30:斧チュートリアル
ちょっとファンタジーにおける大斧少女について科学しちゃってます。
イメージを崩したくない方は危険ですので読まないようにお願いします。
紡いだ糸を脱色液に漬け込み、チュートリアル・カウンターで斧チュートリアルをお願いする。
アイテム・ボックスから取り出せたのは3種類。刃の大きな斧、小さな斧、先端が槍になっている斧だ。
とりあえず大きな斧を戻す。……重量制限に引っかかったのだ。
刃の小さな斧ーー投げ斧とは違い、柄は長いーーは杖と比べて重い分、遠心力で体勢が崩れやすいものの長柄武器の範囲なので取り扱いは容易だ。
よく物語で小さな女の子が大きな斧を振り回しているけど、体重的にキッツイものがある。遠心力によって体が振り回されるのだ。
彼女達は遠心力によって振り回される体を計算して戦闘していたのだろうか。いや、これは考えすぎで フ ァ ン タ ジ ー だからできるんだ! ということだろうか。
計算して使ってみる。
遠心力を最大限に活用するとなれば柄は極力端を持たなければならない。
端を持つということはその分重くなるということでもある。
いったい、どんな筋肉量だ。
端を持つということは斧頭を下にして持ち歩く? いやいや、それは歩きにくいから金太郎的に担ぐんだと思われる。
まあ、大きな斧と違って普通に持てるから斧頭の下を持つと杖のように収まるからいいとする。
振り回してみる。
極力端を持つと杖のように構える。上段に構えて肘を中心に回転する。上半身が泳いでふらつく。踏ん張っているのにだ。
今度は横に。遠心力に持っていかれる体は言うことを聞かず、止まるに止まれない。
エンジョイ・ライフはVR。ファンタジー要素が入っているもののリアルーー現実に基づいている。ファンタジー要素はこれからスキルレベルを上げなければ無理なようだ。
つまり、スキル習得する前に取り回すにはかなりの筋力と圧倒的な身体能力と体が振り回されても認識できる動体視力と重い鎧兜を身につけたり筋肉をつけてムッキムキになって重くなるしかない。
彼女達は超人である。
なーんてことを振ったり突いたりしているとインフォメーションが流れる。
《斧術チュートリアルが終了しました。
チュートリアル・カウンターに報告してください》
私は何故フィクションを科学していたのだろうか。まあ、気になったのだから仕方ない。
彼女達はファンタジーなのだ。大きな斧もファンタジーでありフィクションだから簡単に使えるのである。
断じて、重量級の鎧兜に身につけたガチムチ娘ではない。
夢が壊れるじゃないか。
おっと。インフォメーションが終わっていた。また考えに没頭したみたいだなぁ。気をつけないといけない。
ーーー獲得スキルーーー
斧術スキルレベル0
+STR2
ーーー獲得報酬ーーー
100C
三月斧
まさかのSTRのプラスが2だった。
今度は同じ重量級武器の槌とか長剣……は重量級に入らないか。鞭、大刀や大剣をやってみるのも悪くない。
どうしようかな。




