35:皮革工チュートリアル
冬休みですよ。そろそろ冒険に繰り出そうかと思って皮革の加工チュートリアルを受けようかと思う。
皮系の一覧を前に考える。
やはりここは皮鞣しから始めよう。
皮加工業者の工房に入れば刺激臭に襲われる。即座に出ていきたくなるところを止まって、設定から嗅覚を下げて対応する。
「おう。来たか」
「よろしくお願いします」
「任せい」
おじさんはニッと歯を見せて笑うと奥の加工場に向かった。
加工場は広く、棚には加工済みの革が詰められていた。
「皮にとって湿気は天敵だからな。入り口は二重構造にしてあるんだ」
こっちだぜ、と連れて行かれた先は机に広げられた皮の前。おじさんは壺を片手に説明を始める。
「この中には木の実の渋で作られた薬品が入っている。動物性脂を分解して、柔らかくするために何度も薬品を塗るんだ。徐々に濃度を高めてな。一度に高濃度の薬品につけちまうと浸透せずに表面にしかつけれねえから気をつけろよ」
やってみろ。と言われて壺を受けとる。
「バターを塗るようにまんべんなくな」
ヘラで掬い取り、まんべんなく塗り広げる。
「で、乾くまで干しておく。次のやつはこっちだ」
塗られた皮を吊るし、別の皮を持ってくる。
「これは30回薬品を塗りつけて乾かしてを繰り返したやつだ。どうだ? さっきの皮と違って綺麗な飴色だろう!」
確かに先程の皮と比べて柔らかく滑らかそうに彼の腕に垂れ下がっている。色合いは艶やかな飴色だ。
「後は製品によって脱色したり染色して靴やグローブ、鎧や兜にするんだ」
染色スキルがあるようだし、その辺の説明は省くぜ。と言われて頷く。
《皮革工チュートリアルが終了しました。
チュートリアル・カウンターに報告してください》
《皮革工スキルレベル0を獲得しました》
ーーー獲得スキルーーー
皮革工スキルレベル0 +DEX1
ーーー獲得報酬ーーー
100C
鞣し液調合表
「おつかれさん! これでチュートリアルは終わりだぜ! 製品によっては皮を鞣すものと毛皮を鞣すものがあるからそこらはちゃんと判断しろよ」
「はい。ありがとうございました」
工房から出て調合表を見る。
「調合スキルも獲得するべきかな……」
来週までに考えよう。




