27.システムチュートリアル(アシスト機能)
短め。エンジョイ・ライフというより、VR全体のお話。
学校に向かう通学ヘリの中、兄に相談を持ちかける。
「あのさ、お兄ちゃん。剣ってどうやったら使えるの? 投げナイフは持ち方すら分からなかったし、構え方すら全くで困ってんだ」
「は? アシストが教えてくれるだろ?」
はい?
「何それ」
「お前、マジか」
はあぁ……と長く溜め息を吐く兄は項垂れた。
「現実で武術やるような人は少ないだろ? なのに、ゲームは広く普及しているわけだ。戦えない格ゲーなんてお呼びじゃないだろ? だから、一般人のためにゲームではアシスト機能がついてる。持ち方なんてすんなり分かるようになるし、どこを斬れば急所になるかも教えてくれる」
「どうやって?」
「絶ち筋が光る」
分かりやすいな!
なんでアシストが効かないのだろうか。と、リストフォンをモニターに繋ぐ。
「どう?」
兄に見てもらうとクックッと笑いだした。
「これ、5年前に切ってあるらしいぞ」
5年前? 7 8 の時って何をしてたっけ?
「おおかた、ライブラリでのアシストが鬱陶しくて切ったんじゃね?」
あ り う る 。
「今度インする時は忘れずアシスト入れろよ。あと、更新もしとけ。5年前のアシストじゃ不便かもしれないからな」
「うん。ありがとう、お兄ちゃん。また教えてね」
今夜のインが楽しみだ。




