表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/38

36:調合チュートリアル

 カラン、とドアベルを鳴らしながら私は薬局に入る。

「いらっしゃい。喜楽さんだね?」

「はい。今日はよろしくお願いします」

店主のおばあさんはにっこりと微笑む。

「うんうん、よろしくね。それでは調合に行きましょうか。こちらですよ」


 調合室には薬剤や材料、乾燥された材料が瓶詰めされて棚に並んでいた。

「棚から赤魔力茸を1つとラブリーリーフを2本、双葉草を5本持ってきて」

「はい」

棚から材料を探す。それにしても懐かしい。

これって、錬金術の時にやった魔物避けで作ったやつだよね?

ああ、双葉草にラブリーリーフ。赤魔力茸は……あったあった。


 調理台……じゃない。調合台の上に材料を並べる。

「双葉草と赤魔力茸を荒みじん切りにしておくれ」

言われた通りに荒みじん切りにする。

「すり鉢と擂り粉木(すりこぎ)を出して」

調合台から道具を取り出す。

「まずは双葉草を。次に赤魔力茸を磨り潰してね」


 荒みじん切りになった双葉草を磨り潰す。

磨り潰している内に双葉草から汁が出てきた。そして、鮮やかな緑色のペーストができ、青臭い臭いを放つ。


 次いで、荒みじん切りの赤魔力茸を投入し、磨り潰していく。

緑と赤が混ざりあい、黒いペーストが出来上がった。青臭い臭いは異臭となっている。

……私は嗅覚を下げた。


 おばあさんはすり鉢を覗きこむ。

「うんうん。これくらい混ざっていればいいわね。次はお湯を沸かしてラブリーリーフをティーにするの。お湯は200ml。蒸らし時間は50秒よ。魔物避けを作るならハート型の葉っぱを引き裂いて。魔物寄せならそのまま入れてね。何故かこの草、引き裂くかそのままかで香りやティーの色が違うの。不思議よね」

ふんふんと頷きながらお湯を沸かすために鍋を用意して『ウォータリング』と『ファイアリング』を使う。


 ティーポットを取り出したらお湯を200ml注ぎ、蓋をして待つ。ポットが温まるとお湯を棄て、ラブリーリーフを引き裂いてお湯を注ぐ。徐々に刺激的な臭いを放ち始める。


嗅覚落としたのに……


 きっかり50秒。茶漉しでラブリーリーフを取り出したらおばあさんを見る。

「鍋に入れて。ティーが冷めたら双葉草と赤魔力茸のペーストと混ぜ合わせるの」

 鍋を出してティーが冷めるのを待ち、注ぐ。双葉草と赤魔力茸のペーストを投入する。

「右に20回、左に10と4分の3回、右に1回円を描くように混ぜて」

 右に20、左に10と4分の3、また右に1回。

「さあ、もうすぐ出来上がりよ。布で()して、液は瓶に注ぐの」

布で濾して、液は瓶に注いだ。


《調合チュートリアルが終了しました。

 チュートリアル・カウンターに報告してください》

《調合スキルを獲得しました》


「野外で休憩する時や採取をするなら魔物避けは必需品よ。薬を振り撒けば(ほとん)ど の魔物が近寄らなくなるわ。安全のためにも忘れちゃダメよ」

「はい。ありがとうございました」


ーーー獲得スキルーーー

調合スキル +INT2


ーーー獲得報酬ーーー

100(コイン)

丈夫な小瓶(150ml) 150ml入る小瓶。付加魔法『テンパリング』によって割れないよう加工されている。

テンパリング(tempering)冶金して強化する。

Tempered grass 強化ガラス

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ