26.小刀チュートリアル
冒険者ギルドにやって来ました。
今回はSTRを上げようかと思います。
「お姉さん、こんにちは」
「はい、こんにちは」
お姉さんはゆったりと微笑む。私も笑みを返した。
目の前の人が笑っていると、嬉しくなるよね!
「チュートリアルですか?」
「はい! STRを上げようかと思うのですが、やっぱり武器とかのチュートリアルになるんですかね?」
「そうですね。STRを上げるなら、武器や防具、力仕事になります」
その力仕事は無理なんですよ。
「5㎏以下の武器と防具を見せて下さい」
「5㎏ならばこちら、小刀や短剣、レイピアなどの細剣に十手になります」
「小刀チュートリアルでお願いします」
アイテム・ボックスを受け取ると訓練場に向かう。
小刀なんて持ったことがないから杖術とは違って白線内のチュートリアルだ。
レベル1のチュートリアルはもしできるようなら後でします。できるとは思えないよ。
小刀を取り出す。刃渡り18㎝くらいで幅が5㎝の片刃。握りは角を丸くした長方形でどことなく包丁を思わせる……いや、これは包丁なのでは?
うん、まあ、なんだ。高級包丁は刀鍛冶師が作っているとか聞いたことがあるし、小刀なんて包丁みたいなもんだよ。ナイフが来なかっただけいいじゃないか!
とりあえず、構える。
構える? 調理台に向かうような構え方で合ってる?
上段に構える。はっきり言ってこわい。刃渡り18㎝の小刀で上段に構える理由は何?
圏内に入って降り下ろすまでに相手の攻撃が入るほど全身が丸見えな気がする。
上段に構えて威圧感がでるのは日本刀とか長剣とか大刀。そういうリーチの長い武器なのだと思うの。
思い返してみよう。サスペンスの犯人はどのように人を殺していた?
グッと握りこみ、手はヘソの位置に。脇はしめる。包丁を持つ側を半身下げる。固定の為だったのだろうか。空いた手は握る手を覆っていた。
腰を落とす。かかとを浮かせて素早く動けるようにし、相手にむけて前傾姿勢。
仮想の敵がそこにいるとして……突撃する!
《小刀チュートリアルが終了しました。
チュートリアルカウンターに報告して下さい》
《小刀スキルレベル0を獲得しました》
『料理人への道
・料理スキルレベル100(MAX)
・解体スキルレベル50
・調合スキルレベル50
・醸造スキルレベル50 』
ーーー獲得スキルーーー
小刀 +STR1
ーーー獲得報酬ーーー
100C
ペーパーナイフ
イベント:料理人への道を見て、ああ。と納得する。
そういえば、料理チュートリアルの時に道系イベントが発生しなかった。
……もしかして、農耕チュートリアルでイベントが来なかったのはクワ術とかのチュートリアルがあるのだろうか。
確かに、百姓の一揆だとか昔の戦いではクワやカマで加わったから木製のクワを使わされていたとかいう説を読んだような……
有り得る。
クワ術なり、農具チュートリアルでも受けた方がいいのかなぁ?
……うん。考えても意味ないし、とっとと報告してログアウトしましょ。




