しかった。

ミルクティーを頬に当てた。



「小春ちゃん、遅かったね~トイレって大きい方だったの?」

「ちょっと!莉子!はしたない事いわないの!」

「あれ?小春ちゃん!!顔赤いよ?熱でもあるんじゃない?」

かっ夏帆ちゃん!?ぐっ・・・余計なことを・・・

「あ!ほんとだ!赤いじゃん!?あれ?もしかして

うちらに内緒で石崎くんと・・・。」

「はひっ!?いや!そんなわけないじゃん!何いってるの!?」

「図星ですな・・・。」

「今、声が裏返ったもんね~。」

「まぁ、まぁ、そこら辺にしといてあげな、可哀想だからさー。」

おぉ!救世主ひかり殿!!

「あれ~?もしかして、ひかり、ヤキモチ妬いてるの?」

「は!?何言ってんの!?そんなわけないでしょ!?」

あれ、まさかの展開・・・。

ちょうどその時、夕食のアナウンスがかかった。

今日の夕食はバーベキューだ。



「お~し、それじゃあ、石崎と山本は悪いが、先に行って

調理師の方の指示に従い、下準備をしにいってくれ。

それから、各班の食事係も同行してくれ。」

え・・・また、石崎くんと・・・はっ!?

視線を感じ振り向くと、夏帆と莉子がニヤニヤしていた。

もう!ほんとにぃ~。

私の班の食事係はひかりちゃんで、すこし

ホッとした。あの二人だったら何言われるかわかったもんじゃない。

下準備といっても椅子の配置や、お皿を配ったり、

バーベキューの金網のセッティングしたり、とたいしたこはなく

石崎は、他の男子と話していて、小春とは、言葉を交わすことはなかった。



バーベキューもだいぶ盛り上がり、終盤に近づいて来た。

小春たちも満腹になっていたのだが、

まだ、食材はだいぶ残っている。

「う~ん完食あは無理だね~。」と夏帆が残念そうに言う。

「夏帆ちゃん結構食べてたよね~。何でそんなに食べても

太らないのが不思議だよ~。」

「そ~かな?でも、莉子ちゃんだって太ってないじゃん!!」

すると横から、

「なあ!お前らさ、これさ、たべねぇ~のぉ~?」と

同じクラスの男子が声をかけてきて、その後ろから何人かの

同じクラスの男子もやってきた。

その中には石崎くんもいた。

「ええ、もう食べないわよ?あー、もしよかったら食べてくれない?」

とひかりが食材の入った皿を差し出した。

「お!まじか、サンキュウ~♪」

「ねぇ~。どーせなら、うちらのとこで食べなよ~。」と莉子が誘った。

「お!いいじゃん!お前らもいいよな?」とその男子は他の男子の同意を求めた。

そして、どうやら他の男子の同意を得られた様で

小春たちのテーブルの空いている席に座った。

どうしよ。石崎くんいるじゃん・・・。身体が熱くなる。

これは、バーベキューの火が熱いからではないのだろう。

「あ、クラス同じだけど、一応自己紹介ね。俺の名前は

金森(かねもり)涼!一応これでもフリーで~す!」

そう言った男子はさっき話かけてきた男子だ。

チャラいイメージだが、中々のイケメン。

高身長で、痩せ型、顔立ちもすっきりしていて

若手の俳優みたいな顔をしている。

それにしてもこれでもってどれだよ。

「んで、あの太いのが井口で、あの強面は杉下、

んで、イケメンの石崎!!」

と勝手に一人で全員の紹介を済ませてしまった。

「おい、他に言うことねーのかよ!」と太めの井口。

「強面とは、なんだ、チャラ男。」今度は強面杉下。

「イケメンってなんだよ・・・。」石崎も乗る。

しっかし、金森くん的確な紹介ですぞ!

特に石崎くんは・・・。

そんなこんなで盛り上がったバーベキューも静かに幕を閉じた。



『みぃ~んなぁ~あ~さ~だ~心地良いあ~さ~だ~♪』

「!?」

またかっ

なぜこの方法で起こそうとする!!

「ドゥレイッ!!」

雄叫びをあげ、布団を蹴り上げた

『今日もぉっ・・・ブッチっ!!

「ホンットいい加減にしてほしんだけど!!」とまたしても

ひかりが憤怒しながら放送機のスピーカーを切る。

「やれやれだよね~。」と莉子も肩をすくめる。

そしてなぜかまだ寝ている夏帆。

「ちょっ!だから何で寝れるの!?」と驚く莉子。

「寝ているときは煎餅に夢中なのよ。」とひかりは割り切る。

「んんっ!?ムニャ・・・鹿煎餅・・・。」

「え!?そこで鹿煎餅!?」ひかりが突っ込む。

「それ、鹿に食わすやつだよ・・・。」と笑う莉子。

「何で鹿になったんだろ・・・。」小春も怪訝そうに言う

そして、毎度のように顔を赤らめる夏帆ちゃん。

この(くだり)何回目だろ。

昨日は、球技大会やら、バーベキューやらなんやらで

だいぶ疲れたらしく、あっという間に皆寝入ってしまった。

そして今日が宿泊研修最終日。

にも関わらず、最後にして最悪な日なのだ。

何んと宿泊研修最終日のイベントは、マラソン大会なのだ!!

1周1.5kmのコースを女子は3周、男子は4周走る。

なぜ最終日にこれを持ってきたのか、イマイチわからない。

ありえないでしょ!マラソンて!!しかも最後に!!

「ほんとダルイよね~。」と不満そうな莉子。

「夏帆、走るの苦手~やだなビリだったら。」

「しかもこれ、友達とかと走ってたら、怒られるらしいし・・・

ホンット、何のために集団宿泊研修やってんのよ!

集団関係ないし!!」と最もな意見を言うひかり。

4人して大きなため息をつきながらも嫌々グラウンドに出る。



グラウンドに整列させられ、競技説明が始まった。

どうやら、全クラスを二つに分け、

前半と後半で、走るようだ。

また、タイムが速かった者にはささやかな景品があるそう。

小春たちのクラスは前半で、さっそく準備体操をして、

スタートラインへ並んだ。

ものすごい数の生徒が並ぶ。その数ざっと150人。

こんな中一斉にスタートしたら、大変なことに

なりそうだと、小春は懸念した。

『位置について!スターーート!!』

ピィーーーーーっと笛の合図で

一斉に皆が飛び出した。

小春が懸念するようなことは起きなかったようで、

安心した。

暫く、平坦な道程が続いたが半分を過ぎた頃に、

長い上り坂になった。

あ~やばい。しんどい、てか、長い!

学校の近くにある坂よりも長いんじゃないの!?

息が続かない。足が重たくなる。

それでもやっとのことで、登り切り

2周目に入った。

流石に疲れたので少し歩く。

すると、見張っていた先生に発破をかけられた。

ちっ!と心の中で舌打ちし、ペースを上げる。

そして、あの長い坂に差し掛かる。

汗が吹き出て、心臓が破裂しそうだ。

坂を6分目くらいまで登ったその時だった―

グキィッ!!!???

グキィッ??何の音だろうかと不思議に思った瞬間、

目の前が揺れた。

バッッタン!!

目の前に広がるのはコンクリートの道。

「いっっつー・・・。」

どうやらつまずいたらしい。

あぁ!!もう!最悪!!

苛立ちながら立とうとするが、

右足首に激痛が走る。立てない。

やばいよ・・・捻挫したかも。

どうしよう。

周りの人はそんな小春に、目もくれず

悠々と走っていく。

誰か・・・助けて・・・。

助けを求めようにも、声が出ない。喉が渇き切っている。

やばい、泣きそうだ。

グッと涙を堪えて、対策案を捻り出す。

「おい!!どうした!?!?」

はっとなって顔を上げる。

「どっか痛いのか?たてるか?」

この声は・・・あ、やっぱり石崎くんだ!?

「いっ石崎くん!?!?」

「大丈夫か?どうしたんだよ。」

「右の足首が痛くて・・・あ、でも、平気だよ?」

と、やせ我慢して立とうとするも、激痛で立てない。

「全然大丈夫じゃねーじゃねーか!無理してんじゃねぇ!」

そう怒鳴りつけると、小春を軽々と持ち上げ、背中に背負った。

「え!?ちょっと!?石崎くん!?」

「嫌かもしんねーけど、我慢してくれ。」

「そ、そんな!そういうわけじゃなくて!石崎くんタイムが・・・。」

「バカか!!!お前見捨てて、出した記録で、景品貰っても

そんなんただのゴミにしかなんねぇよ!!!」

石崎は小春を背負ったまま、坂を登る。

こんなことがあっていいのかな。

こんな奇跡みたいなこと。まるで、小説とか、漫画の中の

ヒロインのようだよ。

うまく出来すぎている。

「私の人生、順風満帆にいき過ぎてるよ。」石崎の背中で呟くように言った。

「ん?何かいったか?」

「ううん、なんでもない、ありがと。」

そう言って石崎の背中を抱き締めた。

石崎が小さく笑ったようにみえた。

坂を登り切った後、宿泊施設の裏口から施設内に入り、

医務室まで運び込んだ。

石崎は医務室の先生に事情を話すと、そそくさと去っていった。

「ありがと!!!」

小春にはそう叫ぶのが精一杯だった。

もしかして、この胸の鼓動、石崎くんに伝わっちゃたかな・・・。

青紫に腫れた右足首を見つめながらそう思った。



「ちょっと!!小春ちゃん!?大丈夫なの!?」

「どうしたの!?骨折!?捻挫!?」

「あら~だいぶ痛そうね。」

と、莉子、夏帆、ひかりが医務室に飛び込んできた。

「あ、うん、何とか。軽い捻挫だって。さっきはだいぶ

腫れてたけど、ちょっとは、ひいたよ。ありがと。」

「そっか~。心配したよ~ほんとに~。」と夏帆が力が抜けたように言う

「あ、そ~だ!ジャン!!」と言って取り出してきたのは、

ベージュのもこもこした生地で出来たトートバックだった。

「あ!可愛い!どうしたの?これ。」

「実はこれ、マラソン大会の景品なんだよね!!」

「え、莉子ちゃん、景品貰ったの!?すご~~い!!」

「莉子、何だかんだ言って運動神経はいいものね。」

「ちょっと!ひかり!『は』って何よ!運動神経以外もいいもんねっ!」

一同が声をあげて笑った。

「あ、そう言えば!小春ちゃんの

石崎くん、何でか、特別賞もらってたよ?」

と莉子が楽しそうに話した。

「ちょっとぉー、変なこと言わないでよね!

てか、特別賞って?」と、一応しらを切っておく。

「とか、言っちゃって~もしかして、小春ちゃん

1枚噛んでるんじゃない?」と莉子が図星をつく。

「え。そんなわけないじゃん!ハハハ・・・。」

そっか。石崎くん、特別賞貰ったんだ。良かった。

「ねぇー小春ちゃん!教えてよぉー!絶対怪しいじゃん!」

「フフン♪内緒♪内緒♪」

こうして、長きにわたる、

集団宿泊研修は幕を閉じたのであった。



「ちょっと!早くない?待ってよぉ。」

小春が懸命にママチャリを押し上げる。

「おい!!モタモタしてると、遅刻しちまうぞ!」

「ごめんごめーんって!」

入学してからはや、2ヶ月がたった。

石崎くんとは、最近よく一緒に登校するようになった。

この坂を登る度、あの日の朝を思い出す。

石崎くんと出会ったあの日の朝だ。

私が初めて恋をするキッカケとなった日。

「なぁー。宿泊研修の時のさ、マラソン大会で、

お前が俺にボソッと何か言ったよな~。」

「え?あぁーうん。」

「あれ、何ていったんだ?」

小春は微笑んで見せた。

「好きだよって。」


雲ひとつない青空。

暖かい風が二人の間を吹き抜ける。

本日は、恋日和なり!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ